秘めやかな色欲

おもち

文字の大きさ
上 下
100 / 312

100

しおりを挟む

「鏡夜、まだ本読んでるの?もう22時半だけど」

空き部屋のソファーベッドで本を読んでいた俺を呼び戻しに来た黒田が、徐に部屋の扉を開ける。

「!...扉開ける時は、一声かけろ...」

「ああ、確かに」

「ったく...」

勢いよく恋愛の参考書を閉じて、たどたどしい動きを見せながら、彼の身体を押し返す。

「...23時になる前に寝るぞ」

「相変わらず日曜日と平日は23時就寝なんだね。あんなに夢中になって、一体なんの本を読んでたの?」

「......秘密」

今日またしても新しい知識を得た。

好きな人を夢中にさせる方法。

それにはどうやら、駆け引き、なるものが大事になってくるらしい。

過度な好き好きアピールはしない。
素っ気ない態度と相手への好意を上手く使い分けつつ、彼に秘密を作ることにより、ミステリアスな自分を演じることができるようだ。

まずは簡単なところから、貴女と彼の間に秘密を作ってみましょう。

なんて。

既にミステリアスで美しい、この世で1番魅力的な俺がそんなことをしてしまったら

「...今度こっそり見るからいいや」

罪...なのでは?

寝室のベッドに腰を掛け、枕元に置いてある猫のぬいぐるみを抱き締めた俺は、ひんやりとしたシーツと掛布団の間に脚を差し込んだ。

黒田の家から学校までとなると少し遠いから、5時50分に目覚ましをかけるか...。

学校に着いたら金曜日の日誌を確認して、教室の掃除して、それから...

ギシッ

「鏡夜」

甘く掠れた声が頭上から降り注ぐ。
俺の上に覆いかぶさった黒田は、いつもより色っぽく見えた。

「...今日はヤらねぇぞ」

以前男漁りをしていた時の不完全燃焼を全く感じさせない黒田と毎晩毎晩セックスをしていたら、身体がいくつあっても足りない。

これも駆け引きの1つ。

飴と鞭を使い分けて、従順な番犬にしてやる...!

「明日...たっぷり可愛がってやるから、今日はいい子でおねんねしような...?」

彼の頬に指を滑らせ妖艶な笑みを浮かべると、案の定黒田はゴクリと喉を鳴らす。

よし、よしよし、いいぞ。
いつも相手のペースに流されてばっかりだから、徐々に主導権を俺に移していかないと...。

「...いい子で寝るんだけど...そうじゃなくて」

「?なんだよ」

チラッ

「!?」

「一応下着、穿いた。見たかったんでしょ...?」

パジャマのズボンからチラリと覗く綺麗な太腿と、黒の、ビキニブリーフ...。

彼のTシャツを無理やり捲り上げ、腹筋のカットや下着までを舐めまわすように見つめる。

「やっぱり似合わない...、よね?」

え、えろい...えっちがすぎる。
布面積が少し小さくなるだけであんなに強調されて、筋肉質な太腿の間でぶら下がる黒田のち〇ぽがいつもより美味しそうに見える...!!

...触りたい。
昨日精子を出し切ったはずの玉を揉みしだきながら、ビキニブリーフの上から舐めたい。

「はあ、はあ」

「え、嘘。喋れなくなるくらい興奮してんじゃん...」

亀頭の形も裏筋も、くっきりしててえろい...舐めたい...。
いつもよりもっこりしてて、それで

「満足した?早く寝ないと23時過ぎちゃうから、もう寝ようね。電気も消すよ」

...........え?

半強制的に寝る体勢に入った彼は、俺の身体を背後から抱き締め、直ぐに眠りの世界へ入ってしまった。

寝る前にあんな刺激的なものを見せられたら眠れるはずも無く、結局俺は居候生活の初日から空き部屋のソファーベッドで一夜を過ごすこととなった。
しおりを挟む
感想 87

あなたにおすすめの小説

小さなことから〜露出〜えみ〜

サイコロ
恋愛
私の露出… 毎日更新していこうと思います よろしくおねがいします 感想等お待ちしております 取り入れて欲しい内容なども 書いてくださいね よりみなさんにお近く 考えやすく

病気になって芸能界から消えたアイドル。退院し、復学先の高校には昔の仕事仲間が居たけれど、彼女は俺だと気付かない

月島日向
ライト文芸
俺、日生遼、本名、竹中祐は2年前に病に倒れた。 人気絶頂だった『Cherry’s』のリーダーをやめた。 2年間の闘病生活に一区切りし、久しぶりに高校に通うことになった。けど、誰も俺の事を元アイドルだとは思わない。薬で細くなった手足。そんな細身の体にアンバランスなムーンフェイス(薬の副作用で顔だけが大きくなる事) 。 誰も俺に気付いてはくれない。そう。 2年間、連絡をくれ続け、俺が無視してきた彼女さえも。 もう、全部どうでもよく感じた。

催眠アプリ(???)

あずき
BL
俺の性癖を詰め込んだバカみたいな小説です() 暖かい目で見てね☆(((殴殴殴

ヤンデレBL作品集

みるきぃ
BL
主にヤンデレ攻めを中心としたBL作品集となっています。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

身体検査

RIKUTO
BL
次世代優生保護法。この世界の日本は、最適な遺伝子を残し、日本民族の優秀さを維持するとの目的で、 選ばれた青少年たちの体を徹底的に検査する。厳正な検査だというが、異常なほどに性器と排泄器の検査をするのである。それに選ばれたとある少年の全記録。

塾の先生を舐めてはいけません(性的な意味で)

ベータヴィレッジ 現実沈殿村落
BL
個別指導塾で講師のアルバイトを始めたが、妙にスキンシップ多めで懐いてくる生徒がいた。 そしてやがてその生徒の行為はエスカレートし、ついに一線を超えてくる――。

双葉病院小児病棟

moa
キャラ文芸
ここは双葉病院小児病棟。 病気と闘う子供たち、その病気を治すお医者さんたちの物語。 この双葉病院小児病棟には重い病気から身近な病気、たくさんの幅広い病気の子供たちが入院してきます。 すぐに治って退院していく子もいればそうでない子もいる。 メンタル面のケアも大事になってくる。 当病院は親の付き添いありでの入院は禁止とされています。 親がいると子供たちは甘えてしまうため、あえて離して治療するという方針。 【集中して治療をして早く治す】 それがこの病院のモットーです。 ※この物語はフィクションです。 実際の病院、治療とは異なることもあると思いますが暖かい目で見ていただけると幸いです。

処理中です...