Postman AAA

オーバエージ

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裏切り

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少女が動ける範囲の距離だった事もあり、家はさほど遠くない場所にあった。
思っていたよりも大きな2階建てで、ちょっとした農園もある良い家だ。
「いい家に住んでるね」
「そうなんですか?私は生まれてからずっとこの家にいるのでわかりません」
と言いながら、少女は郵便屋が持っているポーチに視線を向けていた。
家に車を止めると、両親が出迎えてくれた
「おおこれは…AAAの郵便屋さんではありませんか」
「寝室はあります。ぜひ泊まっていって下さい」
少女の父と母は快くテッドを迎えてくれた。
「すいません、ちょっとだけご厄介になります」
申し訳ない照れ顔をしながら、帽子を取って挨拶した。

夜はご両親の作った夕食を皆でテーブルを囲んで頂いた。
こんな家庭的な料理を食べたのはいつぐらいぶりだろう。
「すごくおいしいです!」
思わずテッドはそう言って舌鼓をうった。

風呂は体の傷を見せたくないので遠慮させてもった。
とにかく今日は車の運転づくしだったので疲労してたのもあって
郵便屋は早々に寝室でたっぷり眠ろうと寝室に来た。
衣服を引っかける木製の置物があったので、上着だけを引っかけてベッドに入った。
いつものように手紙の入ったポーチを枕の下に置き、片手に銃を持って眠りについた。

3、4時間程経った頃だろうか。
枕に違和感を覚えて目を覚ました。ポーチを引っ張ってるのだろうか。
すぐさま持っていた銃を対象に向け、語気を強めながら叫んだ。
「誰だ‼」
「あっ」
ベッドの横にある明かりを付けると、そこには少女が崩れ落ちるように倒れていた。
「どうして君が…」
「ちがうの、どんな手紙だったか見てみたかっただけなの」
様子を伺いに父親が部屋に入ってきた。
「お父さん…あなたの差し金ですか?」
「何の話だ?」
「娘さんが僕の手紙を盗もうとした件です」
「娘がそんな事を…何てことしているんだミラ!」
父は娘を叱咤した。どうやら娘の単独犯だったようだ。
テッドは気丈に振舞った。
「手紙を狙う人物がいる以上、ここにはもういられません」
引っかけていた上着を羽織ると、父親の反対を押し切って車に乗り、
闇の中へと消えていった。
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