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第5章・鎮西へ
第29話 妻を娶る?
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言い終えぬうちに、忽ち時葉の顔は真っ赤になった。
「わはは、八郎君より先に娘御から返事が返ってくるとは、痛快じゃ。それで良し。それを聞きたかったのでございます」
翁は言うが、八郎には訳が分からない。
条件というからには俺自身に注文を出すかと思えば、時葉をどうするかだと。
しかも時葉め。「嫁」だのと言い出すとは、突拍子がないにも程がある。
いったいどうすれば、そんな話になるのだ。
俺はまだ元服を終えたばかりぞ。
嫁をとるなど考えたこともない。
ひたすら呆れていると、頬にいきなり時葉の平手打ちが飛び、したたかな音を立てた。
「女にここまで言わせておいて、黙っているとは何事か!」
八郎はますます驚くばかりである。
ここで俺に何を言わせようというのか。
だが、八郎がその疑問を口にするよりも早く、重季が割って入った。
「何をするか。無礼な!」
「無礼はそっちじゃ。これは八郎と私の問題じゃ。関係のない者は口を挟むな」
「そうはいかん。儂は八郎様の幼い頃からの傅役、今は近習じゃからな」
「ふん。腰巾着めが」
「ああ、儂のことは好きに言うがよい。だが、貴様のような氏素性も知れぬ女が八郎様の嫁になど、絶対に認める訳にはいかん。ましてや、頬を張るなど言語道断じゃ。女でなければこの場にて斬り捨てるところぞ!」
常においては温厚で冷静な男だが、八郎のこととなると人が変わる。
ましてや今は事が事だけに、食って掛からんばかりの猛烈な剣幕であった。
「だいたい貴様は、武士が嫁を取るというのがどういうものか、まったく分かっておらんのだ」
「そんなもの、好きおうた二人が一緒になるだけのことじゃろう」
「そうはいかん。互いに相応しい両家が誼を結び、然るべき手順を踏んでだな」
続いては理を説いて諦めさせようとするが、時葉も負けてはいない。
「ほう、偉そうに。ならばお前自身は嫁を貰ったことがあるのだな」
「あ、いや、儂はまだ独り身だが」
「はは、だったら黙っておれ。門外漢があれこれ言うな」
「八郎様は源氏の若君ぞ。お前の言うように簡単にいくものか」
「既に家との縁は切れたはずじゃ」
「ううむ、ああ言えばこう言う、口の減らぬ娘じゃな。よいか。だいたい八郎様自身が貴様を好いておるなど、一言も仰っておらぬではないか」
「八郎は私のことを仲間と言うた」
「ああ、そうらしいな。だが、それがどうした。どうして嫁などという話に結び付くのだ」
「仲間ならば、相手を助けたい、守りたいと思うものであろう。私もそうじゃ。そして、嫁になれば常に一緒にいて八郎を助け、守ることができるではないか。夫婦こそ最高の仲間じゃ」
「はあ?」
「それに、私がこれだけ八郎のことを慕っておるのじゃ。八郎とて私のことを想わぬはずがないわ! 好きに決まっておる」
「何という独りよがりな理屈か」
時葉と重季のこの口論を、翁は時折さも愉快そうに手を叩きつつ傍観していたが、そろそろ潮時と見たか、
「まあまあ、その位になさいませ」
と、二人を制し、それから八郎に向き直って真顔になった。
「良いですか、八郎君」
愛する孫に対してゆっくりと諭すような口調である。
「この娘御の気持ちは十分にお分かりになりましたな。男が遠くへ旅をするというのに、女人が自ら進んで付いて行くというのは、こういうことですじゃ。ましてや、危ういところを救われたうえならば尚のこと。時葉様といったかな。この方のお気持ちを、ゆめゆめ無下にはなされませんように。これが爺からの二つ目の条件、お願いでございます」
長年に渡り色街の顔役をつとめてきた翁にとっては、男女の機微は最もよく知るところであったろう。
八郎は黙って頷いた。
江口に滞在を始めて三日目の夜、意外な来客があった。
法然である。
八郎はこれに驚いた。
法体の者が色街に、しかも夜になってからやって来るなど、破戒僧ならいざしらず、法然のような清廉な僧には考えられないことだったからである。
八郎がそのことを口にすると、法然自身は当然といった顔で、
