Postman AAA

オーバエージ

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追走

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朝7時。
ネコパンチは寝間着姿のまま、サービスのモーニングを食べていた。左肩がやや下にずり落ちている。
「酒も飲んでないのに気持ち悪ぃ…」
ヨーコは低血圧なのでいつも遅れて来る。長い髪ををかきながら、やはり寝間着姿で階段を降りてきた。
「やぁおはようヨーコ」
「…」
機嫌はあまり良くないようだった。
「サンドイッチとゆで卵、サラダがありますからね」
宿屋の主人は厨房で料理も兼ねているので、そういうとすぐに厨房へと向かっていった。
ヨーコはサラダをフォークでいじりながら、ダルそうに言った。
「昨日寝てたら爆発音がしたけど、夢だったのかしら」
「例のポストマンだにゃ」
「はぁ!?」
「ポストマンも同じ宿に泊まっていたんだけど、朝イチでもう出てったにゃ」
「何!?」
ヨーコは人が変わったかのように机をドン!と叩いた。
「何故それを早く言わない!?追いかけるわよ」
「昨日盗賊団の団長を、知らない爆発物で1瞬で消し去った男だにゃ。僕はもう追いたくない」
黙るヨーコに続けた。
「ヤツはもう無理だにゃ。他の小物狙ってた方がまだマシってもんにゃ」
「分かってないわね!一生暮らせる分の報酬が手に入るかもしれないのよ?強盗稼業からもスッパリやめれるのよ?」
「はぁ…とりあえず着替えなきゃだにゃ」
朝食を充分摂ったネコパンチは、2階へと登っていく。ヨーコも小走りでそれに続いた。



AAAの郵便屋は軽快に車を走らせていた。
お土産用に宿屋の主人から銀紙につつまれた料理にはまだ手をつけないでいた。
左手には山脈が連なっており、何回かトンネルを通る必要がある。警戒だけは怠らずに気持ちを引き締めた。
「ミニミサイル、もうちょっと多めに買っていればよかったなぁ」
そんな事を思っていると、遠方から水汲みの桶をもった12、3歳ほどの少女がこちらに向かって手を振っている。
テッドは笑顔でそれに応えた。
「どうしたんだい?こんなところで」
「川から水を汲んできたの…あ」
少女はテッドの身分証を見て
「郵便屋さん!」
とはしゃぎながら叫んだ。
「私の手紙も運んでくれる?メガロポリスにいるお兄ちゃん宛てなんだけど」
テッドは困ったなぁという感じで顔をかいた。
「お兄ちゃんは特別な手紙しか運べないんだよ」
「今日は私の家に泊まって!寝る場所もあるわよ」
もう日暮れすぎである。泊まるあても確かになかったテッドは
「じゃあお言葉に甘えようかな。お水はこぼさないでね」
と、少女を乗せて少女の家まで車を走らせていった。
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