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第三章
ランキング戦一週間前②
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俺達は課外活動で北の森に向かった。
ちなみに死の森は南なので全くの逆方向である。
北の森は比較的安全で、モンスターもFとEしか出ないらしい。
「これから森に入ります!各パーティー気をつけて行ってきてください!少しでも気分が悪くなれば帰って来てください!」
目の前で挨拶をした女の先生、確か入学式に間違えて座っていた人だ。
あぁ、ガルド先生と担任を変わって欲しい・・・
「始まるね!クロ、ジル!」
サファイア先輩は戦闘が初めてなのだろうか?
少し震えている。けれどそれを後輩である俺達に悟られないようにしているようだ。
パーティーが一組ずつ入っていく。
その中にはカシエル家の三人もいた。
何組か入った後に俺達が入る。
「さーて、行きましょう!サファイア先輩!クロ!」
森の中で作戦が決まった。
ちなみに作戦はジルが決めたのだが、重戦士のジルと剣士の俺は前衛、サファイア先輩は弓なので後衛になった。
ジルに普通に倒せるだろ?と言ったが「サファイア先輩がそれじゃあ置いてきぼりだろ」と小声で言われて納得した。
俺も手加減しよう…
森とはいえ、生徒が進む道だ、かなり整備されている。
そんな道を歩いているとスライムが出てきた。
スライムとは水属性の魔物であり、魔物の中で最も最弱の部類に入る。
二十センチほどの大きさで青くゼリーのようなボディ、ジルが盾で弾くだけで死ぬだろう…
…え?これに手加減するの?嘘でしょ?手加減しても終わるよ?
「わわっ!スライムだ!皆!構えて!」
……スライムですが?何をおっしゃるのでしょうこの方は…
けれど俺達がもうBランク冒険者なのは知られてはならない。
「ジル!スライムを盾で弾け!」
「…マジかこの魔物を敵と認識したの初めてだぞ…」
ジルも手加減するのは知っていたが、スライム相手だとどう手加減すればいか分からないらしい 。
ジルは指示通り、体当たりしてくるスライムにこれ以上なく優しくはじき飛ばしてあげた。
「先輩!今です!」
「あ!う、うん!」
サファイア先輩は弓を放ち、スライムに命中させた。
スライムは倒れて核の部分を残して地面に溶けていった。
「あれ?何これ?」
サファイア先輩はスライムの核を不思議そうに見ている。
「それはスライムの核で水の精霊石ですよ、先輩」
ジルが軽く説明するとサファイア先輩は目を輝かせた。
「これが精霊石!!ヤッター僕達スライムに勝ったんだね!」
スライムに勝っても余り金にならない事は教えないでおこう…
その先に進んで行ったら、ゴブリンがいた。単体ではFランクだが、集団ではEランクと同じ強さを持ちらしい。
今回は二匹だった。
「ゴブリン!?逃げよう!勝てないよ!」
「…クロ、あれ頼む」
「…ゴブリンには使いたくなかったけど仕方ない」
俺は重力(超激弱)を放った。ゴブリンは少し動きが鈍くなった。
「ちょっと戦ってみましょう先輩、こっちは三人で向こうは二匹なので余裕ですよ」
「で、でも危険だよ…」
「危なくなれば逃げましょう」
「…わかった、そうだね!戦おう!」
ゴブリンは重力で弱体化してるから二匹でもFランク並の弱さになってるはずだ。
俺は先ほどと同じように指示を出した、ジルが盾ではじき飛ばし、先輩が弓で倒す。
「え?うわあ!!」
しまったもう一匹が先輩を狙ったか、くそ!ゴブリンめ!明らかに弱い所を狙ってきた!