「全く構いませぬ。大慈悲に溢れた御仏は、富める者より貧しき者、高位の者より庶民をこそ救いたいと思し召しですから。悟り澄ました聖者もどきよりも、自らを罪深いと考える、こういう場所に暮らす人々こそ真っ先に救済されるべきでありましょう」
と言う。
この人らしく理路整然、はっきりとした答えであった。
そして、
「今朝、堀川の御屋敷に伺ったところ、もう既に去られたとのことでしたので、その足で鳥羽の新院様のところへ先日の御礼を申し上げに参りまして」
消息を聞いた崇徳院から、ぜひ八郎に渡してほしいと託された物があり、ゆえに、以前に聞いたここであろうと検討をつけ、その足で遠路を歩いてきたというのである。
「そうか。新院様にはまたもお気遣い頂き、そのうえ兄弟子には足労をかけ、申し訳ないことだ」
差し出されたそれは熊野権現の守り札であった。
「源氏館を放逐になったらしいと申し上げますと、『ならば、八郎の思い通りではないか』とお笑いになり、きっと遠国に行くのであろうから、これをと委ねられた次第で」
「有難い。その通りじゃ。連れを暫く養生させ、その傷が癒えたら鎮西に向かうつもりだ」
「連れとは、あの時の荒法師殿でございますね」
「ああそうだ。それに」
茶が出された。
持ってきたのは時葉であり、その供し方もなかなか堂に入ったものである。
「やはりあの時の孤児が数名。そしてこの娘じゃ。時葉という」
「この方が信西宅から救い出された例の」
これに時葉が応じた。
「八郎の妻でございます」
いかにも令妻然とした挨拶である。
八郎は口に含んだばかりの茶を吹き出した。
「ほう、早くもそのようなことに」
法然はにこやかに言うが、八郎はいささか慌てる。
「い、いや、まだそういう訳ではないのだが」
「まだ、とは?」
「俺自身は妻など娶るには早いと思うのだが、ここで世話になっている翁が、その……」
八郎らしくもなく歯切れが悪い。
最後はもう殆ど、しどろもどろである
これに言葉を添えたのも、また時葉であった。
「いずれ近いうちに、ということでございます」
「それは良うございました。このように可愛らしい、しっかりとした方が傍らに居られたら、鎮西への旅も、さぞや楽しいものになりましょう」
(もう、どうにでもなれ)
諦めた八郎は、後は、好きに放言する時葉と、それに合わせる法然の会話が弾むに任せるばかりであった。
それからおよそ十日もすると、鬼若の傷も随分と癒え、自分で歩き回れるまでになった。
これに八郎は長尺の薙刀を与えた。
重季が選んだ逸品である。
江口は京にもほど近い。
もしやすると信西の手の者の目が光っているかもしれず、八郎自身が外に出ることは危ういと思われた。
玉藻が絡んでいるからには尚更である。
この場所も当然に相手の見当に入っていると考えるべきだろう。
自分だけならまだしも、下手をすると翁にも迷惑が掛かる。
そこで、顔を知られていないであろう重季に命じ、買い求めておいたのだ。
鬼若は大いに喜び、早速に庭に出て気合を発し素振りをする。
時葉と孤児たちには小太刀。
これから先、旅の途中でも行先でも何があるか分からない。
少しでも自分の身を守ることができるようにである。
鬼若がほぼ以前のように自由に薙刀を扱うことができるようになった頃、ここに来てから二十日ばかりが過ぎ、ついに出立の日が来た。
名残惜しいが、いつまでも翁の世話にばかりなっている訳にもいかぬ。
「またこちらに戻ってくることもあろう。爺もその時まで元気でいてくれ」
「はい、はいなあ。その日を楽しみに長生きに努めましょうて」
翁は、かねて用意しておいた大層な路銀を重季に手渡す。
それは、一行が相当の贅沢をしても当分は暮らすに足るほどのものであった。
「八郎君は銭のことには疎いでしょうからな。貴方様が万事を差配して、決して不自由などさせぬように、お願いしましたぞ」
「しかと心得ました。重ね重ね申し訳ない。ここはありがたく頂戴致します。いずれ御礼をさせて頂きますほどに」
「そんなことは無用じゃ。ただ、是非また頼ってきてくだされ。元気な顔を見せてくだされ」
最後は涙声であった。
船の手配も済み、文は既に博多の商人に送ってあるという。
何から何まで行き届いた配慮である。
川を下り、渡辺津に向かう。
