不死鳥契約 ~全能者の英雄伝~

足将軍

文字の大きさ
上 下
34 / 86
第五章

フェニクス代表戦四日前

しおりを挟む
昨日は大変だった…

学園長がメリィに近付いてきた代表生徒全員に掃除を命じて、掃除が終わったあと俺は闇属性の精神干渉魔法の上位魔法の記憶干渉魔法を使い、ジル、レイン・カシエル、シャル・カシエル、サリア先輩、学園長、ガルド先生以外の全員からリンとメリィの記憶を消した。

学園長がのんきに「わー、クロ君凄いね~」と言っていたので「ここで問題、こうなった原因だ~れだ?」と言葉責めにして説教した。

これで代表生徒の記憶は大丈夫のはずだから疲れたので寝て、今日に至る。
現在は放課後となり再び召集を受けてガルド先生の話を聞いているところだ。

「今日はチームを組んでもらう!チームは三人!出来次第理由を述べろ!理由がまともだったら訓練にはいれ!」

チームか、そうだな、誰と組もう…レイン・カシエルとサリア先輩は相変わらずイチャイチャしてるのでセットだろう…

レイン・カシエルは水属性、サリア先輩は風属性、ジルは光属性、シャル・カシエルは火と水、まぁコイツは候補から外そう。

それと昨日ガルド先生に実力を認められて代表生徒になったレナは水属性、うーむ、これは・・・一通りしか頭に浮かばない・・・。

「ジル、レナ、一緒に組もうぜ」
「お、良いぜ俺もそうしようとしてたところだ」
「え?私でいいの?やった!」
「よし、じゃあ報告しに行こうか」

ガルド先生の方を俺はみる。
どうやら先にチームを決めた生徒が来ていたようだ。

「で、何で組みたいと思ったんだ?」

ガルド先生は俺達の前に並ぶ生徒に聞く。

「仲が良いからです!!」
「馬鹿か!?仲良いだけでチーム決めてんじゃねぇ!!!」

あまりにも自信満々だったためガルド先生も呆れている。
生徒達は戻ってやり直している

「次・・・クロか、それでお前達が組んだ訳は?」
「武器の相性です」

俺はさっきまで考えていた戦術を言う。

「ほぅ、武器の相性か、それで?」
「俺は剣士、ジルは重戦士、レナは鎖使い、戦術はジルが盾で敵の攻撃をはじき怯んでいる間に俺の奇襲、この戦術は大勢で来られると負けるのでレナには足止めをやってもらいます」
「理由は上手く出来ている、よし登録しておこう」

登録してもらい訓練場に向かった。正直に言うと相手を重力で押しつぶすだけでも良いのだがそれだとチームの意味がなくなってしまう。

ってかチームを組む理由ってどこまでが大丈夫なんだ?
あの後ろにレイン・カシエルとサリア先輩が並んでて「僕は決めたんです!彼女を離さないと!」なんて言ってるとガルド先生は「お、おう、じゃあ頑張れよ…」と押し負けていたし―――



「いや~クロがあそこまで考えていたとはな~」
「ほんと、私びっくりしましたよ」
「誘う前から俺はこう考えてたんだがな」

訓練場に着くと俺はさっそくリンを出した。
リンを見るのは初めてだと思うがレナは意外な反応を見せた。

「クロ、リンさんを出して何するんだ?」
「わぁ~クロさんの使い魔可愛いですね~」
「ありがとう!初めまして!私はリンです♪」
「あ、どうも!レナと申します、よろしくお願いします!」

自己紹介が済んだらしいので俺はリンにモンスターを召喚するように頼んだ。もちろん学園長の許可は貰っている。

「いくよ~来て!火炎龍!」

・・・おい火炎龍はランクSだぞ?

