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しおりを挟むバンッ!!
「なあ、うるせぇんだけど」
突然、勢いよく開け放たれた襖に全身で驚いた。
快楽に浸っている最中に死ぬほどビックリしたものだから、余韻も何もあったもんじゃない。
バクバクと飛び跳ねる心臓を落ち着かせるべく肺に沢山の空気を取り込み、声の方へ視線を投げかけると、眠そうに目を擦る光悦の姿があった。
「...取り込み中だよ」
低く呟き、腕までずり落ちた浴衣を肩にかけ直した黒田も多少なりとも驚いたのか、中では少し柔らかくなってしまっている。
「お前ね...人が寝てる隣の部屋でセックスするんじゃないよ...」
「大体こっちはセックスするつもりで旅行に来てんだ。寝たいなら自分の部屋に戻ればいい話だろ」
!
俺だけじゃなく、椿さんも俺とする気だったんだ...
ちょっと嬉しい。
「いや、まあそうだけど。普通他人が居たら我慢すんだろ...」
光悦らしからぬ正論を吐き捨てて、静かに襖が閉められた。
「鏡夜、オレまだイってないから動いていい?」
「えっ、ぅあ...♡あぁん...っ♡」
何事も無かったかのように、ゆっくりと腰をグラインドさせる彼が再び覆いかぶさり俺の髪に鼻を埋めると
「まだヤる気...?」
またしても光悦が襖を開ける。
「光悦...、気が散る。中折れしたらどうしてくれるんだよ」
「お前のは中折れしないだろ、屈強ち〇こめ...」
乱れた浴衣のまま頭を搔く光悦。
その奥には、顔を赤くしながら股間を抑える進が座っている。
「オレらの邪魔してないで、さっさと寝とけ」
「こんな中で眠れるか。ったく...、あんな可愛い声聞いたせいでめちゃくちゃエロい夢見たんだぞ...」
どうしてくれるんだよ、そう言う光悦の下半身は確かに少し膨らんでいて...
思わず喉をゴクリと鳴らした。
「あれ...?どうしたの鏡夜、物欲しそうな目で見て。また僕に口の中虐められたくなった...?」
「!!」
「..........そうなの?オレだけじゃ物足りない?」
怖い怖い。
黒田がめちゃくちゃ怒っているのを見て、慌てて視線を戻し何度も頭を横に振った。
「残念、鏡夜の口ん中に精子ぶっかけてやろうと思ったのに。抜いてない分、今ならめちゃくちゃ濃い精子出るよ...飲ませてやろうか、鏡夜...♡」
「......やめろ。勃ってんなら抜いてもらえば?お前ご自慢のペットに」
肩越しに吐き捨てるように呟いた黒田の視線の先には、身体の熱を持て余した進がいる。
主人の許しが出るまでそこを動かず、ただただペタンと座ったままの進だったが、瞳には微かに「光悦に触れてもらえるかもしれない」と言う淡い期待の色が見え隠れしていた。
「...ふむ...、この際スッキリして眠れればいいし、贅沢は言ってらんねぇか......シン」
「は、はい...!」
部屋の真ん中に敷かれた布団へどっかりと座り直した光悦の元に、進は素早く移動して頭を下げる。
「服、全部脱いで」
「...全部、ですか...?こ、光悦様にご奉仕させていただくのは俺なので、俺の服は」
先程まで温泉で裸の付き合いをしていたとは言え、肌を晒すのには抵抗があるらしい。
それもそのはずだ。
今から進は、自分の主人以外にも痴態を晒すこととなるのだから。
「犬に服なんて必要ないだろ。もたもたしてないでさっさと全部脱げよ、ノロマ」
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