上 下
20 / 27
第四章<魔王ちゃんとの出会い>

テンプレ魔王ちゃん

しおりを挟む
..................

............

......

はっ!!ここは何処!!私だれ!!
なーんてな、【高城ハルト】です。どぉ~もぉ~。見たところここはエミリ部屋だ。
確か進化をして......メッチャ眠くなって......
そうだ!!俺の姿!!

俺はゆりかごから出て、鏡を見る。この鏡はエミリが学校に行く時に髪が乱れてないか確認するための物だが、俺の場合、体全部を見ることが出来る。

ってか俺は進化しても、ゆりかごに寝かせられるのか......

俺が見た鏡には、以前のようなスライムボディではなくそこには!!
なんてのはなく、普通に変わってない......

え?俺って進化したんだよね?
なんで変わってないん?
あ、よく見るとちょっとスライムボディが潤ってる......
......まじで?ちょっと怖いよ?
ステータスオープン!!

【個体・創造の支配者・スライム】
【Lv.1】
【経験値ポイント215460】
【スキル】
【剣術Lv.9】【槍術Lv.9】【白魔術Lv.9】【喧嘩術Lv.10】【剣闘士Lv.8】
【聖騎士Lv.8】【剣士Lv.10】【闘士Lv.10】【騎士Lv.10】【聖者Lv.10】
【剛力Lv.9】【バーサク化Lv.8】【威圧Lv.10】 【封印術Lv.8】【催眠術Lv.8】
【神界への切符】【下級神器操作Lv.8】【魔法具マジックアイテム操作Lv.10】
【魔力操作Lv.10】【魔力感知Lv.10】【鑑定】【言語理解】【念話】
【転移魔法Lv.8】【亜空間倉庫】【生活魔法】【会得経験値増加Lv.8】
【支配者権限】【自己創造】
【個体スキル】
【消化】【創造】

うん、個体が創造の支配者になってる。
でもなんで姿が変わってないんだ?
......まぁ後で考えるか......

そうそう、今さ三時間目ぐらいの時間なわけよ。
まだ間に合うしエミリのところ行くか!!

◆◇◆◇◆廊下◆◇◆◇◆

ポヨンポヨン

廊下を歩いていると魔力感知の反応がでる。
反応では【五メートル前に劣化個体・デュラハンロード】がいるらしい。
けれど、五メートル前にはそれらしい魔物はおらず、反応だけがある。
でも、劣化個体なん言葉初めて聞いたな.....
しかし姿が見えないのは面倒だ。

とりあえず、五メートル以内に念話を設定して.....

『君は誰の使い魔だい?』

俺が話すとすぐ近くで後退りする音が聞こえる。

参ったな......後退りされたら念話の範囲から出ちゃうじゃないか......
しょーがない、剛力は使わずに体当たりするか。

ポヨーン
トンっ

うん、ちょうど当たったようだ。
あ、少しずつ見えてきた。
やっぱりなんかのスキルを使ってたのか。

「ひっ!!」

『君がデュラハンロード......で合ってるのかな?』

おかしい......ゲームではデュラハンってのは基本、頭と体が分離してるモンスターなんだが......
この子は普通の可愛い女の子って感じだ。
黒髪ショートで瞳の色が赤、服装は......なんだこれ?
ボロボロの黒いライトアーマーに赤いペンキ見たいなのが付いている。
多分血だな。しかし全て返り血ではなくこの少女のものだ。
ライトアーマーが壊れて肌に切り傷が出来てる所から出ている。
傷は致命傷では無いが、血がたくさん出たようで顔色が悪い。
その証拠に廊下の床に先程まで見えなかったが血が何滴も付いている。
そして腰には二つのナイフ。
どれもボロボロだった。

「私は!!魔王デュラハンロードの血筋を受け継いだ......あ」

『ん?どうした?』

突然その女の子は喋るのを止めた。今の所から考えると魔王の血筋を引いてるデュラハンロードだ、と言えない理由があるらしい。
......そういえば劣化個体って書いてあったな......
あれかもしれん......

『もしかして君、劣化個体って事で酷い扱いとか受けてたとか?』

デュラハンなのに首が繋がってるから劣化個体とか?
まぁ、そんなテキトーな予想が当たるとは思えんがな......

