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しおりを挟む殺されては困るが...
「つーかお前、身体の痕ヤバくね...?」
あんな場面見た後だと、こいつの身体が気になって仕方がない...!
どんなギミックでイったんだ...?
触られないで声だけでイくって、普通に考えて不可能だろ...。
「い、痛くねぇの...?」
それほど躾られてるってことか...?
湯船から覗く両方の乳首には銀色のピアスが輝いており、背中に墨を背負うこの男にはどうにも不似合いだ。
こんな冷酷な顔をしておきながら、毎晩の様に光悦のことを思い布団の上で淫らに自分の胸を弄っていたのだと思えば...
「おい聞いてんのか」
「...!あ、悪い...その...乳首にピアスって痛そうだなって思って...」
マジマジ見るのも悪いと思い、目を逸らしながら小さな声で呟けば、進も気まずそうに俯いた。
「...痛くねぇ......好きな人の...所有物って証、だから...」
......絶対光悦に開けられた奴じゃん。
進は想像より、遥かに健気なようだ。
だからなのか。
光悦の言いなりになっている姿や、忠誠を誓う姿を目の当たりにした今、進が光悦に恋心のような感情を抱いていることを考えれば、心が痛くなってくる。
「お前も、あんなフェロモンお化けみたいな恋人がいるなら光悦様に色目使うのやめろよ」
「フェロモンお化けって...椿さんのこと?」
「黒田の他に誰がいる...、人を惑わせるフェロモンを常に撒き散らしやがって...。あんな奴の隣に居るからお前の頭も退化してんだぞ」
サウナの方をちら、と見る進は何やら落ち着かない様子で湯を弄んでいる。
確かに、今日観光している時も黒田に視線が集まって居心地は悪かったが、あんな奴呼ばわりをされる筋合いはない。
「...でも光悦も」
「お前みたいな奴が光悦様のことを気安く呼び捨てにするな!」
...こいつマジでめんどくせぇな。
「光悦の近くにいると、あんたもサイコパスになるぞ」
「ああ?んだてめぇ、やんのか...?」
貴様の痴態を見ている身としては、そんな顔されても全く怖くないぞ...!
触られないで2度も射精する淫乱に負ける気はしない。
「あのさ、...変なこと聞くけど、光悦とはどう言う関係なんだ?」
人の好みをとやかく言うつもりは毛頭ないが、はっきり言って光悦に対する進の忠誠心は度が過ぎているように感じられる。
確かに光悦はいい男だけれど、1人の人間をここまでズブズブに依存させる力があるとは思えないのだが...。
「...、あのお方は俺の主人だ...。これ以上、お前に言うことは無い」
「あ、そうですか...」
赤い表情のまま俯く進に何やら既視感を感じる。
...薄々感じていたが、なんかこの男、俺に似てないか...?
言動といい、このプライド高そうな感じといい、友達いなそうな感じといい...
「...なんか寒気するんだけど、お前変なこと考えてない...?」
ギクッ
「いや、ちょっと俺たち似てるところあるなって...」
「..........はぁ!?俺とお前が!?少なくとも俺はお前ほど馬鹿面じゃない」
......馬鹿面?
今こいつ、俺の美しい顔を貶したのか...?
「こっちは性格の話をしてんだ!俺だってあんたみたいな牛乳してねぇし!」
「牛...っ、!......貧相な身体しやがって、お前抱き心地絶っっ対悪いだろ。は、黒田が不憫だなァ!」
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