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【あらすじ】⚠ネタバレ
しおりを挟む【ネタバレ有りのあらすじ】を書きました。
こちらを読めば、一応のストーリーは解る様に書いたつもりですが、要約が下手で4000字以上の文字数になってしまいました。
できれば、本編を是非、読んでほしいので、あらすじの前に作者的ハイライトを数話紹介させて頂いています。
興味を持っていただけたら、ご一読いただければ嬉しいです。
本当に、すべてのあらすじを書いてしまったので、チラ読みをなさるのはおすすめしません。
「時間がない」
「ストーリーだけ知りたい」
「ネタバレを知ってから読みたい」
という方はどうぞこのままお進みください。
以下、ネタバレありです。ご注意ください。
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作者的ハイライト、11選です。
「本多になる」→プロローグです
「実質転校初日」→意識がベータの慶介
「最後のプール」→警護の酒田からみた慶介
「フェロモンアタック」→オメガらしさが出始めます
「オメガの自覚」→引き離される2人
「慣らし・R」→運命のフェロモンに翻弄される慶介
「信隆」→慶介の父親は一番やばいキャラ
「最悪の経緯/ポケットの中」→クライマックス
「イジメと横恋慕」→酒田が攻めキャラらしくなります
「酒田の奉仕・R18」→R18の試し読みならココ
「永井の哀願」→作者は2番手キャラの涙が好き
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ベータ社会でベータ男として育ってきた田村慶介は、本当はオメガだった。
4歳の時、母親の托卵で生まれた事が発覚した慶介は、あからさまに邪険にされることはなかったものの肩身の狭い思いしていた。そんなある日、突然ヒートになりオメガだったということが判明する。
そして、オメガと発覚した慶介の元に血の繋がった本当の父親があらわれ、オメガと判明してから2ヶ月後には血縁上の父親の養子になっていた。
オメガになった慶介はアルファとオメガのバース性が独自に形成するバース社会へと足を踏み入れる。
バース社会は、長く続いたアルファ至上主義によって数が激減し、現代では1000人に1人の割合にまで減り、昔は社会的地位の低かったオメガが今では、家の宝として蝶よ花よと大事に守り育てられている。
そして、アルファ達はそんなオメガに傅き必死に求婚するのである。
最初に慶介を出迎えてくれたのはこれから同じ家に暮らすことになる同居人のアルファたち、彼らは常にオメガである慶介を念頭に置き行動する。
ベータの家では、自分の誕生日だったとしても希望を聞かれることのなかった慶介は大切に扱われる事に戸惑いながらも嬉しくもあった。
オメガとなった慶介は早速バース性の知識を学びながら、アルファ・オメガのみが通う私立高校へ転校する。
人口割合が1000人に1人となった現代では1年に生まれてくるアルファ・オメガのバース性は800人強しかおらず、高校は北海道、東京、大阪、九州の4校に集約されている。高校はアルファ3人:オメガ1人というアンバランスな人数差の中でアルファが番のオメガを探す苛烈な婚活会場でもある。
転校して1ヶ月も経たない内に夏休みに入り、オメガの慶介は1人で出歩くことを許されない自主的軟禁生活に飽き飽きする。
そんな時、ベータだった頃の友人に誘われてプールに行くことになった。久しぶりの友人たちとの再開、そして、楽しい遊びになるはずだったのだが、オメガの象徴であるネックガードが衆目に晒されたアクシデントで慶介はオメガの自分はベータ社会に戻ることが出来ないという現実を突きつけられることになった。
ベータ社会への未練が擦り切れた慶介はあるアルファから引っ掛けられた誘引フェロモンをキッカケにその存在を感知する用になった。フェロモンを知ったことで変わってしまったヒートで、慶介はバース性へと向き合うことになる。慶介が頭で理解するよりもオメガという性を体で知ることになった。
