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オーバエージ

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ベレッタM93R

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昼前にテッドは目が覚めた。グーッとの伸びをすると枕の下にあるポーチを肩にかけ、
銃をホルスターに収める。
良く寝たテッドは、かなり体調が回復したように見える。
早速、宿の1階に降り遅めの朝食を取ってから外に出た。
移動手段が徒歩しかないのは、相当なダメージである。仕方がないので郵便屋は
車を売っている店に歩いて向かった。宿の主人に教えてもらったお墨付きの車屋らしい。
通行人の何人かが自分をジロジロと見定めている視線を感じつつも、黙って歩いた。

30分ほど歩いた場所にその店はあった。ドアを開けようとすると
「いらっしゃい‼」
と外から叫び声が聞こえた。振り返ると整備中の屈強な体格の店主が声をかけてくれた。
「あのー防弾仕様の軽車ありませんか?」
「もちろんあるとも!逆に防弾仕様の無い車より良く売れてるぜ!」
郵便屋は安堵した。
見に行くと黒色の軽が店の外の並びに置いてある。
「サービスしといてやるよ!」
店主は店の中に入り、15分ほど経ってからでてきた。
手には〒のマークの型紙と白いスプレーを持っていた。
店主が紙を仮テープで固定すると、白いスプレーを吹きかける。
紙を取ると車の横に〒マークが車に白く残った。
「いいですね!」
テッドがお金を渡そうとした時、銃弾がこちら側に向かってやってきた。
通りを見ると、20歳前後の男がこちら側に銃を撃ち続けているではないか。
「手紙よこせこらぁっ‼」
連射しているが店主も郵便屋もどちらにも被弾はしなかった。
テッドが銃を取り出すと、近くで銃声が3発ほど響いた。
横をみると店主の銃から煙を放っていた。連射男はバックしながら仰向けに倒れた。
「ベレッタM93Rだ。いいだろう、これ?」
「やりますね!」
店主は自衛手段として銃をいつも携帯しているらしかった。
改めて店主に代金を渡すと、車用の電池、水と食料をありったけ車内に積み込み
この街から離れるため速度をやや上げて進んだ。
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