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最後の死闘
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森の獣道を1台の車が猛スピードで駆け抜けていった。
運転手はヨーコ、その隣でぐったりしているのがAAAのポストマンだ。
あまりにも力無く揺られている郵便屋を見て、思わずヨーコは疑問を投げかける。
「あんた、本当に強盗団全員やれんの?」
ゆっくりヨーコの顔に郵便屋は頭を向けて、
「…やらなきゃしょうがないじゃないか…」
力無くそう言ったテッドは、再び車の揺れで左右赴くままに揺れている。
(本当に大丈夫なのかしら…)
そんな事を思いながら久しぶりのタバコに火をつけ、気持ちを落ち着きつかせる。
ポストマンはただ揺れてるだけのように見えたが、風景をしっかり視認していた。
そしてドアの窓を少し開け、手を出し『風』の感覚を掴んでいた。
「…気味悪い位に無風だ…」
そう呟くと窓を閉め、再び体をシートに沈めて揺れていた。
もう1時間は走っただろうか。ヨーコの持っているタバコが少なくなっているので舌打ちをしていると、
「車を止めてくれ!」
急に言われたヨーコは慌ててブレーキを踏み、車を止める。
郵便屋は先ほどやった行動、窓を少し開け手を出し、しばらくしてから窓を閉める。
「…無風なのに道路の道沿いの草が揺れた…もう奴らは潜んでいる…」
テッドはシートベルトを外して話を続けた。
「いいかい、君は吹雪を呼んでくれ。僕は特殊訓練で吹雪にも慣れてる。あと君は車にいてくれ。死んだら吹雪が収まってしまうからね」
そう言い残してテッドは2丁拳銃、マグナム157とベレッタM93Rを握ると、ただ揺れていた彼からは想像できない程、体が引き締まり背筋もピンと張りつめた。
ヨーコは車の中で天を呼び叫んだ。
「吹雪っ‼」
郵便屋はゆっくりドアを開け、数歩歩くと、敵が突然出て来るという予想は外れ、ゆっくりと草むらから魔法使いの集団が現れた。以前出会った幼女魔法使いでは決してない、プロ級のそれだ。
5人いる事をテッドは確認する。魔法使いの帽子は、わずかではあるが雪を受け止めている。
「手紙を渡せば魔法は使わないわ。だから…」
魔法使いが言い終わる前に、テッドはミニミサイルを撃ち込んだ。魔法使いは攻撃力は高いが防御力が弱い。5人は5人とも血を吹き、倒れた。
直後に今まで経験した事の無い頭痛が電撃のように訪れた。女性を倒してしまったからだ。
「うううううわぁああああ‼‼」
撃ったミサイルの爆風とテッドの叫び声で、盗賊や刺客に気づかれてしまうだろう。
「おおおおこのICチップめえええぇ!こんな時にいいいい…‼」
大雪の中叫んでいた、その時である。草場の影から、ケモノの皮をまとい、槍を持った人間どもが一斉に現れた!