ヒートとフェロモンによって、オメガという性を無理やり自覚させられた慶介だが、まだ「男」という性自認から脱却することが出来ず、大文化祭でさせられる女装に強い抵抗を示す。
そして、当日の直前になって逃げ出したのだが我慢することに慣れてしまっている慶介は不満を飲み込み、作り笑顔で大文化祭を終えた。
同居人たちによって隠され守られていた慶介は、大文化祭の女装で目立ってしまいバース社会で急激に存在を知られていく。
知られた先の1つが慶介の父親の実家である。呼び出しを受けて、慶介は養子に入った「本多家」へ挨拶に行くことになるのだが、そこで突きつけられたのは「20歳までに婚約者を見つけること」というタイムリミット。
本多家の当主から決められた婚約に、ベータだった頃の社会的常識が通用しない世界に慶介の心はついていけない。
そうは思っても、人は日々、成長しているものだ。以前なら考えもしなかったようなこと、環境が変わったことによる認識の変化の中、手に届く範囲の自由の中でささやかな楽しみを見つけたりする。
婚約話は父親が潰してくれたが、同時に慶介は「友達の酒田」を失うことになる。婚約話は潰せてもオメガである慶介が結婚から目を逸らすことは許されなかった。
春は様々なものが変化する。
慶介は高校2年生に進級した。友達の酒田は警護の酒田になり、隣を歩いていたはずの姿は半歩下がった後ろにある。
春という季節は慶介に「運命の番」を連れてきた。狂い咲く花の甘い運命の香りに慶介は本能を揺さぶられ、惑わされ、翻弄され、困惑する。本能に支配される脳と反応する体、それらを受け入れられない「心」どれが慶介の本物の意志なのか?
慶介の運命の番の名前は「永井」と言い、婚活アルファの永井は運命である慶介にアプローチをかけまくる。そして、それは本来、ズレることなどありえないはずのヒートをもずらし慶介の体に異常が起こる。
慶介が心で否定し続けてきた「運命」をヒート中の体が求めて腹痛が引き起こされ、慶介は本能に飲まれれる恐怖を味わうこととなった。
大文化祭があるのなら大運動会もあるのが、この学校だ。
運動会のための練習で知ったのは、幼稚園時代にオメガにモテた酒田と嫌われ者だった永井。小学校では永井は輝かしいアルファに成長し、酒田はいまいちな補佐アルファとして永井にこき使われた関係の変化。
永井が大運動会で起こした騒動で、慶介は永井の過去を知る。
柔道選手になるべく中学のタイミングで永井は上京し、中学では輝かしい成績を残した。
事件があったのは、高校に進学した去年の事。永井は複数人から暴行されるリンチを受けて、膝を潰された。それをキッカケに、柔道が出来ない体、状況、環境に追い込まれ、目指していた柔道選手としての夢を諦めさせられたのだった。
だからといって、可愛そうだから番になってあげよう!とは、ならない。それはそれ、これはこれ、だ。
慶介の心はそのように考えているのに、体は逆の反応を見せ、慶介は薬で体をコントロールしようと薬の過剰摂取をするようになった。
それをしても、運命の番は影響し合う。
永井はラット化し、慶介は学校でヒートになり、病院へ運ばれた。
病院で聞かされたのは、運命の番は番ったほうが良い。という統計的結論と、運命を拒絶することの出来る選択肢。慶介は将来的に脳にダメージを残す、命を縮める薬で運命の番を拒否する事を選んだ。
それを知るのは、慶介と父親と父の兄である伯父のたった3人。
死を近づける薬を密かに飲みながら、日常を素知らぬ顔で過ごす慶介に2度目の夏がやってくる。
ベータの頃の友人と淡路島に釣りに行くことになった。釣りとは待つものであり、暇なものだ。1年ぶりのベータの友人との雑談の中で慶介は心の変化に気付かされた。
慶介は心の奥にあった本当の本心を自覚した。
ーー酒田が好き。
しかし、慶介が抱えた様々な問題が、その本心を酒田に告げる事を阻む。
