不死鳥契約 ~全能者の英雄伝~

足将軍

文字の大きさ
上 下
16 / 86
第一章

王都フェニクス第一学園

しおりを挟む
俺は朝起きた。何の変りもない普通の朝だ。
するとジルが恨めしそうな顔で見てくる

「・・・ジル、何故そんな目で見てる・・・」
「じゃあクロ、何故リンさんと寝てる」
「え?」

俺は隣を恐る恐る見る。

・・・はい、リンが寝ています

「・・・」
「・・・」

しばらく沈黙が続く。

「さて、今日は入学式か、準備しないと」
「そうだな、クロはあの世へ入学式に逝くんだな」
「・・・」
「・・・」

またもや沈黙が続く

「いや、誤解だ」
「何のだ?どうせ一人で卒業したんだろ?昨夜はお楽しみでしたねこんちくしょう!!」
「お前なに言ってんだよ!じゃあ逆になんで俺達は服きてるんだよ!?」

俺は正論を述べた。
そう、俺は服を着ているし、乱れてすらいない。
明らかに何もして無いのがわかる。

「ハハッ冗談だよ、ほらさっさと行くぞ」

いつものジルに戻ったので俺は安心して息を吐いた。
何だろう、途中まで冗談に聞こえなかったのだが…

「びっくりさせんなよジル」

とりあえず、この先は踏み込んではいけない気がするので、冗談ということで片付けておこう。
俺達はすぐに準備をして学校に向かった―――







学校に着いて、適当に書類を受け取り体育館で準備が終わるまで待機していた時の事…

「くかーくかー」

ジルが並べられた椅子に座り寝息をたてている。
素晴らしいよ、周りの注目を一斉に集めても尚、寝るなんて…
俺はジルを「え?コイツ?全然知らない人だよ」オーラを出すのに精一杯だ。
暗いので学校関係者の人が来るまでの時間にジルがひま過ぎると言って寝てしまった。ちなみにリンも俺の中で寝ている。

「お、始まるみたいだ」

教員が来たらしい。
一番前の壇上のところの並べられた六ツの椅子に座っていった。
その中に見覚えのある人物がいた。
相変わらずスーツを着崩し、面倒くさそうな顔をしているオッサンだ

……うん、ガルドさんだね

嫌な予感がする……まぁ俺のクラスは一のB、ガルドさんは一番左に座っているのでおそらく一のDだ、うん大丈夫だ。
するとガルドさんに話しかける人がいた。位置的に一のB俺達の担任だと思われる人だ。
何か話して、ガルドさんが右手で頭を掻いてその人と席を変わった。

…あれ~、何かガルドさんが一のBクラスの席に座ってるぞ~何でだろ~?

「お願いします、嘘だと言ってください」

現実逃避をしていると追い打ちをかけるように入学式が始まった。

「これより、フェニクス第一学園高等部の入学式を行います」

一番右の席に座ってる背が低い緑色のツインテールの女の子が真ん中の台に置いてあるマイクを手に取り司会を始めた。

「申し遅れました。私はこの学園の学園長をしているロード・レリエルと申します。」

…ロード・レリエルって俺がレイチェルさんから手紙を渡せって言われた人じゃん…
凄い小さいな。

「次に、生徒会長シード・カシエルのから挨拶です」

…シード・カシエル…絶対関わらないでおこう

俺の元いた家の長兄、シード・カシエル。俺に危害を加えるようであれば殺すのみだ。
いや、いっそ先に…

「(クロ!気持ちはわかるけど落ち着いて!)」

どうやら自然に殺気を発していたらしい、寝ているジル以外が震えている
おそらく俺の殺気とは気付いていないはずだ。

にしてもリンが止めてくれなければここで殺していたかもしれない。

「はい、紹介に上がりました、シード・カシエルです。この度は入学おめでとうございます。この学園に入学した時点であなた方は選ばれた存在です。頑張ってください!」

軽く挨拶をしたシード、次に教師の紹介だ。
一人目は普通に挨拶した。問題は二人目だ…

「うぃ、ガルドだ一のB担任となったよろしく頼む」

他の先生は緊張で少し言葉がおかしい所もあったが、教師になってやりたいことなど意思表明をしたがガルドさんに関しては……何も無かった。
その次も先生も普通に挨拶してその次も丁寧に挨拶していたが、ガルドさんは反省する気がまるで無いように面倒くさそうに座っていた

