75 / 312
75
しおりを挟むあったけぇ...
すべすべモチモチで、いい匂いがする...。
人の体温って凄い...、今まで誰かにくっつきながら寝ることなんて無かったからかな。
こんなの一生起きれる気がしない。
冬になったら、もっとこの温もりが恋しくなるのだろう。
人肌を知ってしまえば、前のように1人で寝たいとは思うまい。
うっすらと開けた視界に、胸板が映り込む。
ああ、カッコイイ身体...。
筋肉質だけど柔らかな胸に手を添え、胸板に擦り寄れば大きな手が頭を撫でた。
気持ちいい。
前も後ろも温かくて、本当幸せ...
ん?
前も、後ろも?
「おっぱい好き...?」
頭上から降り注ぐ声に、恐る恐る顔を上げれば、光悦が目を細めて笑っていた。
寝ている間に寝室に入り込んだらしい彼は俺の身体を抱き寄せ、額に口付けを落とす。
まずいだろ、この状況。
「朝から可愛い...。まだ椿寝てるし、フェラさせて」
「...ば、か...んなのすぐにバレる...」
「昨日のえっちは、僕にバレてよかったの?高飛車で、気が強くて上品な鏡夜が...あんな艶っぽい声で鳴くなんて知ったらさ」
ゴリ、と太腿に擦れる彼自身に身体を反応させる。
「抱きたくなるでしょ」
「ぁ...や、だめ...」
昨夜穿き替えたばかりのビキニブリーフに手をかける光悦は、俺の耳元に唇を寄せ甘い声で囁いた。
「僕に抱かれたいんだろ...?無茶苦茶にして欲しいって散々言ってたよな?鏡夜が好きなところ沢山擦って、何回でもイかせてあげるよ」
ゾクゾク
もっこりと盛り上がった自身を下着越しに撫で、亀頭を爪先で引っ掻かれれば腰が大きく跳ねる。
「ひっ...ぅ、こ、えつ...そこ触っちゃ...」
「触ったらどうなるの?僕にだけ教えて...、椿には内緒にしておくから...ね?」
ゴンッ
「痛い...」
「お前、死ぬ?」
背後からにょっきり出てきた拳が光悦の頭を殴る。
小気味よい音に目をまん丸くする俺の身体を抱き寄せた黒田は、低い声で囁いた。
「オレの許可なく触んないで」
「鏡夜たすけてー、怖いよー」
懲りなく俺に抱き着く光悦に、眼光を鋭く光らせた黒田が容赦なくベッドから蹴落とすものだから、思わず顔を覆った。
「鏡夜、昨日はよく眠れた?」
何事も無かったかのように笑う黒田に恐怖すら感じる。
こいつ、マジで裏社会の人間じゃね?
「ああ...。えっ、と...ぉはよ...黒田先生」
「おはよ。声が少し掠れてるね、温かいジンジャーレモンティーを淹れようか」
「僕ブラックコーヒーがいいな」
「お前は水」
身体を起こした黒田がTシャツを身に着け先にベッドから降りると、俺の身体に再度毛布を掛ける。
「?」
「光悦、きなちゃんとあずちゃん部屋から出してあげて。あと服、ちゃんと着て」
「んー」
痛む身体を抑えながら寝室から出ていく光悦を目視で確認した後、パジャマを着せられた。
なるほど、俺の身体を見せたくなかった訳ね...。
「足出して」
「ん...」
片膝をつきながら、俺の足にスリッパを履かせようとする黒田の姿にゾクリとする。
フローリングの上を裸足で歩かせまいとする彼の意思が見えるのだ。
俺のことを大事にしてくれているのだと実感する度に、幸福を感じて堪らなくなる。
「はい、どうぞ」
彼の笑顔を見るだけで、胸がドキドキしてしまう。
「...今日もかわいいね」
「...っ」
胸が苦しい。
彼へ寄せる感情が口から出てしまいそうで、その言葉を必死に飲み込んでは、赤くなった顔をぷい、と背けた。
21
お気に入りに追加
853
あなたにおすすめの小説
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
病気になって芸能界から消えたアイドル。退院し、復学先の高校には昔の仕事仲間が居たけれど、彼女は俺だと気付かない
月島日向
ライト文芸
俺、日生遼、本名、竹中祐は2年前に病に倒れた。
人気絶頂だった『Cherry’s』のリーダーをやめた。
2年間の闘病生活に一区切りし、久しぶりに高校に通うことになった。けど、誰も俺の事を元アイドルだとは思わない。薬で細くなった手足。そんな細身の体にアンバランスなムーンフェイス(薬の副作用で顔だけが大きくなる事)
。
誰も俺に気付いてはくれない。そう。
2年間、連絡をくれ続け、俺が無視してきた彼女さえも。
もう、全部どうでもよく感じた。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
身体検査
RIKUTO
BL
次世代優生保護法。この世界の日本は、最適な遺伝子を残し、日本民族の優秀さを維持するとの目的で、
選ばれた青少年たちの体を徹底的に検査する。厳正な検査だというが、異常なほどに性器と排泄器の検査をするのである。それに選ばれたとある少年の全記録。
塾の先生を舐めてはいけません(性的な意味で)
ベータヴィレッジ 現実沈殿村落
BL
個別指導塾で講師のアルバイトを始めたが、妙にスキンシップ多めで懐いてくる生徒がいた。
そしてやがてその生徒の行為はエスカレートし、ついに一線を超えてくる――。
双葉病院小児病棟
moa
キャラ文芸
ここは双葉病院小児病棟。
病気と闘う子供たち、その病気を治すお医者さんたちの物語。
この双葉病院小児病棟には重い病気から身近な病気、たくさんの幅広い病気の子供たちが入院してきます。
すぐに治って退院していく子もいればそうでない子もいる。
メンタル面のケアも大事になってくる。
当病院は親の付き添いありでの入院は禁止とされています。
親がいると子供たちは甘えてしまうため、あえて離して治療するという方針。
【集中して治療をして早く治す】
それがこの病院のモットーです。
※この物語はフィクションです。
実際の病院、治療とは異なることもあると思いますが暖かい目で見ていただけると幸いです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる