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しおりを挟む「鏡夜、まだ本読んでるの?もう22時半だけど」
空き部屋のソファーベッドで本を読んでいた俺を呼び戻しに来た黒田が、徐に部屋の扉を開ける。
「!...扉開ける時は、一声かけろ...」
「ああ、確かに」
「ったく...」
勢いよく恋愛の参考書を閉じて、たどたどしい動きを見せながら、彼の身体を押し返す。
「...23時になる前に寝るぞ」
「相変わらず日曜日と平日は23時就寝なんだね。あんなに夢中になって、一体なんの本を読んでたの?」
「......秘密」
今日またしても新しい知識を得た。
好きな人を夢中にさせる方法。
それにはどうやら、駆け引き、なるものが大事になってくるらしい。
過度な好き好きアピールはしない。
素っ気ない態度と相手への好意を上手く使い分けつつ、彼に秘密を作ることにより、ミステリアスな自分を演じることができるようだ。
まずは簡単なところから、貴女と彼の間に秘密を作ってみましょう。
なんて。
既にミステリアスで美しい、この世で1番魅力的な俺がそんなことをしてしまったら
「...今度こっそり見るからいいや」
罪...なのでは?
寝室のベッドに腰を掛け、枕元に置いてある猫のぬいぐるみを抱き締めた俺は、ひんやりとしたシーツと掛布団の間に脚を差し込んだ。
黒田の家から学校までとなると少し遠いから、5時50分に目覚ましをかけるか...。
学校に着いたら金曜日の日誌を確認して、教室の掃除して、それから...
ギシッ
「鏡夜」
甘く掠れた声が頭上から降り注ぐ。
俺の上に覆いかぶさった黒田は、いつもより色っぽく見えた。
「...今日はヤらねぇぞ」
以前男漁りをしていた時の不完全燃焼を全く感じさせない黒田と毎晩毎晩セックスをしていたら、身体がいくつあっても足りない。
これも駆け引きの1つ。
飴と鞭を使い分けて、従順な番犬にしてやる...!
「明日...たっぷり可愛がってやるから、今日はいい子でおねんねしような...?」
彼の頬に指を滑らせ妖艶な笑みを浮かべると、案の定黒田はゴクリと喉を鳴らす。
よし、よしよし、いいぞ。
いつも相手のペースに流されてばっかりだから、徐々に主導権を俺に移していかないと...。
「...いい子で寝るんだけど...そうじゃなくて」
「?なんだよ」
チラッ
「!?」
「一応下着、穿いた。見たかったんでしょ...?」
パジャマのズボンからチラリと覗く綺麗な太腿と、黒の、ビキニブリーフ...。
彼のTシャツを無理やり捲り上げ、腹筋のカットや下着までを舐めまわすように見つめる。
「やっぱり似合わない...、よね?」
え、えろい...えっちがすぎる。
布面積が少し小さくなるだけであんなに強調されて、筋肉質な太腿の間でぶら下がる黒田のち〇ぽがいつもより美味しそうに見える...!!
...触りたい。
昨日精子を出し切ったはずの玉を揉みしだきながら、ビキニブリーフの上から舐めたい。
「はあ、はあ」
「え、嘘。喋れなくなるくらい興奮してんじゃん...」
亀頭の形も裏筋も、くっきりしててえろい...舐めたい...。
いつもよりもっこりしてて、それで
「満足した?早く寝ないと23時過ぎちゃうから、もう寝ようね。電気も消すよ」
...........え?
半強制的に寝る体勢に入った彼は、俺の身体を背後から抱き締め、直ぐに眠りの世界へ入ってしまった。
寝る前にあんな刺激的なものを見せられたら眠れるはずも無く、結局俺は居候生活の初日から空き部屋のソファーベッドで一夜を過ごすこととなった。
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