「な、なんでその事を......」

......あ?おいこら、今の見事なフラグ回収はなんだ。

『それで?なんでこの学校に来たんだ?仮にも魔王の血筋を引いてる君が』

とりあえずテンプレすぎて怒りたいのを我慢して冷静を装う。

「お、お前のようなGランクモンスターに教える義理はない!!」

あ?なんだコイツ?
せっかく俺がフラグ回収のチャンス渡してやったのに......
そこは素直に答えろよボケ。
溶かすぞ糞が。
仕方ない......俺もテンプレ魔王ちゃんに合われなきゃいけないのか......
多分テンプレになればなるほど情報を引き出せると思うし

『そうか、ではここは我が主の住まう場、それに害なすならば......』

「ふっ!!Gランクモンスター如きが私に何が出来る!!Cランクのヘルハウンドじゃあるいし...」

はい、情報一つ目いただきました。
コイツは今、ヘルハウンドと言った。
他にもコイツを倒せるモンスターなんて沢山いる。
Bランクとか、Aランクとか出せばいいのに、ここでヘルハウンドの名前を出す意味がわからない。なのでコイツはヘルハウンドを探している。なんでかは知らんが......
ヘルハウンド関連の事だから多分一のCの教室を探してるんだろう。

『ヘルハウンド?確か学校の一のCの人間がだしたと聞いたが......』

......我ながら嘘を作るのが下手だとおもった。
コイツがウザいのでどっか行かせようかと焦った結果がこれだ。
いくらこのテンプレ魔王ちゃんが馬鹿でもこれには騙されないか......

俺が流した嘘の情報を聞くとテンプレ魔王ちゃんは笑い出した。

え?まさか.........信じてないよな?

「ふっ、馬鹿め!!自分から情報を漏らしおって!!」

あぁ......この子、相手を疑うこと知らないんだ......
とりあえず合わせるか......

『シ、シマッター、ヤッテシマッター』

「私はこの辺で失礼させてもらうよ!!」

そう言うと廊下の俺から見た右側の窓へジャンプした。

ドン

『それ、襲撃があっても防げるように強化ガラスにしてるらしいよ』

「.........」

魔王ちゃんは肩を押さえながら窓を今度は手で開けて降りていった。

キーンコーンカーコーン
キーンコーンカーコーン

あ、チャイム鳴った。
さっきのアホは忘れて行くか。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

聖女の孫だけど冒険者になるよ!

春野こもも
ファンタジー
森の奥で元聖女の祖母と暮らすセシルは幼い頃から剣と魔法を教え込まれる。それに加えて彼女は精霊の力を使いこなすことができた。 12才にった彼女は生き別れた祖父を探すために旅立つ。そして冒険者となりその能力を生かしてギルドの依頼を難なくこなしていく。 ある依頼でセシルの前に現れた黒髪の青年は非常に高い戦闘力を持っていた。なんと彼は勇者とともに召喚された異世界人だった。そして2人はチームを組むことになる。 基本冒険ファンタジーですが終盤恋愛要素が入ってきます。

精霊の加護

Zu-Y
ファンタジー
 精霊を見ることができ、話もできると言う稀有な能力を持つゲオルクは、狩人の父から教わった弓矢の腕を生かして冒険者をしていた。  ソロクエストの帰りに西府の近くで土の特大精霊と出会い、そのまま契約することになる。特大精霊との契約維持には膨大な魔力を必要とするが、ゲオルクの魔力量は桁外れに膨大だった。しかし魔力をまったく放出できないために、魔術師への道を諦めざるを得なかったのだ。  土の特大精霊と契約して、特大精霊に魔力を供給しつつ、特大精霊に魔法を代行してもらう、精霊魔術師となったゲオルクは、西府を後にして、王都、東府経由で、故郷の村へと帰った。  故郷の村の近くの大森林には、子供の頃からの友達の木の特大精霊がいる。故郷の大森林で、木の特大精霊とも契約したゲオルクは、それまで世話になった東府、王都、西府の冒険者ギルドの首席受付嬢3人、北府では元騎士団副長の女騎士、南府では宿屋の看板娘をそれぞれパーティにスカウトして行く。  パーティ仲間とともに、王国中を回って、いろいろな属性の特大精霊を探しつつ、契約を交わして行く。  最初に契約した土の特大精霊、木の特大精霊に続き、火の特大精霊、冷気の特大精霊、水の特大精霊、風の特大精霊、金属の特大精霊と契約して、王国中の特大精霊と契約を交わしたゲオルクは、東の隣国の教国で光の特大精霊、西の隣国の帝国で闇の特大精霊とも契約を交わすための、さらなる旅に出る。 ~~~~ 初投稿です。 2作品同時発表です。 「射手の統領」も、合わせてよろしくお願いします。 カクヨム様、小説家になろう様にも掲載します。

