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黒田 椿
しおりを挟む目を覚ました彼を抱いた。
拒絶する彼に、無理矢理中出しをした。
ここに色んな男を咥え込んでいることを想像すれば、中出し以外の行動は考えられなかったからだ。
普段表情を変えることのない彼の眉尻が下がる。
息を乱しながら射精する姿には目を奪われた。
きっとこの子は常に人の上に立ち、自分が有利な状況での関係しか築いて来なかったに違いない。
この子を自分の好き勝手に出来たら、今以上に色んな表情や色んな声を聞かせてくれるだろう。
ああ、可愛いな...。
1度思ってしまうと、彼が堪らなく愛しい存在に思えた。
今にも泣き出してしまいそうな顔が
白い肌が赤く染るところが
キュッ、と強く握った手が
髪も...目も、鼻も、口も首も骨も長い手足もオレを包み込む肉や内蔵も
かわいい。
一見見た目と性格のバランスが取れているように見えて、全く取れていないチグハグ且つ繊細な彼は...美しく不安定なまま保存された硝子の標本のそのものだ。
『名前、なんだっけ』
自分がこんな感情を抱いている重い人物だと悟られないよう、がっついて引かれないように...興味がない知らないフリをして彼の名前を聞いた。
子猫のような可愛い声で喘ぎ混じりに呟かれた名前に、身体がゾクリと震える。
ただそれも、数多の男が聞いたものだと思えば再び苛立ちが積もった。
これからは細胞から作り替えていこう。
細胞は200日で完全に入れ替わる。
オレの作った料理やお茶を飲ませて、信頼関係を構築しつつ、中にはこうして精子を注ぐ...。
初めから束縛すると逃げて行ってしまうかもしれない。
オレに好意を抱かせた後に少しずつ、真綿で包み込むかの如く縛り付けて、少ししたらこの家で一緒に暮らす。
この子が望むことは何でもしてあげなくてはならない。
欲しいものは勿論買い与え、彼への投資は遠慮なく行う。
これでもかと言う程甘やかして、ズブズブに堕ちるくらいまで依存させたら
仕事を辞めさせ、一生家から出さない。
首輪を付けて、手足を縛って、オレだけに笑いかけてくれる...理想の恋人にする。
想像すれば、自然と笑みが溢れた。
早くこの子の世界に
オレだけしか
いなくなりますようにーーー。
椿の花が咲き誇る庭を見て、オレの両親が「椿」と名付けた。
けれど、美しいソレとはまるで違う。
自分の心に渦巻く感情や欲望はドス黒くて、酷く醜い。
狂っている
これは人間ではないーーー。
『お前も惨いこと考えるよな...。まぁ、あそこの建物はウチの持ち物だし近年中に取り壊す予定だったよ?人を避難させた後にちゃちゃっとやればいいんだけどさぁ...』
『......、大事なものは予め家を漁って持ってきた。今まで着た服もどんな男が脱がせてるのか分からないし、その辺の男がプレゼントした物が溢れ返った部屋で生活していたら鏡夜が汚れるだろ...。
嫉妬でおかしくなりそうなんだ...
だからなるべく早く、全部燃やしたい』
『はは...僕、お前のそう言う狂ってるところ本当に大好き...。ゾクゾクして射精しそうになっちゃったよ。
鏡夜以外心底どーでもいいって面してんのも、すげーそそる...』
「実際どうでもいい...。光悦...オレの言うこと、何でも聞いてくれるんだよね...?」
「勿論だよ、可哀想な椿...」
光悦がオレの頭を撫でながら、頬にキスを落とした。
『僕がお前を救ってあげる』
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