「テガミ渡せ!」
激しい頭痛は収まったが余韻がまだ半端ない。6人と把握すると、いの1番に襲ってきた毛皮男の心臓をベレッタで1発即死させる。
まだ頭痛が残る中、2人組の男をベレッタとリボルバーで同時に倒す。
頭をかかえながら、リボルバーにミニミサイルを装填し、ベレッタで仕留める。
と、槍が降ってきたので、すんでの所でかわし、最後の1人をリボルバーで倒す。
そして頭痛が完全に止むと、テッドから謎の青いオーラが出て来たのを窓越しからヨーコは見ていた。これがAAAの力なのか。それともICチップの能力アップなのか。あまりの驚きでタバコを落としかけてしまう。
はげしい音と叫び声、銃声を聞いて、盗賊が雪の中2人襲ってくるも、テッドの車のボンネットを回転しながらリボルバー2発撃ちで、あっけなく亡骸となる。
車に隠れたテッドは、リボルバーにスピードローラーで1発再充填する。
原始人スタイルのアマゾネス女4人組が草を割って道路へと入ってくるのを確認する。
女性はもう倒せない。あの頭痛は二度と味わいたくない。腕か足にでも銃を撃って、動かないようにするしかなかった。
車越しにアマゾネスの1人の肩に命中させると、アマゾネスはオオオという咆哮を残し倒れていった。
アマゾネスの技は突進しか無いようなので、慎重に全員の肩へ作業のようにベレッタの鉛玉を置いていく。
吹雪が降りしきる中、白い息を吐きながら銃を向け、アマゾネス達を確認しようと思ったその時である。
ホワイトハウス方面から銃声が聞こえ、ポストマンの2の腕を捕らえ貫通した。
「痛っ‼」
被弾したテッドは慌てて車の後ろに飛び込んだ。テッドが被っている帽子から、溜まった雪が落ちて来る。
最悪の集団がやってきた。雪降る中歩んでくる『ガンナーの集団』である。
郵便屋が被弾したのを見て、ヨーコは思わず銃を抱えて扉を開けた。
刹那。ヨーコの髪の毛寸前のところで、鉛玉が飛んできた。ヨーコは驚愕して車のシートに飛び移った。
「ヨーコ!スナイパーもいるから車の中でかがんで、じっとしてるんだ!吹雪を消すなよ⁉」
そう叫んだ郵便屋は、いまだ青いオーラに包まれている。服の雪を払いながら車から少しだけ先を覗くと、何やら会話しながらこちらへ向かってくる。
テッドは獣男が持っていた槍を、ガンナー集団に向けて投げつけた。
集団が槍を見ている隙に、車の屋根からベレッタとマグナム2丁で銃弾をばら撒いた。まだガンナーが何人いるのかは把握できてないが、槍を注視していた2人は倒した。
再び車の裏に戻り、ベレッタの空弾倉を雪の中に落とし、新しい弾倉を入れ、銃の上半身を後ろに引っ張り弾を充填させる。
右奥の草むらの遠い場所にスナイパーはいる様子だった。しかし今は目先のガンナーを退治するのが先決だ。あと何人いるかは把握できないでいた。
「郵便屋~出て来いよ!」
声のする方へ耳を傾けるが、吹雪にまみれた音なので声が吸収されてしまう。2丁拳銃を握り、とりあえずこちら側から積極的に飛び込んでゆく。
ガンナーは2人いた。片方にベレッタをばら撒きながら、もう1人のほうにはマグナムでほぼ同時に仕留める。
しかしガンナーが横にもう1人いて、郵便屋は鎖骨付近に被弾してしまう。
「こいつ…!」
さらに2丁拳銃で被弾させたヤツを何とかしとめたが、鎖骨が折れたのだろう、銃からくるリコイル(反動)が銃を撃つごとに鎖骨に響いて痛みを感じるようになった。
テッドはとりあえず車内に潜りこむように入り、ドアを閉めた。ヨーコは気が気でない様子で、
「あんた大丈夫なの?」
と声をかける。郵便屋は苦痛を通り越した笑みで、
「大丈夫じゃないよ」
と返した。しばらく車内にいたが、あらかた盗賊団を倒したせいか、いっとき静かに吹雪だけが吹いていた。スナイパーも劣勢とみて、帰ってしまっていたようだった。
「もうみんないなくなったのかしら」
ヨーコはそうあって欲しい願望を込めて、つぶやいた。
「いや。まだいる。気配を感じるんだ僕は」
テッドがそう言った瞬間、吹雪の中から一人の人間らしきものがこちらへ歩み寄ってきた。
「やはりね」
郵便屋はドアを開け、鎖骨が大丈夫な方の腕でベレッタを持ち、近寄って来るのを待った。
敵は視認できるまで近寄ってきた。そして大声で叫んでくる。
「私は盗賊団に体力を奪わせ、君が弱った所でやってきた者だ。おとなしく手紙を渡せば万事解決‼」
テッドも吹雪の中、大声で言った。
「渡すわけがない事くらい分かるだろう‼」