そこで一行を迎えたのは、巨大な唐船であった。
八郎の胸は躍る。
(いよいよ、この船で海を渡るのだ)
「わはは、八郎君より先に娘御から返事が返ってくるとは、痛快じゃ。それで良し。それを聞きたかったのでございます」
翁は言うが、八郎には訳が分からない。
条件というからには俺自身に注文を出すかと思えば、時葉をどうするかだと。
しかも時葉め。「嫁」だのと言い出すとは、突拍子がないにも程がある。
いったいどうすれば、そんな話になるのだ。
俺はまだ元服を終えたばかりぞ。
嫁をとるなど考えたこともない。
ひたすら呆れていると、頬にいきなり時葉の平手打ちが飛び、したたかな音を立てた。
「女にここまで言わせておいて、黙っているとは何事か!」
八郎はますます驚くばかりである。
ここで俺に何を言わせようというのか。
だが、八郎がその疑問を口にするよりも早く、重季が割って入った。
「何をするか。無礼な!」
「無礼はそっちじゃ。これは八郎と私の問題じゃ。関係のない者は口を挟むな」
「そうはいかん。儂は八郎様の幼い頃からの傅役、今は近習じゃからな」
「ふん。腰巾着めが」
「ああ、儂のことは好きに言うがよい。だが、貴様のような氏素性も知れぬ女が八郎様の嫁になど、絶対に認める訳にはいかん。ましてや、頬を張るなど言語道断じゃ。女でなければこの場にて斬り捨てるところぞ!」
常においては温厚で冷静な男だが、八郎のこととなると人が変わる。
ましてや今は事が事だけに、食って掛からんばかりの猛烈な剣幕であった。
「だいたい貴様は、武士が嫁を取るというのがどういうものか、まったく分かっておらんのだ」
「そんなもの、好きおうた二人が一緒になるだけのことじゃろう」
「そうはいかん。互いに相応しい両家が誼を結び、然るべき手順を踏んでだな」
続いては理を説いて諦めさせようとするが、時葉も負けてはいない。
「ほう、偉そうに。ならばお前自身は嫁を貰ったことがあるのだな」
「あ、いや、儂はまだ独り身だが」
「はは、だったら黙っておれ。門外漢があれこれ言うな」
「八郎様は源氏の若君ぞ。お前の言うように簡単にいくものか」
「既に家との縁は切れたはずじゃ」
「ううむ、ああ言えばこう言う、口の減らぬ娘じゃな。よいか。だいたい八郎様自身が貴様を好いておるなど、一言も仰っておらぬではないか」
「八郎は私のことを仲間と言うた」
「ああ、そうらしいな。だが、それがどうした。どうして嫁などという話に結び付くのだ」
「仲間ならば、相手を助けたい、守りたいと思うものであろう。私もそうじゃ。そして、嫁になれば常に一緒にいて八郎を助け、守ることができるではないか。夫婦こそ最高の仲間じゃ」
「はあ?」
「それに、私がこれだけ八郎のことを慕っておるのじゃ。八郎とて私のことを想わぬはずがないわ! 好きに決まっておる」
「何という独りよがりな理屈か」
時葉と重季のこの口論を、翁は時折さも愉快そうに手を叩きつつ傍観していたが、そろそろ潮時と見たか、
「まあまあ、その位になさいませ」
と、二人を制し、それから八郎に向き直って真顔になった。
「良いですか、八郎君」
愛する孫に対してゆっくりと諭すような口調である。
「この娘御の気持ちは十分にお分かりになりましたな。男が遠くへ旅をするというのに、女人が自ら進んで付いて行くというのは、こういうことですじゃ。ましてや、危ういところを救われたうえならば尚のこと。時葉様といったかな。この方のお気持ちを、ゆめゆめ無下にはなされませんように。これが爺からの二つ目の条件、お願いでございます」
長年に渡り色街の顔役をつとめてきた翁にとっては、男女の機微は最もよく知るところであったろう。
八郎は黙って頷いた。
江口に滞在を始めて三日目の夜、意外な来客があった。
法然である。
八郎はこれに驚いた。
法体の者が色街に、しかも夜になってからやって来るなど、破戒僧ならいざしらず、法然のような清廉な僧には考えられないことだったからである。
八郎がそのことを口にすると、法然自身は当然といった顔で、
「全く構いませぬ。大慈悲に溢れた御仏は、富める者より貧しき者、高位の者より庶民をこそ救いたいと思し召しですから。悟り澄ました聖者もどきよりも、自らを罪深いと考える、こういう場所に暮らす人々こそ真っ先に救済されるべきでありましょう」
