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しおりを挟む何故か用意されていたレースのニーハイソックス。
柔らかく、光沢のある生地で自身を覆う下着は腰元にフリルがあしらわれ、フロントの中央部にキラキラと輝くチャームがぶら下がっている。いわずもがな、後ろは細い紐。
少しの風で舞い上がってしまう程の柔らかなシフォン生地に、白の上品なレースやスワロフスキーのビジューがふんだん且つ、いたるところに散りばめられたベビードールを身に纏う。
白い肌を透けさせるレース
吸い付くような肌触りの生地
ため息が出る程の美しさ
姿見の前でくるりと回れば、風に揺蕩うレースの隙間から小さな布に収まった自身と、隠す気がない尻が露になった。
胸部分の生地にはご丁寧に切込みまで入っており、サイドと中央のリボンをそれぞれ蝶々結びすることによりパックリと空いた隙間から薄桃色の乳首が...
「っ...卑猥すぎる...」
これではどうぞ舐めてください♡と言っているようなもんだぞ...!!
ヴェールの付け方もよく分かんねぇし、ニーハイソックスって...30の男が履く様なものでは無いことだけはわかる。
「...こんなもんでいいのかな...」
改めて身嗜みを整え、深呼吸をしてから寝室の扉を開けた。
「は、恥ずかしいから...目...閉じて...」
「ふふ...、待ちきれないな...」
ベッドの上でタキシードに身を包んだ彼が薄く笑う。
グレーのシックなタキシードに、ブラックのタイ、中には同色のベストを着用していた。
スラリと伸びた身長、長い手足を包み込む上質な布地。
月明かりの差し込む一室で目を瞑る彼は、あまりにも美しくて...絵画のようだった。
小さな音を奏でながら天蓋のレースを掻き分ける。
「...」
彼の太腿に跨り、緊張で冷えた手で頬を包めば、そっと口にした。
「...開けて...」
伏せられていた睫毛がゆっくりと持ち上がり、月明かりを帯びてキラキラとした瞳にヴェールを被った俺の姿が映し出された。
「ああ......すごく、綺麗だね...」
それはこちらの台詞だ、と言いたい気持ちをグッと堪える。
「ん...ふ...」
ヴェールに手を掛けた彼が、ゆっくりとそれを持ち上げ俺の頭を引き寄せたと同時に深い口付けを施した。
舌同士がねちっこく絡み合い、何度も何度も角度を変えて唇が合わさる。
どちらとともなく鼻から漏れる甘い声、どちらの唾液かも分からないまま歯列をなぞり、上顎を擽り、舌に歯を立て、ちうと吸った。
「はっ、ぅ...んん♡」
こんなキスするの、久しぶりだ。
気持ちいい...。
「...ん、もっとよく見せて...」
名残惜しくも唇が離れてしまったが、そのままベッドに押し倒されれば視界が彼でいっぱいになる。
ふわりと舞うレースが一々美しい。
「鏡夜...」
儚い肩幅や白い肌、細身な割に太腿やお尻には柔らかな肉が程よくついている。
キスだけで硬くしてしまった自身を隠したいのか恥ずかしそうに脚を動かすが、小さな下着を押し上げるばかりで一切隠れることは無い。
美しいが卑猥な衣装を身に纏い、頬を染める俺を見て、彼はギラリと目を光らせた。
「...綺麗過ぎてため息が出てしまうね...」
「...おれ、綺麗...?」
「綺麗だよ...今まで見てきたものの中で1番綺麗で、儚い...」
余裕無さ気に口角を吊り上げた彼は、俺の太ももに手を掛けた。
「綺麗だからこそ、汚したくなる...」
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