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しおりを挟む「今日、若王子先生と何話してたの?」
「...別に、しょうもないことだけど」
家に着いて早々、休む間もなく夕食を作り2人で食卓を囲んだ。
その頃からお互い重苦しい空気を発していた。
俺は黒田が女性教員に軽々しく触らせ、職員会議の後もしつこく食事に誘われていたことに憤りを感じている。
断ったことに申し訳なさを感じたのだろう。
お人好しの彼は複数の女性教員にお菓子を手渡して黄色い声を上げられていた。
そんな些細なことにもムカついて、素っ気ない態度をとってしまう。
「しょうもないことで君は赤面するの?」
それでも、至福の時であるバスタイムにまで重い空気を持ち込むのはよして欲しい。
ドライフラワーが練り込まれたバスボムを入れた浴槽には、無数の花びらが浮かんでいる。
いい香りがして、温かくて、気持ちがいいのに
この空気が最悪過ぎる!
「赤面なんてしてない。修学旅行の下見の話をされたんだよ...、面倒ですねって」
背後から俺を抱き締める大きな身体がピクリと反応する。
「あんたも女性教員と楽しそうにお話してたんだから、おあいこだろ。...熱いから先出る...」
彼の拘束から逃れようとバスタブに手をかければ、黒田の低い声が背後から聞こえてきた。
「そうだね。でもオレが約束破られることと嘘つかれること嫌いだって...鏡夜も知ってるでしょ」
ゾクリと肌が粟立つ程の低い声音に、思わず振り向く。
冷たい瞳、口元は緩やかな弧を描いているにも関わらず目は全く笑っていない。
わ、めっちゃ怒ってる...。
怒った顔にゾクゾクしながらバスタブを抜け出せば、彼も後に続き湯から上がった。
「し...ってる...けど」
「なら正直に話してくれるかな。このまま口を割らないなら、酷いことしちゃうよ...?」
「ひ、酷いこと...?」
ふちの部分に座るよう促され、おずおずと腰をかける俺は、静かに怒る黒田の顔を見やった。
「ローターを挿入れたまま授業して貰う、とか...?」
「っ、!それは...こまる...」
「.........」
無言の圧力。
ローターを挿入れたまま授業なんて絶対にいけないことなのに、少しだけ、いいかも...なんて思ってしまう自分に反吐が出る。
光悦も、「椿は怒らせたら怖いよ~」って言ってたし、本気でやられる前に口を割った方が利口なのだろう。
こいつならやり兼ねない。
「色気があるって...その...、い......ぃじわる...したくなるって...言われた...」
「へぇ...?」
その言葉を聞き、シェーバーを手に取った彼は俺の脚を割り開く。
「あっ...」
怪しく光るシェーバーの刃を向けられると、嫌でも頭の中に「去勢」の文字が浮かび上がるではないか。
本来、去勢されるのはヤリチンのはずだ。
俺はヤリチンではない。
「若王子先生にそう言われて嬉しそうにしてたんだ...?」
ぐっ......こんな時だけど怒った顔が、本当にカッコイイ...!
滑らかな肌を滑る無数の雫が排水溝へと流れていく中、彼は恥毛にボディーソープを垂らした。
「ん、っ冷た...♡ぁ、まってくれ...一体なにを...」
「ここの毛、剃って良いって言ったのは君だったろ」
正直セックスした日の記憶はうろ覚えだったため、言動には自信が無い。
しかし、彼のこの発言を聞いた瞬間、俺の脳裏に黒田の押しに負けて剃ることを許可した記憶がぼんやりと蘇る。
「...で、でも!そのシェーバーって先生が髭剃る時に使う奴だし...それで俺の陰毛剃るのは流石に...申し訳ないって言うか...」
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