妹に出ていけと言われたので守護霊を全員引き連れて出ていきます

兎屋亀吉
恋愛
ヨナーク伯爵家の令嬢アリシアは幼い頃に顔に大怪我を負ってから、霊を視認し使役する能力を身に着けていた。顔の傷によって政略結婚の駒としては使えなくなってしまったアリシアは当然のように冷遇されたが、アリシアを守る守護霊の力によって生活はどんどん豊かになっていった。しかしそんなある日、アリシアの父アビゲイルが亡くなる。次に伯爵家当主となったのはアリシアの妹ミーシャのところに婿入りしていたケインという男。ミーシャとケインはアリシアのことを邪魔に思っており、アリシアは着の身着のままの状態で伯爵家から放り出されてしまう。そこからヨナーク伯爵家の没落が始まった。

狼の子 ~教えてもらった常識はかなり古い!?~

一片
ファンタジー
バイト帰りに何かに引っ張られた俺は、次の瞬間突然山の中に放り出された。 しかも体をピクリとも動かせない様な瀕死の状態でだ。 流石に諦めかけていたのだけど、そんな俺を白い狼が救ってくれた。 その狼は天狼という神獣で、今俺がいるのは今までいた世界とは異なる世界だという。 右も左も分からないどころか、右も左も向けなかった俺は天狼さんに魔法で癒され、ついでに色々な知識を教えてもらう。 この世界の事、生き延び方、戦う術、そして魔法。 数年後、俺は天狼さんの庇護下から離れ新しい世界へと飛び出した。 元の世界に戻ることは無理かもしれない……でも両親に連絡くらいはしておきたい。 根拠は特にないけど、魔法がある世界なんだし……連絡くらいは出来るよね? そんな些細な目標と、天狼さん以外の神獣様へとお使いを頼まれた俺はこの世界を東奔西走することになる。 色々な仲間に出会い、ダンジョンや遺跡を探索したり、何故か謎の組織の陰謀を防いだり……。 ……これは、現代では失われた強大な魔法を使い、小さな目標とお使いの為に大陸をまたにかける小市民の冒険譚!

婚約者すらいない私に、離縁状が届いたのですが・・・・・・。

夢草 蝶
恋愛
 侯爵家の末姫で、人付き合いが好きではないシェーラは、邸の敷地から出ることなく過ごしていた。  そのため、当然婚約者もいない。  なのにある日、何故かシェーラ宛に離縁状が届く。  差出人の名前に覚えのなかったシェーラは、間違いだろうとその離縁状を燃やしてしまう。  すると後日、見知らぬ男が怒りの形相で邸に押し掛けてきて──?

スライムの、のんびり冒険者生活

南柱骨太
ファンタジー
 いわゆる転生モノ。  神様に拾ってもらい、異世界に転生したらスライムだった! いくら種族が選べないからってそりゃないよ!  そう思っていた時期が僕にもありました(笑)。  スライムってね、レベルが低いから弱いんだね。前世からの知能があって、レベル上がったら、けっこう強くなれたよ。しかもスライムだから形状容姿は自由自在。さらに神様にもらったスキルで冒険者ランクも上がってウハウハだよ。  そんなスライムの僕が、人間のフリをして冒険者の生活をする、そんな物語。 ※ある程度まとめての更新になります。おそらく章単位。 ※月に数回の更新になると思います。 ※長編か短編かで迷いましたが、たぶん短編。予定では8章(80~100話)で終了。 ※R15は保険。R18にはしない予定(汗)。

人間じゃなくてそれ以外が良かったのに!

妙夢
ファンタジー
主人公はいつも通り学校に行って家に帰ろうとしたら、急に車に轢かれてしまってなんだかんだで異世界に転生することに。学校のクラスメイトにすら上手く馴染めないし、友達もほとんどいない彼女は異世界に行って考えた。そんな彼女が出した答えとは? 適当にやっているだけなので矛盾があるかもしれません。初投稿です。大目にみてください。不定期更新なのでゆっくり待ってください。

処理中です...