「そうだよなぁ‼AAAだもんなぁ‼」
刺客は吹雪の中、そう叫ぶと手を使って『印』をふむ様子を見ると、刺客から赤いオーラが漂い始める。
まずい。
煙越しに、刺客の青年は人間からテッドより3倍ほど大きくなったケンタウロスに変貌を遂げていたのである。
頭にICチップを入れないと出来ない芸当だ。慌ててテッドは車のドアを開け、ヨーコに
「雷雨に変えて、雷をターゲットを落とす事はできるか⁉」
気象強行士は普通のレベルだと周囲の天候を変える事しかできない。しかし今の私ならーーーー
「やってみるから死なないと約束して!」
「oh, yeah‼」
ヨーコは今まで変えてきた天候の全てを濃縮還元し、最高の集中力でもって己を高めながら車中で両腕を天に向け
「雷雨‼ケンタウロスに雷‼」
と叫ぶとすぐに吹雪は止み、雷響き渡る豪雨へとスイッチした。(いいぞ)テッドは心の中で囁く。
郵便屋はまた外に出る為、車のドアを閉め、決死の2丁拳銃でケンタウロスに銃を連射した。
が、相手に効いている様子が全くない。ケンタウロスは武器さえも持っていなかった。武器なんていらない程の強さと言うわけだ。
突如敵が突進してくる。瞬間的にかわしたはずだが右半身に、当て身を食らって3メートルほどテッドは吹っ飛ぶ。
ケンタウロスは赤いオーラをまとったまま、高笑いしているかのような咆哮を周辺に響かせた。
ラスボス登場といったところだが、僕はこの敵に勝てる気がまったくしなかった。
敵が余裕を持っていたその瞬間、これ以上聞いたことのない音量の大きな雷がケンタウロスに直撃し、程なく青年に戻ってうつ伏せに倒れている。
(ヨーコ、君はネコパンチと同じくらい凄い人だよ…)
心の中でそう呟くと、意識が遠くなってゆく。ヨーコがやってきたようだが意識はさらに遠くなっていき完全に闇の中へねじり伏せていった。
運転手はヨーコ、その隣でぐったりしているのがAAAのポストマンだ。
あまりにも力無く揺られている郵便屋を見て、思わずヨーコは疑問を投げかける。
「あんた、本当に強盗団全員やれんの?」
ゆっくりヨーコの顔に郵便屋は頭を向けて、
「…やらなきゃしょうがないじゃないか…」
力無くそう言ったテッドは、再び車の揺れで左右赴くままに揺れている。
(本当に大丈夫なのかしら…)
そんな事を思いながら久しぶりのタバコに火をつけ、気持ちを落ち着きつかせる。
ポストマンはただ揺れてるだけのように見えたが、風景をしっかり視認していた。
そしてドアの窓を少し開け、手を出し『風』の感覚を掴んでいた。
「…気味悪い位に無風だ…」
そう呟くと窓を閉め、再び体をシートに沈めて揺れていた。
もう1時間は走っただろうか。ヨーコの持っているタバコが少なくなっているので舌打ちをしていると、
「車を止めてくれ!」
急に言われたヨーコは慌ててブレーキを踏み、車を止める。
郵便屋は先ほどやった行動、窓を少し開け手を出し、しばらくしてから窓を閉める。
「…無風なのに道路の道沿いの草が揺れた…もう奴らは潜んでいる…」
テッドはシートベルトを外して話を続けた。
「いいかい、君は吹雪を呼んでくれ。僕は特殊訓練で吹雪にも慣れてる。あと君は車にいてくれ。死んだら吹雪が収まってしまうからね」
そう言い残してテッドは2丁拳銃、マグナム157とベレッタM93Rを握ると、ただ揺れていた彼からは想像できない程、体が引き締まり背筋もピンと張りつめた。
ヨーコは車の中で天を呼び叫んだ。
「吹雪っ‼」
郵便屋はゆっくりドアを開け、数歩歩くと、敵が突然出て来るという予想は外れ、ゆっくりと草むらから魔法使いの集団が現れた。以前出会った幼女魔法使いでは決してない、プロ級のそれだ。
5人いる事をテッドは確認する。魔法使いの帽子は、わずかではあるが雪を受け止めている。
「手紙を渡せば魔法は使わないわ。だから…」
魔法使いが言い終わる前に、テッドはミニミサイルを撃ち込んだ。魔法使いは攻撃力は高いが防御力が弱い。5人は5人とも血を吹き、倒れた。
直後に今まで経験した事の無い頭痛が電撃のように訪れた。女性を倒してしまったからだ。
「うううううわぁああああ‼‼」
撃ったミサイルの爆風とテッドの叫び声で、盗賊や刺客に気づかれてしまうだろう。
「おおおおこのICチップめえええぇ!こんな時にいいいい…‼」
大雪の中叫んでいた、その時である。草場の影から、ケモノの皮をまとい、槍を持った人間どもが一斉に現れた!