「え!?火炎龍!?」

体長十メートルなので子供だな。大人になると五十メートルぐらいになるらしい。
ちなみに子供の火炎龍はランクAです。
子供だと火炎龍ではなく、火吹き龍と呼ばれるらしい。

「じゃあ行くか!!」

ジルが火炎龍に突っ込む!それを見てレナは「え?やるの?」と言った。
おそらくレナは勝てるとは思ってないだろう…
けれどジルもかなり強いから勝てると思う…多分。
ジルよりも火吹き龍の方が早く、ブレスを吐きそうだったのでジルは「こい!ライセイ!」と叫びジルの足元に魔方陣が現れ、ユニコーンが出て来た。
ジルはユニコーンとコミュニュケーションは取れてるようだ。
その証拠にユニコーン!では無く俺と同じように名前でライセイと言ったのだ。

「え!Sランクのユニコーン!?」
「レナ、さっさと行くぞ!」

俺の声に正気を取り戻したのかレナも火吹き龍の方へ向かった。
かなり震えてるが…慣れるだろ。
ジルはユニコーンに又借りブレスを避けて火吹き龍の目の前まで来ていた。

「ライセイ!飛んだあと逃げろ!!」

ユニコーンは慣れたように火吹き龍にジャンプする、何度かやってるのか?結構連携出来てるじゃないか…多分あれは俺の知らぬ間にクエストこなしてやがったな?アイツ
ジルはユニコーンの背中から跳んで火吹き龍の額まで来ていた。

「クロ!行くぞ!」
「おう!あとは俺に任せて行け!」

ジルは火炎龍の顔面に盾でぶつかり、火吹き龍を気絶させた。

「あ、やべ」
「あ、やっちった」
「何してんだよジル、怯ませるだけで気絶はさせなくていいんだよ」
「わりぃわりぃ手加減出来なくて、すぐに回復させるから」

ジルは回復魔法で火吹き龍を回復させた。すると申し訳なく思ったリンが戦闘終了の合図を出す。

「すいません、ありがとうございました、今日は休んでください」

リンは火吹き龍に謝る。
いや、返事とか出来るのか?

「いたかったよ?じゃあお休み、リンさん戻してください」
「あ、はーい」

あ、普通に出来た。疑ってすみません。
火炎龍は帰った。そのあとリンも俺の中に入った

「あれ?そういえばレナは?」

俺がレナを途中で「行くぞ!」と言ったがいつからか見失っていた。

「後ろじゃね?」

後ろの方を見るとレナがボケーっと突っ立っていた。

「レナ、どうした?」

俺が心配して声をかけるとレナは気がついた。

「あ、ごめんなさい、頭が混乱してて…」
「そうか、そういえばジル、お前ユニコーンは?」
「ん?そういえば見当たらいな…あ!」

ジルが周りを見渡すと、ユニコーンが倒れて苦しそうにしていた…

「おーい、大丈夫か?」

おや?ユニコーンの様子が…

「あれ?ライセイ、お前何か光ってね?」
「あ、ほんとだ」
「…」

ユニコーンのライセイが光に包まれていく…

「お、おい!ほんとに大丈夫か!?」

その様子にジルが本気で心配する。
さっきまで光ってね?なんて言って軽かったし。
するとライセイは光の中で何やら形が変わる。

「なぁジル、これは使い魔の進化じゃねぇか?」
「え!?授業でやったあれか?確か……お、思い出せないだと!?」
「思い出せないじゃなくてお前ほとんど授業寝てるだろ」
「何で知っているんだ!?」
「隣の席だからだよ!!まぁ進化ってのは使い魔がある程度の強さを越えると発動する奴だ」

そんな話をしているとライセイが進化を終えた
ライセイはスレイプニルに進化を遂げた。
今までの白い毛並みが青に代わり、ランクはSEだ。

「ふぅ、疲れましたな……」
「おおぅ!進化したーーーー!!」
「ジル様!踏み台に使うなとあれほど申しましたのに何故毎回あのような作戦で行くのですか!それにジル様は――」

そのあとジルは自分の使い魔に三十分ほど叱られたそうです。

俺とレナはライセイに「長引きます故、お二方はお先のお帰りください」と言われ帰りました…ジル、さようなら
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

[鑑定]スキルしかない俺を追放したのはいいが、貴様らにはもう関わるのはイヤだから、さがさないでくれ!

