秘めやかな色欲

おもち

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下着って言った?

「!!」

俺しか気付いてないだろうし...って、貴様が気付いてたら皆気づくだろうが!!


急いで教員トイレに駆け込み、鏡の前でくるりと後ろを向いてみる。

「...うそー...わかるかなぁ...」

階段とか登ったら危ないかもしれないけど、普通にしていれば全然分からない。
そこにあるのは美しい小尻だけだ。

確かに今日穿いている下着も尻肉がはみ出てしまう程の極小サイズだが、生地も薄いのに...。

「うーん...」

はったりか...?
いやでも、普通に考えて見えてなかったら言わないよな...。

今度からはボクサーパンツにすることも検討した方がいいのかもしれない。

しかし...こんなに魅力的で綺麗な身体をしてるのにボクサーパンツとは...華もなければ色気もない。

黒田とベッドinしてボクサーパンツ姿の俺を見たら彼はショックで寝込むだろうな。
お気に入りのショーツもあんなにあるのに...


「あ、碓氷くん。お疲れさま」

「っ...おつかれさまです...」

突然職員トイレのドアを開けた姫神に大袈裟な程に驚く。
なんつータイミングでここに来てんだ。

「いや~、今日は暑いですね。花壇の植物に水をあげてたら汗かいちゃった」

歳の割に無邪気な顔で笑う姫神は、手と顔を洗う。

「...先程神崎が貴方の元に走っていくのを見ました。貴方のことをよっぽど慕っておられるんですね」

「へっ...!?あ、まぁ...そうだね...。神崎は凄くいい子だから...私もつい甘やかしてしまう」

いい子...?それは貴方の前だけだろう。
俺の前では小憎たらしいクソガキ以外の何者でもない。

「それにほら...カッコイイし...」





「.........はい?」

「えっ、カッコよくない!?あんなに綺麗な顔して、声も低くて、他の同い歳の子に比べたら落ち着いてて...!」

......尋常じゃないくらい顔が赤いんだが。

あやしい。


「若王子先生とどっちがカッコイイですか?」

ふざけた質問に目を見開いたかと思えば、あたふたとおかしな行動を取り始めた。

「あ、え...あの...っ」

洗面台を拭きながら動揺を隠す彼は顔だけではなく首までも赤く染めている。
なんて言えばいいか必死に考えているのだろう。

洗面台だけでなく鏡まで拭きだしたものだから、変な質問をしたことに対して罪悪感すら生まれた。

「...、どっちも...同じくらいかっこいいよ...?甲乙なんかつけられない...」

「......」


視野を広げて見れば分かるのだが

根本的に違っていたのかもしれない。

「は...恥ずかしい...っ、なんでこんな話してるんだろ...」

姫神は若王子だけでなく、神崎ともデキているのではなかろうか。

まさかとは思うが、姫神は三角関係の真ん中の人物だったりして...。

「なんだか、若王子先生と神崎に好意寄せられて大変そうですね」

「っ...!!」

なんて

流石にそれはないか。
アホらしい。

「あの...、やっぱり...分かっちゃうかな?...碓氷くん、周りには内緒にしてね...?」

......ああ、マジかよ。
しかも嘘を吐いたり誤魔化すこともしない。

俺の目の前にいるこの男は、のほほんとしておきながら2人の男をたぶらかす小悪魔だったってわけか...。

「...他の人にバラすなんて、そんなことしませんよ。その代わりと言ってはなんですが姫神先生、貴方にしか頼めないことがあります」

「な、なんでしょう...」

子犬のように震える小動物姫神は、目を潤ませている。
これが男2人から溺愛される35歳の顔か...、確かに愛くるしい。

「俺の下着が透けてるか見てくれませんか」
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