150 / 312
150
しおりを挟む下着って言った?
「!!」
俺しか気付いてないだろうし...って、貴様が気付いてたら皆気づくだろうが!!
急いで教員トイレに駆け込み、鏡の前でくるりと後ろを向いてみる。
「...うそー...わかるかなぁ...」
階段とか登ったら危ないかもしれないけど、普通にしていれば全然分からない。
そこにあるのは美しい小尻だけだ。
確かに今日穿いている下着も尻肉がはみ出てしまう程の極小サイズだが、生地も薄いのに...。
「うーん...」
はったりか...?
いやでも、普通に考えて見えてなかったら言わないよな...。
今度からはボクサーパンツにすることも検討した方がいいのかもしれない。
しかし...こんなに魅力的で綺麗な身体をしてるのにボクサーパンツとは...華もなければ色気もない。
黒田とベッドinしてボクサーパンツ姿の俺を見たら彼はショックで寝込むだろうな。
お気に入りのショーツもあんなにあるのに...
「あ、碓氷くん。お疲れさま」
「っ...おつかれさまです...」
突然職員トイレのドアを開けた姫神に大袈裟な程に驚く。
なんつータイミングでここに来てんだ。
「いや~、今日は暑いですね。花壇の植物に水をあげてたら汗かいちゃった」
歳の割に無邪気な顔で笑う姫神は、手と顔を洗う。
「...先程神崎が貴方の元に走っていくのを見ました。貴方のことをよっぽど慕っておられるんですね」
「へっ...!?あ、まぁ...そうだね...。神崎は凄くいい子だから...私もつい甘やかしてしまう」
いい子...?それは貴方の前だけだろう。
俺の前では小憎たらしいクソガキ以外の何者でもない。
「それにほら...カッコイイし...」
「.........はい?」
「えっ、カッコよくない!?あんなに綺麗な顔して、声も低くて、他の同い歳の子に比べたら落ち着いてて...!」
......尋常じゃないくらい顔が赤いんだが。
あやしい。
「若王子先生とどっちがカッコイイですか?」
ふざけた質問に目を見開いたかと思えば、あたふたとおかしな行動を取り始めた。
「あ、え...あの...っ」
洗面台を拭きながら動揺を隠す彼は顔だけではなく首までも赤く染めている。
なんて言えばいいか必死に考えているのだろう。
洗面台だけでなく鏡まで拭きだしたものだから、変な質問をしたことに対して罪悪感すら生まれた。
「...、どっちも...同じくらいかっこいいよ...?甲乙なんかつけられない...」
「......」
視野を広げて見れば分かるのだが
根本的に違っていたのかもしれない。
「は...恥ずかしい...っ、なんでこんな話してるんだろ...」
姫神は若王子だけでなく、神崎ともデキているのではなかろうか。
まさかとは思うが、姫神は三角関係の真ん中の人物だったりして...。
「なんだか、若王子先生と神崎に好意寄せられて大変そうですね」
「っ...!!」
なんて
流石にそれはないか。
アホらしい。
「あの...、やっぱり...分かっちゃうかな?...碓氷くん、周りには内緒にしてね...?」
......ああ、マジかよ。
しかも嘘を吐いたり誤魔化すこともしない。
俺の目の前にいるこの男は、のほほんとしておきながら2人の男を誑らかす小悪魔だったってわけか...。
「...他の人にバラすなんて、そんなことしませんよ。その代わりと言ってはなんですが姫神先生、貴方にしか頼めないことがあります」
「な、なんでしょう...」
子犬のように震える小動物姫神は、目を潤ませている。
これが男2人から溺愛される35歳の顔か...、確かに愛くるしい。
「俺の下着が透けてるか見てくれませんか」
10
お気に入りに追加
853
あなたにおすすめの小説
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
病気になって芸能界から消えたアイドル。退院し、復学先の高校には昔の仕事仲間が居たけれど、彼女は俺だと気付かない
月島日向
ライト文芸
俺、日生遼、本名、竹中祐は2年前に病に倒れた。
人気絶頂だった『Cherry’s』のリーダーをやめた。
2年間の闘病生活に一区切りし、久しぶりに高校に通うことになった。けど、誰も俺の事を元アイドルだとは思わない。薬で細くなった手足。そんな細身の体にアンバランスなムーンフェイス(薬の副作用で顔だけが大きくなる事)
。
誰も俺に気付いてはくれない。そう。
2年間、連絡をくれ続け、俺が無視してきた彼女さえも。
もう、全部どうでもよく感じた。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
塾の先生を舐めてはいけません(性的な意味で)
ベータヴィレッジ 現実沈殿村落
BL
個別指導塾で講師のアルバイトを始めたが、妙にスキンシップ多めで懐いてくる生徒がいた。
そしてやがてその生徒の行為はエスカレートし、ついに一線を超えてくる――。
身体検査
RIKUTO
BL
次世代優生保護法。この世界の日本は、最適な遺伝子を残し、日本民族の優秀さを維持するとの目的で、
選ばれた青少年たちの体を徹底的に検査する。厳正な検査だというが、異常なほどに性器と排泄器の検査をするのである。それに選ばれたとある少年の全記録。
双葉病院小児病棟
moa
キャラ文芸
ここは双葉病院小児病棟。
病気と闘う子供たち、その病気を治すお医者さんたちの物語。
この双葉病院小児病棟には重い病気から身近な病気、たくさんの幅広い病気の子供たちが入院してきます。
すぐに治って退院していく子もいればそうでない子もいる。
メンタル面のケアも大事になってくる。
当病院は親の付き添いありでの入院は禁止とされています。
親がいると子供たちは甘えてしまうため、あえて離して治療するという方針。
【集中して治療をして早く治す】
それがこの病院のモットーです。
※この物語はフィクションです。
実際の病院、治療とは異なることもあると思いますが暖かい目で見ていただけると幸いです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる