不死鳥契約 ~全能者の英雄伝~

足将軍

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第八章

強化合宿一日目①

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今日は強化合宿か・・・
昨日は一日中ジルが放心状態で大変だった・・・
告白かと思いきや、説教だった時のショックは計り知れない・・・

ジルはその日ぼーっとしながら授業を受けて、ぼーっとしながら歩いて、ぼーっとしながら過ごしていた。

その次の日には元に戻ったところはさすがジルだ、と思った。

◆◇◆◇◆学校前◆◇◆◇◆

「これから北東の山にある合宿場に向かう!準備はいいか!」
『はい!!!』

男子が声を揃えて答える。
今回の成績一位者にはキスの権利があるから当たり前だろう・・・

しかし、あの学園長何考えてんだ・・・
ベットを用意した時は良い奴じゃんと思った俺が馬鹿だった・・・。

合宿期間は三泊四日間らしい。
とりあえず俺が一位になってなんとかするか・・・

「これから訓練の一つとして、荷物を持ちながら合宿場に向かう!」

◆◇◆◇◆合宿場◆◇◆◇◆

山を半分ぐらい登ると合宿場に着いた。
高さは大体二百メートルほどだろうか?
クラスの男子は始めに全力で登ったので息切れしており、まだ着いてない。
現在、一のBで合宿場に着いているのは俺とジルとシャル・カシエルとガルド先生ぐらいだ。

シャル・カシエルは身体強化をしまくっていたが、それでも普段から鍛えていないようで疲れているようだ。
すると学園長が転移魔法で先に来ていたのか、合宿場の入口で紙に何かを書いている。

おそらく到着までの時間だろう・・・
そのあと三十分待ってやっと揃った。
最後に来たのは男子だ。全員で肩を組ながら来た。
話を聞くと、誰かが逃げないようにしているらしい。
肩を組んでいれば、誰かが先に行こうとしても道連れに出来るからんだと・・・

最初に全力で登っていたので、未だに息切れしている男子もいた。
合宿場にそのあと案内されて、体力が無い男子のために休憩時間をとった。
本来は休憩時間など取らないのだが、男子の疲労ぶりを見るとそう判断せざるを得ない。

女子は普通に登っていたので着いたのは俺達の十五分ほど後だった。
男子も普通に登ればそれぐらいだったんじゃ・・・
他のクラスは別の合宿場に集まってるらしい。

合宿場はたくさんあるが、麓からの距離は変わらないらしいのですぐに会えるだろう・・・

俺達は部屋に荷物をおいて、外に出た。
休憩時間だが、特にやることもないからだ。

「いやぁ~山は景色が美しいですのぅ~クロさんや」

ジルがお年寄りみたいな口調になっている・・・

「そうですな~ジルさん」

俺もとりあえずやってみた。
するとガルド先生が俺達を見つけて駆け寄ってくる。

「おう、お前ら暇なら手伝え」
「え?いいですけどなにするんすか?」

ジルは了承して何をするか聞いた。もちろん暇なので俺も手伝う事を伝えた。

すると連れて来られたのは露天風呂だった。

「ここの掃除、俺もやっから手伝え」

広いな~、まぁ、やるって言ったしやるかー。

◆◇◆◇◆十五分後◆◇◆◇◆

「よし。終わったな」
「じゃあ、俺ら合宿場に戻ります」

俺達は合宿場に向かう。

パタン

「ふむ、クロとジルに一点か・・・」

◆◇◆◇◆合宿場・訓練スペース◆◇◆◇◆

訓練スペースに着いた俺達はすぐに訓練に入る。
他の男子はダルそうにやった振りをしている。
そこにシロが見学にくる。
何故いるのか知らないが、おそらく学園長に行ってこいとでも言われたのだろう。

何故ならシロの姿を見た男子は急にやる気になり、訓練を必死にやってからだ。
学園長もこれが狙いだろう・・・

俺とジルは木刀で打ち合いをしている。
いつもの訓練だ。
身体強化で、同じ速さで動き相手の動きを先読みしてどれだけ動きから無駄を消せるかだ。
同じ速さに調整しているので、中々決着が着かず面白い。

そこにシロがきた。

「ジルさん、お兄ちゃん、ちゃんとやってる?」

人前なのでジルはさん付けだ。
俺はやはり妹設定が生きてるのか、お兄ちゃんと呼ぶ。

「お兄ちゃん・・・だと!?」
「アヤツ・・・どうやら死にたいようだな・・・」
「シロちゃんの為に俺はクロ君を倒すことに決めたよ・・・」

何やら周りの人が殺気立っていますが・・・
ここで妹ですって言っても信じないだろう・・・

「きえええええええ!!」

男子の一人が後ろから変な声を出して木刀を振り下ろしてきた。
俺はそれを避け、相手の腹を木刀で打った。
いままで王国の騎士の末裔のジルとしていたから、コイツらの動きが無駄が多過ぎて笑えてくる。

ってかこれは正当防衛成立しているよな?
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