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第三章<俺のクラスメイトが勇者だと!?>

ヘルハウンドのお願い

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クラスの全員が目で追いかけるのが精一杯だった。
それはCランクのヘルハウンドがGランクのスライムにぶっ飛ばされたという驚くべき光景だった。

......やってしまった......
クラスの奴に質問攻めにされるのはまだいい。
ただね、吹っ飛ばした方向にさ、ヤサオと岡本がいるんだよ。

吹っ飛ばした瞬間に気付いて現実逃避のため今は逆の方角をみている。
あぁ......後ろ見たくねぇ......
でもなぁ......いつか乗り越えなきゃ行けない壁だからなぁ......
どうしよっかな......
......嫌だけど見るか......

チラ

後ろを見ると吹っ飛ばした瞬間に頭を下げたのかヘルハウンドはヤサオの三十メートルほど先にぶっ倒れてる。

おぉ......全力で体当たりするだけで俺の場所から三十五メートルも飛んだのか......

「え?あ!!」

ヤサオは三十メートル離れたヘルハウンドを見るとすぐさま駆け寄った。
もちろん俺の方ではなく怪我をしているヘルハウンドだ。
コイツはそういう奴だ。どんなに自分に害を及ぼす奴でも怪我をしていれば助ける優しさがある。
なので【ヤサオ】と呼ばれるようになったのだ。

俺も一応ヘルハウンドアイツに怪我をさせちまったし行ってやるか......

「うぅ......我はここで死ぬのか......、しかし良きスライム戦士にやられるなら本望......」

うわー、なんか俺が戦士呼ばわりされてるよ......

ヤサオはヘルハウンドに近付いていく。
さっきまで岡本殺そうとしていたのを見たせいか、少し怯えている。

「大丈夫だ、今治るから......【自然治癒力増加】」

自然治癒力増加?

ヤサオが膝を落としヘルハウンドに手をかざし、そう唱えるとヘルハウンドに真っ白な淡い光が注がれる。

ちょっとこの光を鑑定してみるか......

【光魔法・自然治癒力増加】
【光魔法Lv.2】
【生物の自然治癒力を増やす。決して回復魔法ではない。】

なるほど、ヤサオに渡された能力は【光魔法】か。
......ん?これってレベルによって使える魔法があるの?

......ステータスオープン。

【個体・スライム】
【Lv.21】
【経験値ポイント212680】
【スキル】
【剣術Lv.6】【槍術Lv.6】【白魔術Lv.6】【喧嘩術Lv.10】【剣闘士Lv.6】
【聖騎士Lv.6】【剣士Lv.10】【闘士Lv.10】【騎士Lv.10】【聖者Lv.10】
【剛力Lv.8】【バーサク化Lv.4】【威圧Lv.10】 【封印術Lv.4】【催眠術Lv.6】
【神界への切符】【下級神器操作Lv.4】【魔法具マジックアイテム操作Lv.10】
【魔力操作Lv.10】【魔力感知Lv.10】【鑑定】【言語理解】【念話】
【転移魔法Lv.4】【亜空間倉庫】【生活魔法】【会得経験値増加Lv.4】
【個体スキル】
【消化】

ここから......そうだな......
一度も使ってない封印術を見てみるか......
どうやって見るんだ?
ちょっと魔力操作を使ってみるか......

【封印術】
【Lv.1・ドアロック】
【Lv.2・武器ロック】
【Lv.3・ステータスロック】
【Lv.4・スキルロック】

えぇ......、こんな便利な機能があるならさぁ......教えてくれよ......な?神ちゃんよ

【いや......その......聞かれなかったし?】

まぁ、いっか。神ちゃんをあんまり責めると罰が当たりそうだしな

【ほほう!!ようやく私を崇める気になったか!!】

いや、神ちゃんは俺の可愛い神ちゃんなので崇める気にはならないから安心して。

【褒められてるのか分からんな......お、治療が終わったらしいぞ】

神ちゃんと会話してる間にヘルハウンドは完治していた。
気のせいだろうか?ヘルハウンドがヤサオを見る目が優しくなっている......

「よし、治ったよ。これで大丈夫だ」

ヤサオはにっこりと笑ってヘルハウンドの頭をまるで自分のペットみたいになでる。
ヘルハウンドという名前とは思えないほど無邪気に喜んでいた。
気持ちいいのだろうか?

「ポチを思い出すな......」

ポチって......ヤサオが飼ってた子犬の名前じゃん......
一度遊びに行って見たことあるけどこんな大きくないぞ?

「なぁヘルハウンド、岡本くんと契約してあげられないかな?岡本くんは力が強いし、性格と勉強と口調は......まぁアレだけど......心強いよ!!」

ヤサオよ......フェロー出来てない......

「......すまないが、我にそれは出来ない......」

「ま、まぁそうだよな......ごめんね、ヘルハウンドの気持ちも考えずお願いしちゃって......」

「その代わりといってはなんだが、お主の使い魔にはなってやろう」

......だいたい予想は出来てましたよー。
はいはい、異世界生活充実してますねー。

いつぞやの豚肉のように溶かしてやろうかな?
これを見て頂きたい。
お分かりいただけだでしょうか?

ヤサオは主人公属性を持ってる事に......

あいつさ、地味な見た目なのに裏では結構モテるんだよね?
優しいとか、控えめなイケメンとかさ。
色々な好評なわけでござんす。

実際、今だって控えめな性格だから「え?僕の?」とか「ホントに僕でいいの?」って感じで話し合ってる。

タッタッタッ

「スライムさんここにいた」

お、エミリが来た。
魔力感知で人族が近付いてるのは分かったがやっぱりエミリだったか。
まぁ、この状況を単体で近付く人族なんて、考えたらエミリぐらいしかいないからな。

近付くとしたら、使い魔と一緒に警戒しながら来るはずだしな。
あれ?そういえば、今は一応授業中だからジャック先生がいるはずだけど......

周囲を見渡すとちょうど魔力感知が届かないところで倒れてる奴が見える。
誰だか分からんが、おそらくジャック先生だろ。

「スライムさん、ジャック先生が今、職員室で事情を説明してるとこなの」

......え?じゃあ、あの倒れてるやつ誰?


その時は誰だか分からなかった......
まさか、ビビって逃げたウロヤクの足の骨に剛力でジャンプした時に飛んだ石でヒビが入っていたとは......
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