「(クロ、結構言ってること酷いね……)」
俺はすぐに剣で先輩に飛び掛かろうと近付き始めてるゴブリンに剣で斬ろうとした。しかし間違えて魔力を少し込めてしまい、ゴブリンは魔力の斬撃で精霊石を残して体は跡形もなく消えた。
「ジル、わりぃやっちった……」
「いや、今のは不可抗力だ気にするな」
二人でどうごまかそうか頭を抱えて悩む。
そこで一度先輩方を見ると何故か先輩の姿はなく、そこに居たのはブロンド色の髪色で髪型はショートヘアの女の子だった。
「…」
「…」
「…」
歳はサファイアと同じぐらいだろう。しかし驚くべき事がある…
その女の子が着ている服が先程までサファイア先輩着ていた男子生徒用の制服なのだ。
「えっと……誰?」
「え?ジルどうしたの?僕だよ?サファイア」
…はい、嫌な予感しかしません。
閑話休題
説明を聞くと彼女の名前はサリアというらしい、サファイアというのは偽名らしい。
何故か男装なんかしてるのか聞くとサリア先輩は説明してくれた。
それは自分の親が貴族で、政略結婚しか道がない崖っぷちにいるらしい。
それで相手側の結婚相手が出した条件が男装して、三年間過ごせばいいと言われたらしい、それは相手が単にそういう趣味だかららしい。
そして、学校で何度もセクハラ行為をされたがスキンシップと言われて立場の事もあり耐えていたらしい。
この時点でも充分怒っていたのだが、俺はその男の名を聞いて怒りが爆発寸前まできた。
その男の名は【シード・カシエル】だと言う…
でも、サリア先輩「大丈夫…だから」と言うので俺は怒りを抑えた。
髪も魔法でごまかしてるだけだった。
俺達はこの姿は見なかった事にしてと頼まれたので、ジルは了承した。
俺は了承はしたが本心は了承していなかった。
何故か?それは本心が了承することはシードにサリア先輩が嫁ぎ、ロクな人生を歩まないと確信していたからだ。
とりあえずサリア先輩に先程までと同じ種類の魔法を掛けて、髪型をサファイア先輩の状態に変えて再び狩りに行った。
とりあえず、俺はシード・カシエルは許すことはないだろう。
ちなみに死の森は南なので全くの逆方向である。
北の森は比較的安全で、モンスターもFとEしか出ないらしい。
「これから森に入ります!各パーティー気をつけて行ってきてください!少しでも気分が悪くなれば帰って来てください!」
目の前で挨拶をした女の先生、確か入学式に間違えて座っていた人だ。
あぁ、ガルド先生と担任を変わって欲しい・・・
「始まるね!クロ、ジル!」
サファイア先輩は戦闘が初めてなのだろうか?
少し震えている。けれどそれを後輩である俺達に悟られないようにしているようだ。
パーティーが一組ずつ入っていく。
その中にはカシエル家の三人もいた。
何組か入った後に俺達が入る。
「さーて、行きましょう!サファイア先輩!クロ!」
森の中で作戦が決まった。
ちなみに作戦はジルが決めたのだが、重戦士のジルと剣士の俺は前衛、サファイア先輩は弓なので後衛になった。
ジルに普通に倒せるだろ?と言ったが「サファイア先輩がそれじゃあ置いてきぼりだろ」と小声で言われて納得した。
俺も手加減しよう…
森とはいえ、生徒が進む道だ、かなり整備されている。
そんな道を歩いているとスライムが出てきた。
スライムとは水属性の魔物であり、魔物の中で最も最弱の部類に入る。
二十センチほどの大きさで青くゼリーのようなボディ、ジルが盾で弾くだけで死ぬだろう…
…え?これに手加減するの?嘘でしょ?手加減しても終わるよ?
