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喧嘩
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*酒田視点です。
ーーーーーー
「最近の永井はおとなしいな。」
「ほんそれ。いい感じ。今のあいつなら友だちになってもいいね。」
運動会以降あんなにべったりだったのに永井が引いた。夏休み明けをあんなに待ちわびていたのに。
慶介も不気味がっているが、変に突付くと「じゃあ元に戻すわ」とか言われそうで怖いと言っていた。
「番っても良いと思うか?」
「はぁ?・・・番になんか、ならねぇよ。変なこと言うなっての。」
「そうか、すまん。」
言わせた感じもあるが、慶介の些細な一言に酒田の心は喜び跳ね回る。そんな事は顔色にも出さず平素の顔をしているつもりだが、多分、水瀬さんにはバレる。
早く平常心を取り戻さなければ、と「駄目だ、期待するな」「ぬか喜びになるだけだ」と言い聞かせるが「でも、ならねぇって言った」と頭の中の小人が大騒ぎした。
本当に、最近の永井は、慶介が欲しがっていた友達そのものだ。
まるでアルファの友人同士かのようなやり取りと、オメガという異性に対する丁寧さを取っ払った雑な扱い。性的な感情のない第1性のみの関係性。慶介がどんどん永井を内側へと引き込み、心を許しているのが分かる。
去年はあんなに他のアルファ達に「そういうのは酒田にしか許してねぇから、馴れ馴れしくすんな」と言っていた事を永井にさせているし、慶介も永井に自然とやっている。「友達にするにはしんどい」などと言われていた永井が今は「友達になってもいい」と言われている。
酒田は胸の内に暗い感情が溜まるのを感じていた。
ふと、慶介がトイレに立った。普段なら一人で行動するな、と言うが今は一人で行かせた。夏休み前なら間違いなく付いていったであろう永井も「いてらーい」と動かなかった。
「さっきの、慶介が一人になりたがってたの、よく気づいたな。」
薬が入っているポケットと反対側をなにもないのにチラチラ見ていた。たぶん、体調が少し悪いんだろう。教室の机で突っ伏して寝ればいいのに慶介はそういうのをやらない。
「ああ、匂いで分かる。頭痛じゃねぇかな?痛み止め飲んだらすぐ戻ってくるだろ。」
「匂いで?・・・頭痛まで、分かるのか?」
「何となくだけどな。」
慶介は、本当にちょっとしたら戻ってきて少しボーッとしていた。それを気遣ってか永井は柔道の世界大会の話題を酒田につらつらと語っていた。
永井の話を聞き流しながら、酒田は眼の前が真っ暗になりそうな絶望感に襲われていた。
唯一絶対優位だと思っていた慶介に関する観察眼も「匂い」で嗅ぎ取れると言われたら、もはや酒田など無用の存在になるのではないか?と、今まで永井に感じていた優越感が失われていく。
元より勝てるところなど何もない。力も学も敵わない。慶介からの信頼を失っている酒田は、もはやベータの友人たちにも劣り、永井は酒田を易易と踏み越えていく。
9月も下旬になって涼しくなったのに、ジリジリと身を焼かれているような熱さを感じる。胸に溜まっていた嫉妬に火が付いて、情けなさや悔しさを巻き込み燃え上がっている。黒く灰になったもう一人の自分が「当然の結果だろう」と諦念の声で嘲笑してくる。ほんの少し前は小人が大騒ぎしていたのに。
こんこんと湧く慶介に向いているささやかな好意は綺麗な水の様なのに、数秒後にはドロドロとした油になって腐臭を放ち、酒田の思考を鈍らせ同じ疑問をグルグル繰り返している。
なぜ、慶介なんだ。
なぜ、運命の番が現れるんだ。
なぜ、その相手が永井なんだ。
ーー最後に、匂いを感じたのはいつだったか・・・
永井が転校してきてから酒田の部活は、永井のリハビリ練習の相手に変わった。
永井は、真犯人だと言っていたあの男が、インターハイで優勝を逃したことから、再び柔道に力を入れるようになった。
「来年はあいつがいねぇからな、全部勝つ。」
と言って、高校生しか出られない春と夏の大会に向け、酒田も通う道場に入ってきた。
