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しおりを挟む「......鏡夜、お尻が丸見えだよ」
部屋に戻った黒田が頭を掻きながら、スマホをマナーモードに設定する。
「おかえりぃ~♡」
ガラステーブルの上にスマホを置いて、ベッドのスプリングを軋ませた彼が俺の背中を優しく撫でた。
「ぁ、ん...っ♡」
「......飲んだの?」
「のんれない!おさけ嫌いらもん」
「お酒を飲んだのかは聞いてないけど?」
「はっ...!」
両手で口を塞ぎ、身体を起こす。
目の前に座る彼は、目を細めながら、俺のとろんと潤んだ瞳を覗き込んだ。
「全く君は...」
ああ...綺麗な顔...。
バスローブの合間から見える筋肉と、下着に包み込まれている彼自身を見て、さらに喉を鳴らす。
「自分が一体何をしてるのか、分かってるの?」
「かっこいい...きれい...けっこんしゅる」
「...話を聞きなさい...」
その発言をも無視し、彼のバスローブに手を掛けするりと脱がせれば、黒田は眉間にシワを刻んだ。
「鏡夜、お酒飲んじゃだめって言ったよね?」
「うんん!言ってない」
「言ってたの。オレのこと煽っといて、どうせ君は記憶を無くすんだろ?」
「なくさな~い♡」
黒田の首に腕をまわし、身体をピタリと密着させる。
「ね...、早くさっきの続きしよ♡」
目を瞑り唇を尖らせれば、彼のキスを今か今かと待ち続けた。
が、自分の唇には何も触れてこない。
おかしい。
目を開けると黒田は
「もう寝る」
とだけ呟いてベッドにダイブするではないか。
何故だ。
この俺から誘惑しているのに、何故だ!!!
「...ちゅばきぃ...なんれおれのこと抱かないの...?おれはここに来てからずっとキンチョーして、そわそわしてるのに...」
「...」
「つばきだけ余裕そうな顔してるのむかつく...、
抱けよ...おれのこと...」
酒が入っているとは言え、惨めなことに変わりはない。
情けなさと不安で目に溜まる涙を見て、彼は小さく笑った。
「...虐めすぎたな...」
突然立ち上がり、ガラステーブルに置いたスマホを何やら操作した彼がこちらに戻ってくると、あろうことか俺のスマホを手に取った。
「...鏡夜、乳首舐めて」
「え゛っ、ち...!?」
「ほら、早く」
頭を自分の胸元まで引き寄せた黒田は、先程からずっと怪しげな笑みを浮かべている。
しかし、今はそんなことを気にしている場合ではない。
「ん...はぁ...♡ちゅ、ちゅう...♡」
「...、...っ...」
小さな粒を舌で包み、ゆっくりと転がしながら吸い上げる。
彼が腰を引き、顔を顰めたのを見てにんまりと頬が緩んだ。
「乳首舐めて欲しいなんてかわい...♡つばき、俺に乳首虐められるの好き?乳首舐めながら、おち〇ぽシコシコしてあげよっか...?♡」
もう片方の爪先で乳頭をカリカリ刺激する。
俺が弄ってから、黒田の乳首は多少なりとも敏感になりつつあるようだ。
小さな乳首が感じるなんていやらしくて堪らない。
舐めにくいし、弄りにくいが...
「ん...そんなことされたら、すぐイっちゃうよ...」
黒田の感じている顔を見ることが出来るのは嬉しい。
「...舐めながらこっち見て」
「んぅ...?ん...、なぁに...?」
スマホをこちらに向けながら笑みを浮かべる彼が、優しく俺の頭を撫でる。
大きな手が髪を梳き、頬を滑る感触にうっとりと目を細めた。
「君はどうせ記憶飛ばすんだから、思い出は残さないとね...?」
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