と言う。
この人らしく理路整然、はっきりとした答えであった。
そして、
「今朝、堀川の御屋敷に伺ったところ、もう既に去られたとのことでしたので、その足で鳥羽の新院様のところへ先日の御礼を申し上げに参りまして」
消息を聞いた崇徳院から、ぜひ八郎に渡してほしいと託された物があり、ゆえに、以前に聞いたここであろうと検討をつけ、その足で遠路を歩いてきたというのである。
「そうか。新院様にはまたもお気遣い頂き、そのうえ兄弟子には足労をかけ、申し訳ないことだ」
差し出されたそれは熊野権現の守り札であった。
「源氏館を放逐になったらしいと申し上げますと、『ならば、八郎の思い通りではないか』とお笑いになり、きっと遠国に行くのであろうから、これをと委ねられた次第で」
「有難い。その通りじゃ。連れを暫く養生させ、その傷が癒えたら鎮西に向かうつもりだ」
「連れとは、あの時の荒法師殿でございますね」
「ああそうだ。それに」
茶が出された。
持ってきたのは時葉であり、その供し方もなかなか堂に入ったものである。
「やはりあの時の孤児が数名。そしてこの娘じゃ。時葉という」
「この方が信西宅から救い出された例の」
これに時葉が応じた。
「八郎の妻でございます」
いかにも令妻然とした挨拶である。
八郎は口に含んだばかりの茶を吹き出した。
「ほう、早くもそのようなことに」
法然はにこやかに言うが、八郎はいささか慌てる。
「い、いや、まだそういう訳ではないのだが」
「まだ、とは?」
「俺自身は妻など娶るには早いと思うのだが、ここで世話になっている翁が、その……」
八郎らしくもなく歯切れが悪い。
最後はもう殆ど、しどろもどろである
これに言葉を添えたのも、また時葉であった。
「いずれ近いうちに、ということでございます」
「それは良うございました。このように可愛らしい、しっかりとした方が傍らに居られたら、鎮西への旅も、さぞや楽しいものになりましょう」
(もう、どうにでもなれ)
諦めた八郎は、後は、好きに放言する時葉と、それに合わせる法然の会話が弾むに任せるばかりであった。
それからおよそ十日もすると、鬼若の傷も随分と癒え、自分で歩き回れるまでになった。
これに八郎は長尺の薙刀を与えた。
重季が選んだ逸品である。
江口は京にもほど近い。
もしやすると信西の手の者の目が光っているかもしれず、八郎自身が外に出ることは危ういと思われた。
玉藻が絡んでいるからには尚更である。
この場所も当然に相手の見当に入っていると考えるべきだろう。
自分だけならまだしも、下手をすると翁にも迷惑が掛かる。
そこで、顔を知られていないであろう重季に命じ、買い求めておいたのだ。
鬼若は大いに喜び、早速に庭に出て気合を発し素振りをする。
時葉と孤児たちには小太刀。
これから先、旅の途中でも行先でも何があるか分からない。
少しでも自分の身を守ることができるようにである。
鬼若がほぼ以前のように自由に薙刀を扱うことができるようになった頃、ここに来てから二十日ばかりが過ぎ、ついに出立の日が来た。
名残惜しいが、いつまでも翁の世話にばかりなっている訳にもいかぬ。
「またこちらに戻ってくることもあろう。爺もその時まで元気でいてくれ」
「はい、はいなあ。その日を楽しみに長生きに努めましょうて」
翁は、かねて用意しておいた大層な路銀を重季に手渡す。
それは、一行が相当の贅沢をしても当分は暮らすに足るほどのものであった。
「八郎君は銭のことには疎いでしょうからな。貴方様が万事を差配して、決して不自由などさせぬように、お願いしましたぞ」
「しかと心得ました。重ね重ね申し訳ない。ここはありがたく頂戴致します。いずれ御礼をさせて頂きますほどに」
「そんなことは無用じゃ。ただ、是非また頼ってきてくだされ。元気な顔を見せてくだされ」
最後は涙声であった。
船の手配も済み、文は既に博多の商人に送ってあるという。
何から何まで行き届いた配慮である。
川を下り、渡辺津に向かう。
そこで一行を迎えたのは、巨大な唐船であった。
八郎の胸は躍る。
(いよいよ、この船で海を渡るのだ)
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