とりあえず、入学式は無事に終わった。

ガルドさんは無事か知らないけど…
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

月が導く異世界道中extra

あずみ 圭
ファンタジー
 月読尊とある女神の手によって癖のある異世界に送られた高校生、深澄真。  真は商売をしながら少しずつ世界を見聞していく。  彼の他に召喚された二人の勇者、竜や亜人、そしてヒューマンと魔族の戦争、次々に真は事件に関わっていく。  これはそんな真と、彼を慕う(基本人外の)者達の異世界道中物語。  こちらは月が導く異世界道中番外編になります。

[鑑定]スキルしかない俺を追放したのはいいが、貴様らにはもう関わるのはイヤだから、さがさないでくれ!

どら焼き
ファンタジー
ついに!第5章突入! 舐めた奴らに、真実が牙を剥く! 何も説明無く、いきなり異世界転移!らしいのだが、この王冠つけたオッサン何を言っているのだ? しかも、ステータスが文字化けしていて、スキルも「鑑定??」だけって酷くない? 訳のわからない言葉?を発声している王女?と、勇者らしい同級生達がオレを城から捨てやがったので、 なんとか、苦労して宿代とパン代を稼ぐ主人公カザト! そして…わかってくる、この異世界の異常性。 出会いを重ねて、なんとか元の世界に戻る方法を切り開いて行く物語。 主人公の直接復讐する要素は、あまりありません。 相手方の、あまりにも酷い自堕落さから出てくる、ざまぁ要素は、少しづつ出てくる予定です。 ハーレム要素は、不明とします。 復讐での強制ハーレム要素は、無しの予定です。 追記  2023/07/21 表紙絵を戦闘モードになったあるヤツの参考絵にしました。 8月近くでなにが、変形するのかわかる予定です。 2024/02/23 アルファポリスオンリーを解除しました。

巻き込まれ召喚されたおっさん、無能だと追放され冒険者として無双する

高鉢 健太
ファンタジー
とある県立高校の最寄り駅で勇者召喚に巻き込まれたおっさん。 手違い鑑定でスキルを間違われて無能と追放されたが冒険者ギルドで間違いに気付いて無双を始める。

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~

おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。 どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。 そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。 その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。 その結果、様々な女性に迫られることになる。 元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。 「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」 今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。

特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった

なるとし
ファンタジー
 鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。  特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。  武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。  だけど、その母と娘二人は、    とおおおおんでもないヤンデレだった…… 第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。

異世界でぺったんこさん!〜無限収納5段階活用で無双する〜

KeyBow
ファンタジー
 間もなく50歳になる銀行マンのおっさんは、高校生達の異世界召喚に巻き込まれた。  何故か若返り、他の召喚者と同じ高校生位の年齢になっていた。  召喚したのは、魔王を討ち滅ぼす為だと伝えられる。自分で2つのスキルを選ぶ事が出来ると言われ、おっさんが選んだのは無限収納と飛翔!  しかし召喚した者達はスキルを制御する為の装飾品と偽り、隷属の首輪を装着しようとしていた・・・  いち早くその嘘に気が付いたおっさんが1人の少女を連れて逃亡を図る。  その後おっさんは無限収納の5段階活用で無双する!・・・はずだ。  上空に飛び、そこから大きな岩を落として押しつぶす。やがて救った少女は口癖のように言う。  またぺったんこですか?・・・

異世界転移しましたが、面倒事に巻き込まれそうな予感しかしないので早めに逃げ出す事にします。

sou
ファンタジー
蕪木高等学校3年1組の生徒40名は突如眩い光に包まれた。 目が覚めた彼らは異世界転移し見知らぬ国、リスランダ王国へと転移していたのだ。 「勇者たちよ…この国を救ってくれ…えっ!一人いなくなった?どこに?」 これは、面倒事を予感した主人公がいち早く逃げ出し、平穏な暮らしを目指す物語。 なろう、カクヨムにも同作を投稿しています。

処理中です...