秘めやかな色欲

おもち

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あったけぇ...

すべすべモチモチで、いい匂いがする...。

人の体温って凄い...、今まで誰かにくっつきながら寝ることなんて無かったからかな。

こんなの一生起きれる気がしない。

冬になったら、もっとこの温もりが恋しくなるのだろう。

人肌を知ってしまえば、前のように1人で寝たいとは思うまい。

うっすらと開けた視界に、胸板が映り込む。

ああ、カッコイイ身体...。

筋肉質だけど柔らかな胸に手を添え、胸板に擦り寄れば大きな手が頭を撫でた。

気持ちいい。

前も後ろも温かくて、本当幸せ...


ん?


前も、後ろも?

「おっぱい好き...?」

頭上から降り注ぐ声に、恐る恐る顔を上げれば、光悦が目を細めて笑っていた。

寝ている間に寝室に入り込んだらしい彼は俺の身体を抱き寄せ、額に口付けを落とす。

まずいだろ、この状況。

「朝から可愛い...。まだ椿寝てるし、フェラさせて」

「...ば、か...んなのすぐにバレる...」

「昨日のえっちは、僕にバレてよかったの?高飛車で、気が強くて上品な鏡夜が...あんな艶っぽい声で鳴くなんて知ったらさ」

ゴリ、と太腿に擦れる彼自身に身体を反応させる。

「抱きたくなるでしょ」

「ぁ...や、だめ...」

昨夜穿き替えたばかりのビキニブリーフに手をかける光悦は、俺の耳元に唇を寄せ甘い声で囁いた。

「僕に抱かれたいんだろ...?無茶苦茶にして欲しいって散々言ってたよな?鏡夜が好きなところ沢山擦って、何回でもイかせてあげるよ」

ゾクゾク

もっこりと盛り上がった自身を下着越しに撫で、亀頭を爪先で引っ掻かれれば腰が大きく跳ねる。

「ひっ...ぅ、こ、えつ...そこ触っちゃ...」

「触ったらどうなるの?僕にだけ教えて...、椿には内緒にしておくから...ね?」

ゴンッ

「痛い...」

「お前、死ぬ?」

背後からにょっきり出てきた拳が光悦の頭を殴る。
小気味よい音に目をまん丸くする俺の身体を抱き寄せた黒田は、低い声で囁いた。

「オレの許可なく触んないで」

「鏡夜たすけてー、怖いよー」

懲りなく俺に抱き着く光悦に、眼光を鋭く光らせた黒田が容赦なくベッドから蹴落とすものだから、思わず顔を覆った。


「鏡夜、昨日はよく眠れた?」

何事も無かったかのように笑う黒田に恐怖すら感じる。

こいつ、マジで裏社会の人間じゃね?

「ああ...。えっ、と...ぉはよ...黒田先生」

「おはよ。声が少し掠れてるね、温かいジンジャーレモンティーを淹れようか」

「僕ブラックコーヒーがいいな」

「お前は水」

身体を起こした黒田がTシャツを身に着け先にベッドから降りると、俺の身体に再度毛布を掛ける。

「?」

「光悦、きなちゃんとあずちゃん部屋から出してあげて。あと服、ちゃんと着て」

「んー」

痛む身体を抑えながら寝室から出ていく光悦を目視で確認した後、パジャマを着せられた。

なるほど、俺の身体を見せたくなかった訳ね...。

「足出して」

「ん...」

片膝をつきながら、俺の足にスリッパを履かせようとする黒田の姿にゾクリとする。
フローリングの上を裸足で歩かせまいとする彼の意思が見えるのだ。

俺のことを大事にしてくれているのだと実感する度に、幸福を感じて堪らなくなる。


「はい、どうぞ」

彼の笑顔を見るだけで、胸がドキドキしてしまう。

「...今日もかわいいね」

「...っ」

胸が苦しい。

彼へ寄せる感情が口から出てしまいそうで、その言葉を必死に飲み込んでは、赤くなった顔をぷい、と背けた。
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