酒田が行っている道場は、関西の警備会社の実業団で運営している道場なので社会人の猛者が集まっているのだ。部活では怪我のリハビリみたいな練習しかしていなかった永井が、道場では大人たちと試合同然の真剣な組み合いをして、実業団の実力者を投げ飛ばしまくっていて、学校では大人しい永井が闘志を漲らせる姿に、酒田も頭を捻っている。
今日はなかなか納得行く仕上がりにならなかったようで遅くなってしまったが、いつも通り、永井と自習室に慶介を迎えに行く。
しかし、慶介の姿が無かった。トイレに行くなら鞄があるはずなのに無かったので周囲にいた人に聞くと「同じクラスの人が来て連れて行かれてたよ」とのこと。
教室に向かうと、出入り口を補佐アルファが監視していた。「何かあるのか?」と聞くと、中でオメガたちが和カフェの衣装の試着をしているらしい。
嫌な予感がした。
予感は的中する。中では女子が慶介に女装を施していた。
大正ロマンのイメージでよくある、紫の矢羽柄に赤の袴。毛先が茶色のウェーブの入った付け毛、大きめの髪飾り。ビビットな色合いの着物と着物に負けない濃いメイクは少女性が高められていて、しかも、よりによって、着物用に買った黒の光沢のあるネックガードだから、去年よりもいい仕上がりだった。
慶介のちょっと困った顔を見ても、胸の内に湧いた正直な感想を打ち消せなかった。
(・・・本当に、正直言って、よく似合ってる。)
せめて、口にするまいと酒田は口を閉ざすが、永井はそうではない。
「慶介、すげぇ似合ってる!最高だ!めっちゃ良いよ。その格好で給仕しろよ。」
最近、全く見せなかった熱量が籠もった目と声。抱きしめたいけど、着物がよれてしまうのを気にしてか、落ち着きのない手が腕や髪を撫でて、口説き文句を我慢するためか「似合ってる」と連呼していた。
そんな永井の言葉に、周りの女子も「そうだよ、女装やろうよ」「今だけとか勿体ないよ」「こんなに似合ってるのに」と、追い打ちをかける。
慶介の顔が強張っていき、ほんの一瞬だけ泣きそうな目になったあと、嫌なのを我慢するための作り笑顔で「仕方ねぇなぁ」と言った。
その瞬間、酒田は頭に血が上り眼の前が真っ赤になった気がした。
「嫌がってるのが解らないのかッ!?」
酒田の怒りは言葉だけでは収まらない。
怒りのエネルギーが手のひらに集まり拳を握った。ささやかな自制心で握った拳をひらき、酒田は掌底で永井の顎を撃ち抜いた。
不意打ちを食らった永井は揺れる脳にバランスを崩し、膝から崩れ落ちた。
酒田からの2発目を防ぐため、永井が威圧フェロモンを放ち、酒田もそれに応じるようように威圧フェロモンを放った。前に教室でやり合った時のようなしょぼい威圧ではない。
慶介ならこう言っただろう。「酒田の本気の威圧は景明そっくり」と。
補佐アルファが仲介に入るよりも早く、酒田と永井の取っ組み合いの喧嘩が始まってしまう。
流血沙汰にならないのはお互いにギリギリの所で拳が入るのを止めているからだ。リアルの戦いは漫画みたいな音もエフェクトもない。あるのは「これ以上はマズイって!」というハラハラ感。殴り合い一歩手前の両者の力が均衡した、張り詰めた緊張感に息を呑むのもはばかられる。
殴り合いが次第に技の掛け合いにシフトしている。柔道部同士の襟元の取り合いはカッターシャツが破れそうな程に激しい。身体にぶつかった教室の机に、気をとられた永井の隙をついた酒田が技をかけて、永井が床に背中を打った。しかし、試合のように技をかけられたから終わりではない。そこからは柔道の寝技というのかレスリング並みのマウントの奪い合いが始まり、周りの机と椅子がガタガタと押し広げられていく。
どちらも攻め手を緩める気配がないので、補佐アルファ達は、喧嘩の仲裁に入るタイミングを計れずにいた。
そもそも、どちらを押さえれば良いのかも迷っていた。今回は珍しく、酒田が仕掛けた喧嘩だ。しかも、周りからみると酒田の言い分はあまりに唐突だったし、理不尽にも思えた。永井は完全に不意打ちを食らっていたし、今も、ただ応戦しているだけ。とも言える。
周囲が迷っている内に、体力か気力が切れ始めた酒田に対して、冷静さを取り戻してきた永井が本領発揮し始めた。
露骨な馬乗りを狙っていた酒田と違って、永井は寝技で酒田を押さえ込もうとして、それが成功するタイミングが増えて徐々に攻勢に傾いていく。酒田は押さえ込みから逃れようとする防戦になり、ついに永井が完全に固めた。
