秘めやかな色欲

おもち

文字の大きさ
上 下
268 / 312

268*

しおりを挟む

「ん...っ、も...イきそ...」

布団の上で伸びる俺の耳に聞こえてくるのは、余裕のない光悦の声だった。

甘い声で鳴く進を、背後から無遠慮に突く彼は、「お前がイくのは僕がイってからだ」と耳に吹き込んだ後、ラストスパートをかける。

「ひっ、いい...♡ん゛っひぁ...♡あ゛あっ♡」

こんな視界の中でも、褐色の肌が赤く染まっているのが分かった。

主人より先にイかないように自身の根元をキツく掴む進の姿と、快楽に呑まれまいとする光悦の姿から目が離せない。


「く、...っ、射精る...っ、...ん......ッ」

ぶるりと身体を震わせた光悦が、2、3度腰を前後すると進の頭を優しく撫でる。

「ん、んん゛っ...こ...えつ、さま゛ぁ...も、我慢れきな...っ♡」

細かく身体を痙攣させ、涙を流す進の耳に、光悦が形のいい唇を寄せた。



「...いい子だったね...、イっていいよ...


アヤト...」

「!は、...ぁっ、~~~~~♡♡」

大きく身体を波打たせ、布団の上に精子を勢い良くぶちまけたかと思いきや、ぐるりと上を向いたまま意識を飛ばす。

相変わらず、すげぇイき方だ...。

霞む視界の中、呑気にそんなことを思っていると「...抜くね」と言う声に、微かに身体が反応する。

「すげぇ出た...」

イった後布団に倒れ込み、俺に抱きつきながら着々とキスマークを増やしていた黒田が、思い出したかのように口にした。

「んぁ...っ♡」

ずりゅ、と音を立てて抜かれれば、後ろはぱっくりと口を開けたまま呼吸に合わせて開閉を繰り返す。

「はぁ、はぁ...お尻...ほんとに戻らなくなったら...どーしよ...」

「ふふ...そうしたら一生オレが栓しててあげようか?」

「...ばか...」

自身からゴムを外し、キュッと口を結んだ黒田は、笑顔を浮かべたまま汗で張り付いた俺の髪を指で退かしてくれた。

あ...、綺麗な顔...。
頭や頬を撫でる心地良さに、自然と瞼が下がっていく。

身体が酷く重くて...眠い.....。 


「おーい、シンくん起きて。自分で汚したものは舐めて綺麗にしろっていつも言ってるだろ?」

眠りの世界へ入る1歩手前で、光悦の声が室内に響き現実世界へと引き戻される。
ぺちぺち頬を叩き無理矢理進を起こせば、光悦は布団の上に出された精子を指さした。

「「...うわぁ...」」


「おいおい、椿も鏡夜もそんな引いた顔すんなよ。シンくんだって喜んでるだろ、ほら」

「ぁ、...すみませ...俺トんでしまって...、今綺麗にします...」

これは......喜んでいるのか?
見る限り喜んでいるようには見えないが。


「...あ...。ゴム外す時にお前の汁手についたんだけど、舐めろ」

「!はい...っ♡光悦さま...、失礼します...♡んっ、ちゅ...♡」



喜んでいるな。

「鏡夜、眠たいだろうけど風呂入りに行こう。汗流さないとお互いに眠れないでしょ?」

...確かに。
正直面倒だが、汗や体液で汚れた状態では布団に入ることすら憚られる。

乱れた浴衣を脱ぎ捨てた彼に連れられ寝室の障子を開けると、そこには客室の露天風呂とは思えない程、大きな風呂が姿を現した。


「こ、光悦さま...それは捨てられてしまうのですか...?」

「精子?捨てるけど...ああ、そう言えばお前、さっき僕の精子が欲しいとか言ってたっけ」

目の前にぶら下げられたゴムに溜まる白濁とした液に、進の目は釘付けになっている。

「は...はい...っ♡」

「変態を飼うって言うのも手がかかるな...、一滴も零すなよ」

「!...あ...、ぁ...♡」

ゴムから滴り落ちる光悦の精子を口腔で受けとめた進は、嬉しそうに頬を染めながら目を細めて笑った。

「んっ、...ありがとう、ございます...。ずっとお慕い申しております、光悦様...♡」
しおりを挟む
感想 87

あなたにおすすめの小説

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

カテーテルの使い方

真城詩
BL
短編読みきりです。

身体検査

RIKUTO
BL
次世代優生保護法。この世界の日本は、最適な遺伝子を残し、日本民族の優秀さを維持するとの目的で、 選ばれた青少年たちの体を徹底的に検査する。厳正な検査だというが、異常なほどに性器と排泄器の検査をするのである。それに選ばれたとある少年の全記録。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

皇帝陛下の精子検査

雲丹はち
BL
弱冠25歳にして帝国全土の統一を果たした若き皇帝マクシミリアン。 しかし彼は政務に追われ、いまだ妃すら迎えられていなかった。 このままでは世継ぎが産まれるかどうかも分からない。 焦れた官僚たちに迫られ、マクシミリアンは世にも屈辱的な『検査』を受けさせられることに――!?

熱のせい

yoyo
BL
体調不良で漏らしてしまう、サラリーマンカップルの話です。

騙されて快楽地獄

てけてとん
BL
友人におすすめされたマッサージ店で快楽地獄に落とされる話です。長すぎたので2話に分けています。

4人の兄に溺愛されてます

まつも☆きらら
BL
中学1年生の梨夢は5人兄弟の末っ子。4人の兄にとにかく溺愛されている。兄たちが大好きな梨夢だが、心配性な兄たちは時に過保護になりすぎて。

処理中です...