どら焼き
ファンタジー
ついに!第5章突入! 舐めた奴らに、真実が牙を剥く! 何も説明無く、いきなり異世界転移!らしいのだが、この王冠つけたオッサン何を言っているのだ? しかも、ステータスが文字化けしていて、スキルも「鑑定??」だけって酷くない? 訳のわからない言葉?を発声している王女?と、勇者らしい同級生達がオレを城から捨てやがったので、 なんとか、苦労して宿代とパン代を稼ぐ主人公カザト! そして…わかってくる、この異世界の異常性。 出会いを重ねて、なんとか元の世界に戻る方法を切り開いて行く物語。 主人公の直接復讐する要素は、あまりありません。 相手方の、あまりにも酷い自堕落さから出てくる、ざまぁ要素は、少しづつ出てくる予定です。 ハーレム要素は、不明とします。 復讐での強制ハーレム要素は、無しの予定です。 追記  2023/07/21 表紙絵を戦闘モードになったあるヤツの参考絵にしました。 8月近くでなにが、変形するのかわかる予定です。 2024/02/23 アルファポリスオンリーを解除しました。

巻き込まれ召喚されたおっさん、無能だと追放され冒険者として無双する

高鉢 健太
ファンタジー
とある県立高校の最寄り駅で勇者召喚に巻き込まれたおっさん。 手違い鑑定でスキルを間違われて無能と追放されたが冒険者ギルドで間違いに気付いて無双を始める。

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~

おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。 どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。 そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。 その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。 その結果、様々な女性に迫られることになる。 元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。 「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」 今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。

特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった

なるとし
ファンタジー
 鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。  特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。  武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。  だけど、その母と娘二人は、    とおおおおんでもないヤンデレだった…… 第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。

異世界転移しましたが、面倒事に巻き込まれそうな予感しかしないので早めに逃げ出す事にします。

sou
ファンタジー
蕪木高等学校3年1組の生徒40名は突如眩い光に包まれた。 目が覚めた彼らは異世界転移し見知らぬ国、リスランダ王国へと転移していたのだ。 「勇者たちよ…この国を救ってくれ…えっ!一人いなくなった?どこに?」 これは、面倒事を予感した主人公がいち早く逃げ出し、平穏な暮らしを目指す物語。 なろう、カクヨムにも同作を投稿しています。

異世界でぺったんこさん!〜無限収納5段階活用で無双する〜

KeyBow
ファンタジー
 間もなく50歳になる銀行マンのおっさんは、高校生達の異世界召喚に巻き込まれた。  何故か若返り、他の召喚者と同じ高校生位の年齢になっていた。  召喚したのは、魔王を討ち滅ぼす為だと伝えられる。自分で2つのスキルを選ぶ事が出来ると言われ、おっさんが選んだのは無限収納と飛翔!  しかし召喚した者達はスキルを制御する為の装飾品と偽り、隷属の首輪を装着しようとしていた・・・  いち早くその嘘に気が付いたおっさんが1人の少女を連れて逃亡を図る。  その後おっさんは無限収納の5段階活用で無双する!・・・はずだ。  上空に飛び、そこから大きな岩を落として押しつぶす。やがて救った少女は口癖のように言う。  またぺったんこですか?・・・

フリーター転生。公爵家に転生したけど継承権が低い件。精霊の加護(チート)を得たので、努力と知識と根性で公爵家当主へと成り上がる 

SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
400倍の魔力ってマジ!?魔力が多すぎて範囲攻撃魔法だけとか縛りでしょ 25歳子供部屋在住。彼女なし=年齢のフリーター・バンドマンはある日理不尽にも、バンドリーダでボーカルからクビを宣告され、反論を述べる間もなくガッチャ切りされそんな失意のか、理不尽に言い渡された残業中に急死してしまう。  目が覚めると俺は広大な領地を有するノーフォーク公爵家の長男の息子ユーサー・フォン・ハワードに転生していた。 ユーサーは一度目の人生の漠然とした目標であった『有名になりたい』他人から好かれ、知られる何者かになりたかった。と言う目標を再認識し、二度目の生を悔いの無いように、全力で生きる事を誓うのであった。 しかし、俺が公爵になるためには父の兄弟である次男、三男の息子。つまり従妹達と争う事になってしまい。 ユーサーは富国強兵を掲げ、先ずは小さな事から始めるのであった。 そんな主人公のゆったり成長期!!

処理中です...