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しおりを挟む「こうしてると、鏡夜の匂いだけでイっちゃいそう...」
囁きながら腰をぐっ、と押し付ける彼に応えるかのように内壁が締まると、頭上で熱い吐息を零した。
「は...ぁ、きつ...、もう動いていい...?鏡夜の中に射精したい...」
「ぁ、っ...♡」
下腹部から聞こえる粘膜が擦れる音に肌が粟立つ。
「声、出ちゃ...」
「ん...っかわいい声、聞かせて...?」
触れ合った肌が、汗でしっとりしている。
酸素が薄い状態で、ゆっくりと腰を揺らしだした彼に暗闇の中で目を見開いた。
ぐちゅ、ぐちゅといやらしい音を奏でる水音は、ローションではなく自分の腸液の音だ。
布団の中だと余計に音が響いて、恥ずかしさが襲う。
唇を噛み、縛られた両腕で彼の手首を掴んでは、無意識のうちに皮膚へ爪を立てた。
「ぐ、...っ♡ふ、ぅ...ん♡」
「声我慢してても、鼻から漏れる息が甘いね...、気持ちいい...っ?」
気持ちいい。
いつもみたいな激しいピストンではなく、今日はただひたすらにじっくり、ゆっくり奥をなぶり殺されていく感覚が、俺の思考回路をショートさせる。
おかしくなってしまいそうだった。
柔らかな波が押し寄せるかのように、優しく奥の弱いところを潰し、少し腰を引いてはまた奥を潰す。
「はぁ...っ♡ん゛、んんっ...♡」
気持ちいいけど、もどかしいーーー。
「中、痙攣してる...物足りなさそうに締め付けて...っ、ぁ...」
「っ、... ♡」
彼の言う通り、身体はいつもみたいに激しいピストンを求めていた。
腰を捕まれ、奥を何度も何度も強くこじ開けられたい。
彼の腰と尻の肉がぶつかる度に睾丸が揺れ、込み上げる射精感を堪えながら、必死にシーツへしがみつく俺に
『かわいい』
『大好き』
と甘い言葉を囁きながら、尻を叩き、無遠慮に激しいピストンを施す黒田を知っているからだろうか。
「んっ、んん♡...足り、な...っ♡」
快楽欲しさに自ら腰を揺らせば、彼は鼻で笑いながら動きをピタリと止めてしまう。
布団の中の酸素がどんどん薄くなり、温度は上昇していく一方で
「...どうして欲しいの...?」
大好きな彼の、大好きな匂いに包まれてしまえば、冷静な判断はもはや出来ないであろう。
「...め、て...」
「ん...?」
自分が大変なことを口走ろうとしていることは分かっている。
それでも、もう
「もっと...いじめて...っ、欲し...」
止まらなかった。
「へえ...」
無理矢理組み敷かれ、浴衣を肌蹴させた俺がこんな状況下でいじめて欲しいと口にしたことに、黒田は興奮を隠せない。
ゾクゾクと震えが走り、自然と口が吊り上がる。
「いじめて...?」
抜かずのまま体勢をバックに変更してから、彼は背中にキスを落とした。
「言い方が、なってないな...?」
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