その機を逃さず、慶介が2人の喧嘩を止めた。
***
ーーーーーー
「最近の永井はおとなしいな。」
「ほんそれ。いい感じ。今のあいつなら友だちになってもいいね。」
運動会以降あんなにべったりだったのに永井が引いた。夏休み明けをあんなに待ちわびていたのに。
慶介も不気味がっているが、変に突付くと「じゃあ元に戻すわ」とか言われそうで怖いと言っていた。
「番っても良いと思うか?」
「はぁ?・・・番になんか、ならねぇよ。変なこと言うなっての。」
「そうか、すまん。」
言わせた感じもあるが、慶介の些細な一言に酒田の心は喜び跳ね回る。そんな事は顔色にも出さず平素の顔をしているつもりだが、多分、水瀬さんにはバレる。
早く平常心を取り戻さなければ、と「駄目だ、期待するな」「ぬか喜びになるだけだ」と言い聞かせるが「でも、ならねぇって言った」と頭の中の小人が大騒ぎした。
本当に、最近の永井は、慶介が欲しがっていた友達そのものだ。
まるでアルファの友人同士かのようなやり取りと、オメガという異性に対する丁寧さを取っ払った雑な扱い。性的な感情のない第1性のみの関係性。慶介がどんどん永井を内側へと引き込み、心を許しているのが分かる。
去年はあんなに他のアルファ達に「そういうのは酒田にしか許してねぇから、馴れ馴れしくすんな」と言っていた事を永井にさせているし、慶介も永井に自然とやっている。「友達にするにはしんどい」などと言われていた永井が今は「友達になってもいい」と言われている。
酒田は胸の内に暗い感情が溜まるのを感じていた。
ふと、慶介がトイレに立った。普段なら一人で行動するな、と言うが今は一人で行かせた。夏休み前なら間違いなく付いていったであろう永井も「いてらーい」と動かなかった。
「さっきの、慶介が一人になりたがってたの、よく気づいたな。」
薬が入っているポケットと反対側をなにもないのにチラチラ見ていた。たぶん、体調が少し悪いんだろう。教室の机で突っ伏して寝ればいいのに慶介はそういうのをやらない。
「ああ、匂いで分かる。頭痛じゃねぇかな?痛み止め飲んだらすぐ戻ってくるだろ。」
「匂いで?・・・頭痛まで、分かるのか?」
「何となくだけどな。」
慶介は、本当にちょっとしたら戻ってきて少しボーッとしていた。それを気遣ってか永井は柔道の世界大会の話題を酒田につらつらと語っていた。
永井の話を聞き流しながら、酒田は眼の前が真っ暗になりそうな絶望感に襲われていた。
唯一絶対優位だと思っていた慶介に関する観察眼も「匂い」で嗅ぎ取れると言われたら、もはや酒田など無用の存在になるのではないか?と、今まで永井に感じていた優越感が失われていく。
元より勝てるところなど何もない。力も学も敵わない。慶介からの信頼を失っている酒田は、もはやベータの友人たちにも劣り、永井は酒田を易易と踏み越えていく。
9月も下旬になって涼しくなったのに、ジリジリと身を焼かれているような熱さを感じる。胸に溜まっていた嫉妬に火が付いて、情けなさや悔しさを巻き込み燃え上がっている。黒く灰になったもう一人の自分が「当然の結果だろう」と諦念の声で嘲笑してくる。ほんの少し前は小人が大騒ぎしていたのに。
こんこんと湧く慶介に向いているささやかな好意は綺麗な水の様なのに、数秒後にはドロドロとした油になって腐臭を放ち、酒田の思考を鈍らせ同じ疑問をグルグル繰り返している。
なぜ、慶介なんだ。
なぜ、運命の番が現れるんだ。
なぜ、その相手が永井なんだ。
ーー最後に、匂いを感じたのはいつだったか・・・
永井が転校してきてから酒田の部活は、永井のリハビリ練習の相手に変わった。
永井は、真犯人だと言っていたあの男が、インターハイで優勝を逃したことから、再び柔道に力を入れるようになった。
「来年はあいつがいねぇからな、全部勝つ。」
と言って、高校生しか出られない春と夏の大会に向け、酒田も通う道場に入ってきた。
酒田が行っている道場は、関西の警備会社の実業団で運営している道場なので社会人の猛者が集まっているのだ。部活では怪我のリハビリみたいな練習しかしていなかった永井が、道場では大人たちと試合同然の真剣な組み合いをして、実業団の実力者を投げ飛ばしまくっていて、学校では大人しい永井が闘志を漲らせる姿に、酒田も頭を捻っている。
