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しおりを挟む「ほんとだ...!今日はコンタクトなんですか?」
「いや...」
「碓氷先生って眼鏡外すと結構美人ですね。俺は眼鏡なし派だな~」
「俺も!てか、今日は2人とも浴衣でどうしたんすか!?デート!?」
珍しい物でも見るかのような視線を浴びながら、彼らのマシンガントークを真っ向から受ける。
生徒と出会してしまうとは、タイミングが悪かったな...。
自分の立場を忘れ、祭りごときではしゃいでいたことにも、今更ながら羞恥を感じてしまう。
なんと言うべきか、口元に手をあて考えていると、黒田が落ち着いた声音で生徒に話しかけた。
「そうだよ、オレたちデートしてんの」
「「「マジで!?」」」
ぎょっ、としながら黒田の顔を盗み見るが、満更でも無さそうな表情を浮かべている。
「2人って仲良かったんですね...、碓氷先生っておっかないイメージしかなかったんだけど、人間らしいとこ見えたって感じ」
「先生、ところで何持ってるんですか?猫のぬいぐるみ?」
「あっ...、これは...さっき黒田先生が取ってくれて...」
手の内のハチワレ猫をまじまじと見つめる3人は、緩む口元を隠せていない。
「え~、先生可愛いところあるんだ~」
「なんか見え方が変わってくるな」
「こう言うの好きなのすげぇ意外です!なんつーの、ギャップ...?」
好き勝手発言をする彼らを見る黒田の目が、ギラリと光る。
「っ...ぅ...ぁ...!」
唐突に震え出したニップルクリップに、大袈裟な程、身体が反応した。
「碓氷先生?どうしたんですか?」
乳首に微弱な振動を与えられると、腰の奥が疼いて仕方がない。
彼らの目の前で胸を抑え、眉尻を下げながら眉間にシワを刻む。
「はっ、...」
やば...い、乳首気持ち...
生徒たちに感じているところを見られている。
身体をビクビクと震わせ、顔を赤らめた俺は乳首にニップルクリップを装着し、際どい下着を身に着けているのだ。
そんなことがこの子たちにバレたら...
「先生、本当に大丈夫すか...?」
そう考えるだけで、興奮してしまう自分を恥じた。
「碓氷先生、向こうで俺と休みましょう」
それまで声を発することのなかった、吉野が突然俺の肩を掴んだ。
「んぁ、っ...!」
その拍子に、あまりにも高い声が出てしまい、勢いよく掌で口を覆ったが...時すでに遅し。
生徒たちは驚いた表情を浮かべながら頬を赤らめた。
「大丈夫だよ、オレがついてるから。人混みに酔っちゃったのかな...」
生徒と俺の間にわざとらしく身体を割り込ませ、爽やかな笑顔で彼らを見下ろした黒田だったが、その目は一切笑っていない。
「君たち、遅くならないうちに帰るんだよ」
温和で癒し系だと言われている保険医とは到底思えないくらい、冷たく殺気を放つ瞳だった。
「じゃあ、これ...さっき買ったお水。1口飲んじゃいましたけど、碓氷先生にあげます」
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