秘めやかな色欲

おもち

文字の大きさ
上 下
276 / 312

276

しおりを挟む



「......鏡夜、お尻が丸見えだよ」

部屋に戻った黒田が頭を掻きながら、スマホをマナーモードに設定する。

「おかえりぃ~♡」

ガラステーブルの上にスマホを置いて、ベッドのスプリングを軋ませた彼が俺の背中を優しく撫でた。

「ぁ、ん...っ♡」

「......飲んだの?」

「のんれない!おさけ嫌いらもん」

「お酒を飲んだのかは聞いてないけど?」

「はっ...!」

両手で口を塞ぎ、身体を起こす。

目の前に座る彼は、目を細めながら、俺のとろんと潤んだ瞳を覗き込んだ。

「全く君は...」

ああ...綺麗な顔...。

バスローブの合間から見える筋肉と、下着に包み込まれている彼自身を見て、さらに喉を鳴らす。

「自分が一体何をしてるのか、分かってるの?」

「かっこいい...きれい...けっこんしゅる」

「...話を聞きなさい...」

その発言をも無視し、彼のバスローブに手を掛けするりと脱がせれば、黒田は眉間にシワを刻んだ。

「鏡夜、お酒飲んじゃだめって言ったよね?」

「うんん!言ってない」

「言ってたの。オレのこと煽っといて、どうせ君は記憶を無くすんだろ?」

「なくさな~い♡」

黒田の首に腕をまわし、身体をピタリと密着させる。

「ね...、早くさっきの続きしよ♡」

目を瞑り唇を尖らせれば、彼のキスを今か今かと待ち続けた。
が、自分の唇には何も触れてこない。

おかしい。

目を開けると黒田は

「もう寝る」

とだけ呟いてベッドにダイブするではないか。

何故だ。

この俺から誘惑しているのに、何故だ!!!



「...ちゅばきぃ...なんれおれのこと抱かないの...?おれはここに来てからずっとキンチョーして、そわそわしてるのに...」

「...」

「つばきだけ余裕そうな顔してるのむかつく...、

抱けよ...おれのこと...」


酒が入っているとは言え、惨めなことに変わりはない。
情けなさと不安で目に溜まる涙を見て、彼は小さく笑った。

  
「...虐めすぎたな...」

突然立ち上がり、ガラステーブルに置いたスマホを何やら操作した彼がこちらに戻ってくると、あろうことか俺のスマホを手に取った。

「...鏡夜、乳首舐めて」

「え゛っ、ち...!?」

「ほら、早く」

頭を自分の胸元まで引き寄せた黒田は、先程からずっと怪しげな笑みを浮かべている。
しかし、今はそんなことを気にしている場合ではない。


「ん...はぁ...♡ちゅ、ちゅう...♡」

「...、...っ...」

小さな粒を舌で包み、ゆっくりと転がしながら吸い上げる。
彼が腰を引き、顔を顰めたのを見てにんまりと頬が緩んだ。

「乳首舐めて欲しいなんてかわい...♡つばき、俺に乳首虐められるの好き?乳首舐めながら、おち〇ぽシコシコしてあげよっか...?♡」

もう片方の爪先で乳頭をカリカリ刺激する。

俺が弄ってから、黒田の乳首は多少なりとも敏感になりつつあるようだ。
小さな乳首が感じるなんていやらしくて堪らない。

舐めにくいし、弄りにくいが...

「ん...そんなことされたら、すぐイっちゃうよ...」

黒田の感じている顔を見ることが出来るのは嬉しい。


「...舐めながらこっち見て」

「んぅ...?ん...、なぁに...?」

スマホをこちらに向けながら笑みを浮かべる彼が、優しく俺の頭を撫でる。
大きな手が髪を梳き、頬を滑る感触にうっとりと目を細めた。

「君はどうせ記憶飛ばすんだから、思い出は残さないとね...?」
しおりを挟む
感想 87

あなたにおすすめの小説

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

カテーテルの使い方

真城詩
BL
短編読みきりです。

身体検査

RIKUTO
BL
次世代優生保護法。この世界の日本は、最適な遺伝子を残し、日本民族の優秀さを維持するとの目的で、 選ばれた青少年たちの体を徹底的に検査する。厳正な検査だというが、異常なほどに性器と排泄器の検査をするのである。それに選ばれたとある少年の全記録。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

皇帝陛下の精子検査

雲丹はち
BL
弱冠25歳にして帝国全土の統一を果たした若き皇帝マクシミリアン。 しかし彼は政務に追われ、いまだ妃すら迎えられていなかった。 このままでは世継ぎが産まれるかどうかも分からない。 焦れた官僚たちに迫られ、マクシミリアンは世にも屈辱的な『検査』を受けさせられることに――!?

熱のせい

yoyo
BL
体調不良で漏らしてしまう、サラリーマンカップルの話です。

騙されて快楽地獄

てけてとん
BL
友人におすすめされたマッサージ店で快楽地獄に落とされる話です。長すぎたので2話に分けています。

4人の兄に溺愛されてます

まつも☆きらら
BL
中学1年生の梨夢は5人兄弟の末っ子。4人の兄にとにかく溺愛されている。兄たちが大好きな梨夢だが、心配性な兄たちは時に過保護になりすぎて。

処理中です...