今日はなかなか納得行く仕上がりにならなかったようで遅くなってしまったが、いつも通り、永井と自習室に慶介を迎えに行く。
しかし、慶介の姿が無かった。トイレに行くなら鞄があるはずなのに無かったので周囲にいた人に聞くと「同じクラスの人が来て連れて行かれてたよ」とのこと。
教室に向かうと、出入り口を補佐アルファが監視していた。「何かあるのか?」と聞くと、中でオメガたちが和カフェの衣装の試着をしているらしい。
嫌な予感がした。
予感は的中する。中では女子が慶介に女装を施していた。
大正ロマンのイメージでよくある、紫の矢羽柄に赤の袴。毛先が茶色のウェーブの入った付け毛、大きめの髪飾り。ビビットな色合いの着物と着物に負けない濃いメイクは少女性が高められていて、しかも、よりによって、着物用に買った黒の光沢のあるネックガードだから、去年よりもいい仕上がりだった。
慶介のちょっと困った顔を見ても、胸の内に湧いた正直な感想を打ち消せなかった。
(・・・本当に、正直言って、よく似合ってる。)
せめて、口にするまいと酒田は口を閉ざすが、永井はそうではない。
「慶介、すげぇ似合ってる!最高だ!めっちゃ良いよ。その格好で給仕しろよ。」
最近、全く見せなかった熱量が籠もった目と声。抱きしめたいけど、着物がよれてしまうのを気にしてか、落ち着きのない手が腕や髪を撫でて、口説き文句を我慢するためか「似合ってる」と連呼していた。
そんな永井の言葉に、周りの女子も「そうだよ、女装やろうよ」「今だけとか勿体ないよ」「こんなに似合ってるのに」と、追い打ちをかける。
慶介の顔が強張っていき、ほんの一瞬だけ泣きそうな目になったあと、嫌なのを我慢するための作り笑顔で「仕方ねぇなぁ」と言った。
その瞬間、酒田は頭に血が上り眼の前が真っ赤になった気がした。
「嫌がってるのが解らないのかッ!?」
酒田の怒りは言葉だけでは収まらない。
怒りのエネルギーが手のひらに集まり拳を握った。ささやかな自制心で握った拳をひらき、酒田は掌底で永井の顎を撃ち抜いた。
不意打ちを食らった永井は揺れる脳にバランスを崩し、膝から崩れ落ちた。
酒田からの2発目を防ぐため、永井が威圧フェロモンを放ち、酒田もそれに応じるようように威圧フェロモンを放った。前に教室でやり合った時のようなしょぼい威圧ではない。
慶介ならこう言っただろう。「酒田の本気の威圧は景明そっくり」と。
補佐アルファが仲介に入るよりも早く、酒田と永井の取っ組み合いの喧嘩が始まってしまう。
流血沙汰にならないのはお互いにギリギリの所で拳が入るのを止めているからだ。リアルの戦いは漫画みたいな音もエフェクトもない。あるのは「これ以上はマズイって!」というハラハラ感。殴り合い一歩手前の両者の力が均衡した、張り詰めた緊張感に息を呑むのもはばかられる。
殴り合いが次第に技の掛け合いにシフトしている。柔道部同士の襟元の取り合いはカッターシャツが破れそうな程に激しい。身体にぶつかった教室の机に、気をとられた永井の隙をついた酒田が技をかけて、永井が床に背中を打った。しかし、試合のように技をかけられたから終わりではない。そこからは柔道の寝技というのかレスリング並みのマウントの奪い合いが始まり、周りの机と椅子がガタガタと押し広げられていく。
どちらも攻め手を緩める気配がないので、補佐アルファ達は、喧嘩の仲裁に入るタイミングを計れずにいた。
そもそも、どちらを押さえれば良いのかも迷っていた。今回は珍しく、酒田が仕掛けた喧嘩だ。しかも、周りからみると酒田の言い分はあまりに唐突だったし、理不尽にも思えた。永井は完全に不意打ちを食らっていたし、今も、ただ応戦しているだけ。とも言える。
周囲が迷っている内に、体力か気力が切れ始めた酒田に対して、冷静さを取り戻してきた永井が本領発揮し始めた。
露骨な馬乗りを狙っていた酒田と違って、永井は寝技で酒田を押さえ込もうとして、それが成功するタイミングが増えて徐々に攻勢に傾いていく。酒田は押さえ込みから逃れようとする防戦になり、ついに永井が完全に固めた。
その機を逃さず、慶介が2人の喧嘩を止めた。
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