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しおりを挟む「ん...っ、も...イきそ...」
布団の上で伸びる俺の耳に聞こえてくるのは、余裕のない光悦の声だった。
甘い声で鳴く進を、背後から無遠慮に突く彼は、「お前がイくのは僕がイってからだ」と耳に吹き込んだ後、ラストスパートをかける。
「ひっ、いい...♡ん゛っひぁ...♡あ゛あっ♡」
こんな視界の中でも、褐色の肌が赤く染まっているのが分かった。
主人より先にイかないように自身の根元をキツく掴む進の姿と、快楽に呑まれまいとする光悦の姿から目が離せない。
「く、...っ、射精る...っ、...ん......ッ」
ぶるりと身体を震わせた光悦が、2、3度腰を前後すると進の頭を優しく撫でる。
「ん、んん゛っ...こ...えつ、さま゛ぁ...も、我慢れきな...っ♡」
細かく身体を痙攣させ、涙を流す進の耳に、光悦が形のいい唇を寄せた。
「...いい子だったね...、イっていいよ...
アヤト...」
「!は、...ぁっ、~~~~~♡♡」
大きく身体を波打たせ、布団の上に精子を勢い良くぶちまけたかと思いきや、ぐるりと上を向いたまま意識を飛ばす。
相変わらず、すげぇイき方だ...。
霞む視界の中、呑気にそんなことを思っていると「...抜くね」と言う声に、微かに身体が反応する。
「すげぇ出た...」
イった後布団に倒れ込み、俺に抱きつきながら着々とキスマークを増やしていた黒田が、思い出したかのように口にした。
「んぁ...っ♡」
ずりゅ、と音を立てて抜かれれば、後ろはぱっくりと口を開けたまま呼吸に合わせて開閉を繰り返す。
「はぁ、はぁ...お尻...ほんとに戻らなくなったら...どーしよ...」
「ふふ...そうしたら一生オレが栓しててあげようか?」
「...ばか...」
自身からゴムを外し、キュッと口を結んだ黒田は、笑顔を浮かべたまま汗で張り付いた俺の髪を指で退かしてくれた。
あ...、綺麗な顔...。
頭や頬を撫でる心地良さに、自然と瞼が下がっていく。
身体が酷く重くて...眠い.....。
「おーい、シンくん起きて。自分で汚したものは舐めて綺麗にしろっていつも言ってるだろ?」
眠りの世界へ入る1歩手前で、光悦の声が室内に響き現実世界へと引き戻される。
ぺちぺち頬を叩き無理矢理進を起こせば、光悦は布団の上に出された精子を指さした。
「「...うわぁ...」」
「おいおい、椿も鏡夜もそんな引いた顔すんなよ。シンくんだって喜んでるだろ、ほら」
「ぁ、...すみませ...俺トんでしまって...、今綺麗にします...」
これは......喜んでいるのか?
見る限り喜んでいるようには見えないが。
「...あ...。ゴム外す時にお前の汁手についたんだけど、舐めろ」
「!はい...っ♡光悦さま...、失礼します...♡んっ、ちゅ...♡」
喜んでいるな。
「鏡夜、眠たいだろうけど風呂入りに行こう。汗流さないとお互いに眠れないでしょ?」
...確かに。
正直面倒だが、汗や体液で汚れた状態では布団に入ることすら憚られる。
乱れた浴衣を脱ぎ捨てた彼に連れられ寝室の障子を開けると、そこには客室の露天風呂とは思えない程、大きな風呂が姿を現した。
「こ、光悦さま...それは捨てられてしまうのですか...?」
「精子?捨てるけど...ああ、そう言えばお前、さっき僕の精子が欲しいとか言ってたっけ」
目の前にぶら下げられたゴムに溜まる白濁とした液に、進の目は釘付けになっている。
「は...はい...っ♡」
「変態を飼うって言うのも手がかかるな...、一滴も零すなよ」
「!...あ...、ぁ...♡」
ゴムから滴り落ちる光悦の精子を口腔で受けとめた進は、嬉しそうに頬を染めながら目を細めて笑った。
「んっ、...ありがとう、ございます...。ずっとお慕い申しております、光悦様...♡」
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