「テガミ渡せ!」
激しい頭痛は収まったが余韻がまだ半端ない。6人と把握すると、いの1番に襲ってきた毛皮男の心臓をベレッタで1発即死させる。
まだ頭痛が残る中、2人組の男をベレッタとリボルバーで同時に倒す。
頭をかかえながら、リボルバーにミニミサイルを装填し、ベレッタで仕留める。
と、槍が降ってきたので、すんでの所でかわし、最後の1人をリボルバーで倒す。
そして頭痛が完全に止むと、テッドから謎の青いオーラが出て来たのを窓越しからヨーコは見ていた。これがAAAの力なのか。それともICチップの能力アップなのか。あまりの驚きでタバコを落としかけてしまう。
はげしい音と叫び声、銃声を聞いて、盗賊が雪の中2人襲ってくるも、テッドの車のボンネットを回転しながらリボルバー2発撃ちで、あっけなく亡骸となる。
車に隠れたテッドは、リボルバーにスピードローラーで1発再充填する。
原始人スタイルのアマゾネス女4人組が草を割って道路へと入ってくるのを確認する。
女性はもう倒せない。あの頭痛は二度と味わいたくない。腕か足にでも銃を撃って、動かないようにするしかなかった。
車越しにアマゾネスの1人の肩に命中させると、アマゾネスはオオオという咆哮を残し倒れていった。
アマゾネスの技は突進しか無いようなので、慎重に全員の肩へ作業のようにベレッタの鉛玉を置いていく。
吹雪が降りしきる中、白い息を吐きながら銃を向け、アマゾネス達を確認しようと思ったその時である。
ホワイトハウス方面から銃声が聞こえ、ポストマンの2の腕を捕らえ貫通した。
「痛っ‼」
被弾したテッドは慌てて車の後ろに飛び込んだ。テッドが被っている帽子から、溜まった雪が落ちて来る。
最悪の集団がやってきた。雪降る中歩んでくる『ガンナーの集団』である。
郵便屋が被弾したのを見て、ヨーコは思わず銃を抱えて扉を開けた。
刹那。ヨーコの髪の毛寸前のところで、鉛玉が飛んできた。ヨーコは驚愕して車のシートに飛び移った。
「ヨーコ!スナイパーもいるから車の中でかがんで、じっとしてるんだ!吹雪を消すなよ⁉」
そう叫んだ郵便屋は、いまだ青いオーラに包まれている。服の雪を払いながら車から少しだけ先を覗くと、何やら会話しながらこちらへ向かってくる。
テッドは獣男が持っていた槍を、ガンナー集団に向けて投げつけた。
集団が槍を見ている隙に、車の屋根からベレッタとマグナム2丁で銃弾をばら撒いた。まだガンナーが何人いるのかは把握できてないが、槍を注視していた2人は倒した。
再び車の裏に戻り、ベレッタの空弾倉を雪の中に落とし、新しい弾倉を入れ、銃の上半身を後ろに引っ張り弾を充填させる。
右奥の草むらの遠い場所にスナイパーはいる様子だった。しかし今は目先のガンナーを退治するのが先決だ。あと何人いるかは把握できないでいた。
「郵便屋~出て来いよ!」
声のする方へ耳を傾けるが、吹雪にまみれた音なので声が吸収されてしまう。2丁拳銃を握り、とりあえずこちら側から積極的に飛び込んでゆく。
ガンナーは2人いた。片方にベレッタをばら撒きながら、もう1人のほうにはマグナムでほぼ同時に仕留める。
