秘めやかな色欲

おもち

文字の大きさ
上 下
174 / 312

174

しおりを挟む

何故か用意されていたレースのニーハイソックス。

柔らかく、光沢のある生地で自身を覆う下着は腰元にフリルがあしらわれ、フロントの中央部にキラキラと輝くチャームがぶら下がっている。いわずもがな、後ろは細い紐。

少しの風で舞い上がってしまう程の柔らかなシフォン生地に、白の上品なレースやスワロフスキーのビジューがふんだん且つ、いたるところに散りばめられたベビードールを身に纏う。

白い肌を透けさせるレース

吸い付くような肌触りの生地

ため息が出る程の美しさ

姿見の前でくるりと回れば、風に揺蕩うレースの隙間から小さな布に収まった自身と、隠す気がない尻が露になった。

胸部分の生地にはご丁寧に切込みまで入っており、サイドと中央のリボンをそれぞれ蝶々結びすることによりパックリと空いた隙間から薄桃色の乳首が...

「っ...卑猥すぎる...」

これではどうぞ舐めてください♡と言っているようなもんだぞ...!!

ヴェールの付け方もよく分かんねぇし、ニーハイソックスって...30の男が履く様なものでは無いことだけはわかる。


「...こんなもんでいいのかな...」

改めて身嗜みを整え、深呼吸をしてから寝室の扉を開けた。

「は、恥ずかしいから...目...閉じて...」

「ふふ...、待ちきれないな...」

ベッドの上でタキシードに身を包んだ彼が薄く笑う。

グレーのシックなタキシードに、ブラックのタイ、中には同色のベストを着用していた。

スラリと伸びた身長、長い手足を包み込む上質な布地。
月明かりの差し込む一室で目を瞑る彼は、あまりにも美しくて...絵画のようだった。

小さな音を奏でながら天蓋のレースを掻き分ける。

「...」

彼の太腿に跨り、緊張で冷えた手で頬を包めば、そっと口にした。

「...開けて...」

伏せられていた睫毛がゆっくりと持ち上がり、月明かりを帯びてキラキラとした瞳にヴェールを被った俺の姿が映し出された。


「ああ......すごく、綺麗だね...」

それはこちらの台詞だ、と言いたい気持ちをグッと堪える。

「ん...ふ...」

ヴェールに手を掛けた彼が、ゆっくりとそれを持ち上げ俺の頭を引き寄せたと同時に深い口付けを施した。

舌同士がねちっこく絡み合い、何度も何度も角度を変えて唇が合わさる。
どちらとともなく鼻から漏れる甘い声、どちらの唾液かも分からないまま歯列をなぞり、上顎を擽り、舌に歯を立て、ちうと吸った。

「はっ、ぅ...んん♡」

こんなキスするの、久しぶりだ。

気持ちいい...。

「...ん、もっとよく見せて...」

名残惜しくも唇が離れてしまったが、そのままベッドに押し倒されれば視界が彼でいっぱいになる。

ふわりと舞うレースが一々美しい。

「鏡夜...」

儚い肩幅や白い肌、細身な割に太腿やお尻には柔らかな肉が程よくついている。

キスだけで硬くしてしまった自身を隠したいのか恥ずかしそうに脚を動かすが、小さな下着を押し上げるばかりで一切隠れることは無い。

美しいが卑猥な衣装を身に纏い、頬を染める俺を見て、彼はギラリと目を光らせた。

「...綺麗過ぎてため息が出てしまうね...」

「...おれ、綺麗...?」

「綺麗だよ...今まで見てきたものの中で1番綺麗で、儚い...」

余裕無さ気に口角を吊り上げた彼は、俺の太ももに手を掛けた。

「綺麗だからこそ、汚したくなる...」

しおりを挟む
感想 87

あなたにおすすめの小説

小さなことから〜露出〜えみ〜

サイコロ
恋愛
私の露出… 毎日更新していこうと思います よろしくおねがいします 感想等お待ちしております 取り入れて欲しい内容なども 書いてくださいね よりみなさんにお近く 考えやすく

病気になって芸能界から消えたアイドル。退院し、復学先の高校には昔の仕事仲間が居たけれど、彼女は俺だと気付かない

月島日向
ライト文芸
俺、日生遼、本名、竹中祐は2年前に病に倒れた。 人気絶頂だった『Cherry’s』のリーダーをやめた。 2年間の闘病生活に一区切りし、久しぶりに高校に通うことになった。けど、誰も俺の事を元アイドルだとは思わない。薬で細くなった手足。そんな細身の体にアンバランスなムーンフェイス(薬の副作用で顔だけが大きくなる事) 。 誰も俺に気付いてはくれない。そう。 2年間、連絡をくれ続け、俺が無視してきた彼女さえも。 もう、全部どうでもよく感じた。

催眠アプリ(???)

あずき
BL
俺の性癖を詰め込んだバカみたいな小説です() 暖かい目で見てね☆(((殴殴殴

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

塾の先生を舐めてはいけません(性的な意味で)

ベータヴィレッジ 現実沈殿村落
BL
個別指導塾で講師のアルバイトを始めたが、妙にスキンシップ多めで懐いてくる生徒がいた。 そしてやがてその生徒の行為はエスカレートし、ついに一線を超えてくる――。

身体検査

RIKUTO
BL
次世代優生保護法。この世界の日本は、最適な遺伝子を残し、日本民族の優秀さを維持するとの目的で、 選ばれた青少年たちの体を徹底的に検査する。厳正な検査だというが、異常なほどに性器と排泄器の検査をするのである。それに選ばれたとある少年の全記録。

ヤンデレBL作品集

みるきぃ
BL
主にヤンデレ攻めを中心としたBL作品集となっています。

双葉病院小児病棟

moa
キャラ文芸
ここは双葉病院小児病棟。 病気と闘う子供たち、その病気を治すお医者さんたちの物語。 この双葉病院小児病棟には重い病気から身近な病気、たくさんの幅広い病気の子供たちが入院してきます。 すぐに治って退院していく子もいればそうでない子もいる。 メンタル面のケアも大事になってくる。 当病院は親の付き添いありでの入院は禁止とされています。 親がいると子供たちは甘えてしまうため、あえて離して治療するという方針。 【集中して治療をして早く治す】 それがこの病院のモットーです。 ※この物語はフィクションです。 実際の病院、治療とは異なることもあると思いますが暖かい目で見ていただけると幸いです。

処理中です...