運命の番と出会ってしまった慶介の体は永井を求めて腹痛という症状を引き起こし、それを無視する事は衰弱死に至る可能性があるのだ。
夏が終わり、再開された学校生活。
それぞれが隠した秘密はゆっくりと歪みを引き起こし、事件が起こる。
永井がフェロモンで慶介をヒート状態にしてシェルターへ連れ込んでしまったのだ。しかも、その時、永井はフェロモンでオメガを酔わせて、項を守るネックガードの暗証番号を聞き出す「禁じ手」を使った。
酒田は警護として慶介を懸命に守ろうとしたが、何一つ敵わず、永井に敗北した。
酒田は、永井が慶介を連れ込んだ開かぬシェルターの前で絶望した。
警護という立場をわきまえて、それでも密かに慶介に恋していた酒田。いづれは運命である永井に慶介が項を噛まれて番になると分かっていたから、だからこそ、まだオメガになって1年、バース社会に慣れきっていない慶介が運命の番を受け入れられる日が来るまでは警護として守ろうと決意していたのに、慶介が命を縮める薬を飲んでまで永井を拒絶していた事を知り、自分の大失態のせいで、慶介の決意と自分の恋をぶち壊した事に後悔した。
翌朝、開いた扉の前で酒田は慶介に懺悔し、告白する。
「俺がッ、項を噛みたかった・・・!」
項は生涯に1度きり、やり直しの効かない絶対のルール。ネックガードの暗証番号を聞き出され、解除されてしまった慶介は永井に項を噛まれたはずだった。
顔を上げた酒田の目が見たものは、鍵付きネックガード。
慶介は自らの項を鍵タイプのネックガードをつけることで、自身の力で守ったのである。
酒田の告白は成功した。
慶介は永井を警察に突き出すことはなかった。なぜなら、慶介の体が運命を求めて腹痛を起こす問題を抱えているからだ。
慶介と永井は項こそ噛んではいないが、運命のフェロモンを知った体が引き離される事を拒む。
慶介に拒絶された永井は運命を諦めつつも、未練がましく慶介に言い寄り酒田をイジメる。しかし、もう、慶介と酒田の心は通じ合い硬く結ばれている。
残るは腹痛の対処だけ。
問題解決の兆しを見つけた慶介に「永井も命を縮める薬を飲んでいる」という冷水をかけられ、慶介は自分のワガママのせいで永井が死ぬかも知れないという事実に罪を覚えた。
酒田の献身的な奉仕によって、慶介は酒田と番になれる確信を得る。しかし、罪悪感を忘れることの出来ない慶介に再び腹痛が起こり、せっかく繋がった酒田との絆が引き離された。
慶介の警護アルファたちが出した結論は、慶介は永井と番になった上で酒田をプラトニックな愛人としてそばに置くことだった。
周り全員が「そうするしかない」という中、1人抵抗する慶介に、永井が薬の副作用で胃に穴が開きそうになっているという話と、再開した柔道で夏のインターハイを優勝し、最後の栄光を勝ち取ったら自殺するつもりだという話で、さらなる追い打ちを受ける。
どうしてもプラトニック案を取りたくない慶介、しかし、それ以外の方法も思いつかなくて、ベータの友人に遊園地に誘われるも断りを入れる。
ところが、ベータの友人の谷口は勝手に慶介の家に遊びに来た。慶介を説得して遊園地に行こうと思っていたらしい。
慶介は谷口に、今、自分たちが置かれている状況を説明した。愚痴のつもりだった会話が、解決案を話し合う会話になり、ベータならではの解決法にたどり着く。
谷口と出した新たな解決法は、誰とも番わないという方法だ。酒田とも永井とも番わず、現状を維持し続ける。
これに、永井も諦念の顔で了承した。
酒田は項を噛んで自分のモノに出来ないけど慶介を得て、永井は運命の番を得られないけど柔道選手として返り咲き栄光を掴む。
そして、慶介はオメガとして項を噛まれる究極の喜びを諦めて酒田と供に生きる道を選んだ。
「一生、項は噛めないけど、それでも俺と一緒にいてくれるなら、ーー酒田、俺と結婚してくれ。」
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