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しおりを挟む「お食事はこの後すぐにお持ちいたしますので、それまでどうぞお寛ぎください」
「ありがとうございます」
部屋の扉が閉められると、黒田がゆっくりとこちらを向いた。
「鏡夜...」
「?...椿さ、んんっ」
頭と身体を抱き寄せられ、貪るような口付けを食らう。
くちゅ ちゅ、ちゅっ
「ふ、ぅ...っちょ、っと...ん♡つば...、き...っ♡」
やば...立ってられない...。
黒田の舌が口の中の敏感な粘膜に触れると、身体がゾクゾクする。
歯列をなぞり、上顎を擽り、いやらしく舌を絡めながら俺の尻を揉む彼は、そっと唇を離した。
「...は、...気持ち...。畳の匂いと鏡夜の匂いが混じって...ムラムラする...」
唾液で濡れる唇を舐め、Tシャツの中に指を滑り込ませる。
「う、っ...ぁ...♡」
つつ、と上へ滑る指が腹筋を撫で、胸に到達すると下着がじんわり濡れるのがわかった。
「...椿、さ...待って、俺...汗かいたから...」
「...むしろ興奮するけど」
へ、変態だ...!
広い部屋には畳が張り巡らされ、大きなテーブルに薄型のテレビ、備え付けの冷蔵庫が完備されている。
襖を開けた先が寝室で、今日はここに布団を敷いて眠ることを考えれば、どうにも身体が火照った。
いつもベッドだから、布団の上でえっちすることに特別感を感じてしまうし
それに
部屋には露天風呂までついているではないか...!
一緒にお風呂に入るだけで甘い雰囲気になるのに、露天風呂ときたら...
「鏡夜、もっかい口開けて...」
「ぁ、待って...っ」
「待てない...」
コンコン
自分の体力が持つか心配している最中、部屋の扉を叩く音に身体を硬直させる。
「失礼いたします。お夕食をお持ちいたしました」
「...はい、ありがとうございます」
邪魔が入ったからと言って、そんなに拳を強く握らなくても...。
硬度を持ち始めた自身を隠すようにその場に座り込んだ俺を見て、彼は口角を釣り上げた。
「は~、本当に全部美味しかった...」
「そうだね。貝類なんて久しぶりに食べたよ。...ん?」
夕食後、急須で淹れた玄米茶を飲む黒田が、振動するスマホを覗き込む。
「...菫からだ。あ、見て...きなちゃんとあずちゃんの写真送ってくれたよ」
きなことあずきの世話を頼まれた菫が、仕事終わりにブレブレの写真を送ってきたようだ。
「...躍動感溢れてるな...」
「菫はお芝居以外のセンスは皆無だからね」
「逆にそれも才能か...」
黒田の手からスマホを奪い取り、躍動感溢れる2匹の天使を凝視する。
猫の写真下手くそ選手権でも1人で開催しているのか、本当になんつー写真の下手くそさ...。
「...きなこ、あずき...すぐ帰るからね...」
「...スマホの画面に頬ずりしてる姿も可愛いな...。
鏡夜...煙草1本吸ったら、大浴場行ってみない?」
あ、あれ?
個室露天風呂じゃなく、大浴場...?
椿さんなら絶対、他の男に裸見せちゃだめ!って言うと思ったのに。
「...嫌ならいいんだけど」
「い、いやじゃない!行こ、大浴場...!」
大浴場っていちゃいちゃ出来ないし、何よりパイパンでつるつるな下半身を死守しなくてはならないけれど、せっかく来たのだからここは腹を括って...!
「ん、じゃあ吸い終わるまで少し待ってて」
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