不死鳥契約 ~全能者の英雄伝~

足将軍

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第五章

フェニクス代表戦三日前①

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俺とジルはいつものように寮をでて学校に向かった。
すると校門の前にある人物が仁王立ちしていた。

・・・俺はその場でその人物を殺すか考えたが今騒ぎを起こすと面倒くさいので、通り過ぎようとした

「ふっ、驚いているのだろ?俺がこの短期間で復活したことを・・・」

そう、その人物は精神崩壊して俺が(痛め付ける為)蘇らせたシード・カシエルだ。

驚いたけどわざわざここでそれを言う為に待つ意味はない気がする・・・
それに足を少し崩している。
おそらく何時間も前から待っていたのだろう・・・
俺が憐れみの目で見ているとシード・カシエルは笑っている。

「ふっふっふ、わかるぞ!その目は俺の姿を見て絶望している目だな!」

・・・面倒くさい・・・

「あ、はい、じゃあそれでいいです」

するとジルが俺に耳打ちをしてきた。

「クロ、コイツマジで頭イってる奴だ、怒ると多分猿みたいにキキーって言うから目を合わさない方が良いぞ」
「そうだな、野生動物には目を合わせると襲って来るって聞くし・・・」

俺達がコソコソ声で言っていると、シード・カシエルが声を荒げて笑う。

「ハッハッハ!どんな作戦を考えても俺には勝てない!俺は賢者の石を手に入れたのだからな!!ハッハッハ」

賢者の石?賢者の石って特定の属性の魔法を全て覚えるってあれか?

レイチェルさんの家にあった奴は確か濃厚な魔力の塊みたいな感覚があったけどシード・カシエルが持ってるあれ・・・ただの石ころだぞ?多分騙されたんだな。
いくらで買わされたんだろ?

「やべーよ、クロあいつあの石ころを賢者の石って言ってやがる」
「お前賢者の石見たことあるのかよ・・・」
「ないけどあれから何も感じられないことはどんな馬鹿でも分かるぞ!?」

俺達がコソコソ声でずっと話しているとシード・カシエルは笑いを止めて俺達を馬鹿にするような目で見下してきた。

「お前達はもう飽きた、それでは賢者の石の力を見るが良い!!」

シード・カシエルが賢者の石(爆笑)を天に掲げる。

しかし、何も起こらない・・・

「うおおおおお!!力が溢れてくる!」

それ気のせいです(爆笑)

「うおおお!・・・ん?」

どうやら何も無いことに気付たらしい。
俺は不思議そうに賢者の石(馬鹿じゃねぇの?)を見ているシード・カシエルにこう言った。

「ウワー、ナンダアノマリョクハー、コンナノカテナイー」

うん、棒読みになったな。
これじゃあ、多分これ以上は面白いことが起きないだろう・・・

「おいクロ!もう既に手遅れなアイツにそんなこと言ったら「ハッハッハ!」」

ジルの耳打ちを終える前にまたもやシード・カシエルの笑い声が・・・
まさか・・・騙されてないよな?

「何だこの力は!?明らかに俺は強くなっている!!感じるぞ!」

・・・それ気のせいです。
シード・カシエルは俺に手を向けた

「今ならイケる!!喰らえ!蒼炎!!」

蒼炎とは蒼い炎だ、火属性の最高クラスの技。別名【神の炎】と呼ばれる
しかし、シード・カシエルの手からは何も出ない・・・
まぁ、そうなるよね・・・
だってコイツ何も変化ないもん。

「じゃあ、俺ら学校遅刻しそうだからじゃあな」
「生徒会長(爆笑)放課後会いましょう!」
「待て!まだお前らを許してはいな・・・!」

シード・カシエルが俺の肩を触れようとしたので俺は振り向き、シード・カシエルの制服の襟を掴み、こう言った。

「今は殺さないって言ってやってるんだ。分かったら失せろ」

俺はシード・カシエルの制服の襟を離した。
シード・カシエルは地面に尻餅を着いた。
チョロチョロチョロチョロ。

「・・・汚っ!」
「ん?どうしたー、さっさと行くぞークロ」

ジルは十メートルほど離れていて、シード・カシエルは俺の影にいて見えないらしい。

「いや、何でもないから行くか!遅刻しちまう!」

・・・お漏らし・太郎のあだ名はもう確定だな

俺はジルと学校に向かい、結局間に合わず一緒に怒られた・・・
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