しかしガンナーが横にもう1人いて、郵便屋は鎖骨付近に被弾してしまう。
「こいつ…!」
さらに2丁拳銃で被弾させたヤツを何とかしとめたが、鎖骨が折れたのだろう、銃からくるリコイル(反動)が銃を撃つごとに鎖骨に響いて痛みを感じるようになった。
テッドはとりあえず車内に潜りこむように入り、ドアを閉めた。ヨーコは気が気でない様子で、
「あんた大丈夫なの?」
と声をかける。郵便屋は苦痛を通り越した笑みで、
「大丈夫じゃないよ」
と返した。しばらく車内にいたが、あらかた盗賊団を倒したせいか、いっとき静かに吹雪だけが吹いていた。スナイパーも劣勢とみて、帰ってしまっていたようだった。
「もうみんないなくなったのかしら」
ヨーコはそうあって欲しい願望を込めて、つぶやいた。
「いや。まだいる。気配を感じるんだ僕は」
テッドがそう言った瞬間、吹雪の中から一人の人間らしきものがこちらへ歩み寄ってきた。
「やはりね」
郵便屋はドアを開け、鎖骨が大丈夫な方の腕でベレッタを持ち、近寄って来るのを待った。
敵は視認できるまで近寄ってきた。そして大声で叫んでくる。
「私は盗賊団に体力を奪わせ、君が弱った所でやってきた者だ。おとなしく手紙を渡せば万事解決‼」
テッドも吹雪の中、大声で言った。
「渡すわけがない事くらい分かるだろう‼」
「そうだよなぁ‼AAAだもんなぁ‼」
刺客は吹雪の中、そう叫ぶと手を使って『印』をふむ様子を見ると、刺客から赤いオーラが漂い始める。
まずい。
煙越しに、刺客の青年は人間からテッドより3倍ほど大きくなったケンタウロスに変貌を遂げていたのである。
頭にICチップを入れないと出来ない芸当だ。慌ててテッドは車のドアを開け、ヨーコに
「雷雨に変えて、雷をターゲットを落とす事はできるか⁉」
気象強行士は普通のレベルだと周囲の天候を変える事しかできない。しかし今の私ならーーーー
「やってみるから死なないと約束して!」
「oh, yeah‼」
ヨーコは今まで変えてきた天候の全てを濃縮還元し、最高の集中力でもって己を高めながら車中で両腕を天に向け
「雷雨‼ケンタウロスに雷‼」
と叫ぶとすぐに吹雪は止み、雷響き渡る豪雨へとスイッチした。(いいぞ)テッドは心の中で囁く。
郵便屋はまた外に出る為、車のドアを閉め、決死の2丁拳銃でケンタウロスに銃を連射した。
が、相手に効いている様子が全くない。ケンタウロスは武器さえも持っていなかった。武器なんていらない程の強さと言うわけだ。
突如敵が突進してくる。瞬間的にかわしたはずだが右半身に、当て身を食らって3メートルほどテッドは吹っ飛ぶ。
ケンタウロスは赤いオーラをまとったまま、高笑いしているかのような咆哮を周辺に響かせた。
ラスボス登場といったところだが、僕はこの敵に勝てる気がまったくしなかった。
敵が余裕を持っていたその瞬間、これ以上聞いたことのない音量の大きな雷がケンタウロスに直撃し、程なく青年に戻ってうつ伏せに倒れている。
(ヨーコ、君はネコパンチと同じくらい凄い人だよ…)
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