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第二章<学園に召喚されただと!?>

どうやら召喚されたらしい

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ども、【高城ハルト】です。
なんかねー、俺今暗闇の中にいるんだけどさー。

「召喚応じよ」

って声が頭に響いてそっちの方に歩いてる訳なんですわ。
......お、光が見えてきた、ここがゴールかな?
あ、よっこらせっと

ポヨーン

スマートな動きでジャンプをして光の中に入る。

◆◇◆◇◆学園◆◇◆◇◆

はい、たどり着いたーって煙で周りがみえねぇな......

「おぉ、エミリの召喚サモンが成功したぞ!!」

「はっ、どうせカスだろ?あの落ちこぼれが出したんだ」

「そうだそうだ、実技が苦手な奴が出す魔物なんて所詮......なぁ?」

えぇ......カスって酷くない?
泣いちゃうよ?

お、煙が引いてきた。
これでやっと見える。

煙が引いてきたので周りを見渡す、すると俺の目の前には一人の女の子が立っていた。
一言で言えば森の妖精のような可憐さって感じだ。
薄い水色のロングヘアは流れる川のようで緑色の瞳はまるで美しい自然表してるように見えた。

「うむスライムだが召喚サモンは成功か」

「ぷ、ぷはははははは!!なんだそれ!?スライムじゃねーか!!」

「スライムとかお前にちょうど良いかもな!!」

なんかこの女の子が可哀想に思えてきた。
いじめられてるのか?
いじめは解せぬ、こやつら全員溶かしてくれよう。

「スライムさん、私と契約する気ある?」

女の子はここまで言われてるのに頑張って笑顔を作っている。

契約?なんだそりゃ?
ちょっと聞いてみるか。

『契約って何?』

「......え?今、念話を私に送った?」

女の子は少し驚いている。念話ってそこまで珍しいか?

「先生、少し部屋に戻っていいですか?」

「あぁ......まぁ......その......なんだ、スライムって可愛いよな!!」

先生と呼ばれた男が必死にフォローしている。
そして俺は......抱っこされて、部屋にお持ち帰りされた。

◆◇◆◇◆寮の部屋◆◇◆◇◆

ほうほう、個室ですか。
ベットにも人形が置いてあり、まぁ女の子の部屋って感じですな。

「ねぇ、スライムさん。さっき私に念話送ってきた?」

『ん?おう、送ったがダメだったか?』

「ううん、そうじゃなくてね。念話なんて使える魔物は少ないらしいから君が来て私すっごく嬉しいの!!」

お、おぅ、なんかすげぇ喜んでる。
念話なんて経験値ポイント百で簡単に取れたのに......

『それでさっき言ってた契約ってなんだ?』

「あ、そうだったね!!契約って言うのはね!!」

◆◇◆◇◆説明中◆◇◆◇◆

なるへそ、契約ってのはこんな感じか......

・契約とは、魔物を召喚させてその魔物を使い魔として一緒に戦う為の約束のようなもの
・契約した術者は魔物にある程度の命令を聞かせられる。
・契約した魔物は術者から魔力を受け取れる。
・契約したあとに会得した経験値は、実際に会得した方に八割、契約者に二割いくことになっている。
・どちらかが、死んだら契約の効果は消える。

なるほど、俺は魔力に困ってないから正直、契約する意味が無い。
でもさっきの状況を見るとこの子は明らかにいじめられている。
いじめは前世で充分味わったから解せぬ。
すると答えは簡単だ。

「ど、どう?契約......してくれる?」

『いいよ、別に暇だしね』

女の子表情が一気に明るくなる。

「ありがとう!!スライムさんよろしくね!!」

ギューッ

うぉぉぉぉぉぉぉおおお!!
ハグっ!!キタコレ!!
ん?ハグはいいけど、この子にまだ名前聞いてなかったな。

『そういえば、君の名前は?』

「わたし?わたしはエミリだよ!!よろしくね!!えーっと......」

あ、俺も名前いってなかった。
俺に名前は......そういえばなかった......
まぁ前世の名前でいっか!!

『俺はハルトよろしく。』

「じゃあさっそく契約しよっ!!」

『おう!!』

するとエミリはどこからか紙を取り出して広げた。
紙には魔法陣が描かれており、それを床に置いた。

「スライムさん、ここに乗って!!」

『わかった』

俺は言われるがまま出された魔法陣の上に乗っかる。ってかどうせスライムさんって呼ばれるなら名乗った意味なかったな。

「じゃあ、始めるよ!!.....召喚されし者、我が運命と共に、契約コンタクト

おー、なんか魔法陣が光ってる......

ヒュイーン

なんか魔法陣が浮かび上がって俺の周りを囲んでる。
認証でもしてるのか?

ヒュオーン

あ、光が収まった。
これで終わったのか?

【加護・従魔契約】を会得しました。

あ、終わったっぽい。

「スライムさん契約が終わったよ!!」

『そうみたいだね』

「じゃあ、そろそろ授業に戻ろっか!!」

『え?戻るのか?あそこに』

あそこには見てるだけムカつくような奴がたくさんいる。
なのになぜ自分から戻ろうというのだろうか?

「あたりまえだよ!!授業が終わっちゃうんもん!!」

◆◇◆◇◆校庭◆◇◆◇◆

「エミリ、戻ったかどうだ?心の整理はついたか?」

「おい、あいつスライム持ってきやがったぜ~」

「うわ~、無能にはお似合い過ぎて笑っちまうな~」

相変わらず後ろの二人は喰いたいぐらいムカつく野郎だ。
もう、いっそのこと溶かしちまおうかな?

「先生!!わたしこの子と契約しました」

「な、なに!?本当か!?」

周囲がザワつく。
その言葉のほとんどがエミリを馬鹿にする言葉だった。

「スライムと契約とか本当に無能の極地だな!!」

「そもそもスライムと契約したヤツとか初めてみたぜ!!」

......もう殺すか。

『エミリよ、俺に模擬戦をさせてくれ』

「え?大丈夫?」

『主が貶されてるのを見ていられるか、スライムの俺は勝てないだろうけど......頼む、やらせてくれ』

相手の実力もわからない、だが一つわかることはスライムは弱いと言う認識だ。
俺は今まで不意打ちとかセコイ方法だけで敵を倒してきた。
おそらく勝てないだろう。
それでも主が貶されてるのはムカつく、だから戦ってやろうじゃないか。

「先生、私に模擬戦をやらせてください」

「......エミリ?何を急に言い出すんだ?そんなこと出来るわ「先生!!俺やりま~す」」

そこに口を挟んだのは先程までの二人組の前に堂々と立っている男子だ。
高そうな指輪や首飾りなどを付けている。
おそらくお金持ちのお坊ちゃまだろう。
そいつは小太りで金髪だった、まるで貴族のような雰囲気だ。
目から感じ取れる自信からすると、今まで苦なく生きてきたのだろう負けを知らない目だ。

「......わかった、模擬戦をしよう......」

あれ?先生?さっきまで出来ないとか言いかけてませんでしたっけ?

「彼はウロヤク・ニッタブ君、大貴族なんだよ」

なるほど、大貴族に嫌われたくないってところか。
でも、この先生はどこか申し訳なさそうに模擬戦をしようと言っていた。
もしかしたらいい奴なのかもな

さて、模擬戦をしに行くか......
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