「わわっ!スライムだ!皆!構えて!」
……スライムですが?何をおっしゃるのでしょうこの方は…
けれど俺達がもうBランク冒険者なのは知られてはならない。
「ジル!スライムを盾で弾け!」
「…マジかこの魔物を敵と認識したの初めてだぞ…」
ジルも手加減するのは知っていたが、スライム相手だとどう手加減すればいか分からないらしい 。
ジルは指示通り、体当たりしてくるスライムにこれ以上なく優しくはじき飛ばしてあげた。
「先輩!今です!」
「あ!う、うん!」
サファイア先輩は弓を放ち、スライムに命中させた。
スライムは倒れて核の部分を残して地面に溶けていった。
「あれ?何これ?」
サファイア先輩はスライムの核を不思議そうに見ている。
「それはスライムの核で水の精霊石ですよ、先輩」
ジルが軽く説明するとサファイア先輩は目を輝かせた。
「これが精霊石!!ヤッター僕達スライムに勝ったんだね!」
スライムに勝っても余り金にならない事は教えないでおこう…
その先に進んで行ったら、ゴブリンがいた。単体ではFランクだが、集団ではEランクと同じ強さを持ちらしい。
今回は二匹だった。
「ゴブリン!?逃げよう!勝てないよ!」
「…クロ、あれ頼む」
「…ゴブリンには使いたくなかったけど仕方ない」
俺は重力(超激弱)を放った。ゴブリンは少し動きが鈍くなった。
「ちょっと戦ってみましょう先輩、こっちは三人で向こうは二匹なので余裕ですよ」
「で、でも危険だよ…」
「危なくなれば逃げましょう」
「…わかった、そうだね!戦おう!」
ゴブリンは重力で弱体化してるから二匹でもFランク並の弱さになってるはずだ。
俺は先ほどと同じように指示を出した、ジルが盾ではじき飛ばし、先輩が弓で倒す。
「え?うわあ!!」
しまったもう一匹が先輩を狙ったか、くそ!ゴブリンめ!明らかに弱い所を狙ってきた!
「(クロ、結構言ってること酷いね……)」
俺はすぐに剣で先輩に飛び掛かろうと近付き始めてるゴブリンに剣で斬ろうとした。しかし間違えて魔力を少し込めてしまい、ゴブリンは魔力の斬撃で精霊石を残して体は跡形もなく消えた。
「ジル、わりぃやっちった……」
「いや、今のは不可抗力だ気にするな」
二人でどうごまかそうか頭を抱えて悩む。
そこで一度先輩方を見ると何故か先輩の姿はなく、そこに居たのはブロンド色の髪色で髪型はショートヘアの女の子だった。
「…」
「…」
「…」
歳はサファイアと同じぐらいだろう。しかし驚くべき事がある…
その女の子が着ている服が先程までサファイア先輩着ていた男子生徒用の制服なのだ。
「えっと……誰?」
「え?ジルどうしたの?僕だよ?サファイア」
…はい、嫌な予感しかしません。
閑話休題
説明を聞くと彼女の名前はサリアというらしい、サファイアというのは偽名らしい。
何故か男装なんかしてるのか聞くとサリア先輩は説明してくれた。
それは自分の親が貴族で、政略結婚しか道がない崖っぷちにいるらしい。
それで相手側の結婚相手が出した条件が男装して、三年間過ごせばいいと言われたらしい、それは相手が単にそういう趣味だかららしい。
そして、学校で何度もセクハラ行為をされたがスキンシップと言われて立場の事もあり耐えていたらしい。
この時点でも充分怒っていたのだが、俺はその男の名を聞いて怒りが爆発寸前まできた。
その男の名は【シード・カシエル】だと言う…
でも、サリア先輩「大丈夫…だから」と言うので俺は怒りを抑えた。
髪も魔法でごまかしてるだけだった。
俺達はこの姿は見なかった事にしてと頼まれたので、ジルは了承した。
俺は了承はしたが本心は了承していなかった。
何故か?それは本心が了承することはシードにサリア先輩が嫁ぎ、ロクな人生を歩まないと確信していたからだ。
とりあえずサリア先輩に先程までと同じ種類の魔法を掛けて、髪型をサファイア先輩の状態に変えて再び狩りに行った。
とりあえず、俺はシード・カシエルは許すことはないだろう。
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