異聞・鎮西八郎為朝伝 ― 日本史上最強の武将・源為朝は、なんと九尾の狐・玉藻前の息子であった!
源氏の嫡流・源為義と美貌の白拍子の間に生まれた八郎為朝は、史記や三国志に描かれた項羽、呂布や関羽をも凌ぐ無敵の武将! その生い立ちと生涯は?
鳥羽院の寵姫となった母に捨てられ、父に疎まれながらも、誠実無比の傅役・重季、若き日の法然上人や崇徳院、更には信頼できる仲間らとの出会いを通じて逞しく成長。
京の都での大暴れの末に源家を勘当されるが、そんな逆境はふふんと笑い飛ばし、放逐された地・九州を平らげ、威勢を轟かす。
やがて保元の乱が勃発。古今無類の武勇を示すも、不運な敗戦を経て尚のこと心機一転。
英雄神さながらに自らを奮い立て、この世を乱す元凶である母・玉藻、実はあまたの国々を滅ぼした伝説の大妖・九尾の狐との最後の対決に挑む。
平安最末期、激動の時代を舞台に、清盛、義朝をはじめ、天皇、上皇、著名な公卿や武士、高僧など歴史上の重要人物も多数登場。
海賊衆や陰陽師も入り乱れ、絢爛豪華な冒険に満ちた半生記です。
もちろん鬼若(誰でしょう?)、時葉(これも誰? 実は史上の有名人!)、白縫姫など、豪傑、美女も続々現れますよ。
お楽しみに 😄
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京とその周辺から始まった物語が比叡山へ、それから鎮西へと広がりを見せてスケール感が増していきますね。
それにつれて仲間や味方も増え、八郎が成長していくのが良い感じです。
あの我儘で乱暴だったお子様が、よくもまあこんないい男に、とついつい感情移入してしまいます(笑)
ありがとうございます。
主人公や人物の成長をじっくりと描くことができるのは、やはり長編の醍醐味ですね (^_^)
綿密に考証された史実に、大胆な創作を自然に落とし込む巧みさがお見事。
文章も流れるようで読みやすい。
ありがとうございます。
第1話は特に、時代感を醸し出すために意識して古文調にした部分もあるかも。
時葉は「常盤」だったのですね!
そうすると鬼若はやっぱり「弁慶」かな?
この二人がどう為朝に絡んでいくのか、ますます先が楽しみになりました。
もしかして、いずれは義経も登場するんでしょうか?
再度の感想コメントありがとうございます。
常盤御前は史実では1138年生まれで、為朝より1歳上なんです。
そこで、こんな形で御登場いただきました。
だって、語り尽くされた「薄幸の美女」じゃ面白くないかと思って。
弁慶や義経に関しては…… ごめんなさい、まだ秘密です (^^;)
九尾の狐の話って、源為朝の活躍と同時代なんですか?
もっと昔の、安倍晴明の頃かと思ってました。
感想というか、質問ですね (笑)
はい、お答えします (^_^)
九尾の狐の化身である玉藻前のモデルと言われているのは、美福門院・藤原得子です。
摂関家の出身でもないのに鳥羽上皇の后の地位まで登りつめ、保元の乱や平治の乱の一因を作って世を乱したとされる稀代の悪女なんですね。
この人の生まれたのが1117年でして、他の方への返信でも書いた通り、為朝は1139年生まれですから、ちょうど母と息子ぐらいの年齢にあたります。
おっしゃる通り安倍晴明が活躍した時代はもっと古くて、なのによく玉藻前の話と混同されるのは、きっと、安倍晴明のお母さんが「葛の葉」っていう白狐だとする有名な人形浄瑠璃や歌舞伎があるからだと思われます。
でもこれは九尾の狐・玉藻前とは全く別のお話。
ただ、九尾の狐退治に活躍する安倍泰成は晴明の直系の子孫で、この人のお父さんが本作の最初の方に登場する泰親です。
早々に退場なされましたが、息子さんの泰成にはクライマックスで八郎に協力して九尾の狐退治に活躍してもらう予定です。
お楽しみに 😄
改めて、拝読いたしました。
今、連載されているところの、比叡山に入って……その時の兄弟子が「この人」というのが秀逸です!
「この人」なら、八郎にいろいろと教えたり、感銘を与えたりするのも、納得って感じです!
あとは、八郎は今まであまり書かれてこなかった人物なので、逆に言うと、自由に、囚われずに書ける人物だと思います。
御作はその「自由」を存分に生かして、八郎が縦横無尽に活躍し、かつ、兄弟子や鬼若や、時葉といった、「実は……」という人を出してくるところが面白いです!
面白かったです。
ではではノシ
法然上人は史実では為朝と接点が無いんですが、1133年の生まれで、1139年生まれの為朝とはたったの6つ違い、同時代の人なんです。
そこで、八郎の精神的成長を描くには「この人!」と思って御登場いただきました。
なにしろ「仏教を初めて大衆や女性のものにした」と言われる鎌倉仏教の開祖なので、よく言われるような聖人然とした姿だけではなくて、凄く「熱い」ところのあった方ではないかと……
ですから、法然上人が実際この当時に修行をされていたという比叡山功徳院に八郎も乱暴の果てに放逐される流れにして、二人の出会いを描いてみた次第です。
仏教絡みだけではなくて、この後も様々な形で八郎を助け、活躍していただきます。
為朝には「300人(500人という説もあり)乗りの軍船を1矢で沈めた」「伊豆大島から放った矢が80kmあまり離れた鎌倉の海岸に届いた」「頭に7本の角のある巨大な白蛇を退治した」といった荒唐無稽な伝説ばかりが多くて、信頼できる記録があまり残ってないんですよね。
そういう訳で、歴史的事実を追って物語を綴っていくこともできず、本作も相当の部分が独自の創作です。
難しいし大変です。でも楽しんで書いてます (^^♪
なんといっても文章が上手い。
一文一文が流麗でリズムも絶妙な上に、この物語世界によく合致している。
なにかと人間離れした逸話が多い源為朝が九尾の狐・玉藻前の息子という設定も秀逸です。
ありがとうございます。
過分なお褒めの言葉に顔が赤くなりそう (^^;)
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