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しおりを挟む「おやすみ、光悦」
「おやすみ、こうえつ!今日はありがとね~」
笑いながら手を振る俺を見た黒田は、足早にコインパーキングまで向かう。
どんどん小さくなっていくイケメン光悦に名残惜しさを感じつつ、怒る黒田の顔を覗き込んだ。
「お酒の匂いがするね」
「つおいからワイン3口も飲んじゃいました!」
「はあ...」
駐車場代1200円を支払った黒田に、無理矢理車へ押し込まれる。
シートベルトを装着し、車を走行させた彼は少しだけ窓を開けた。
夜風が車内に入り込み、火照った身体を冷やしてくれる。
気持ちいい。
「オレとの約束を破ったことに対して、何か言うことある?」
「うー...浮気じゃないんです...ごめんなさい」
「ま、いいけど」
あれ?案外あっさり許してくれる感じ?
え、嘘、俺のダーリン優しいじゃん。
家まで送ってくれるみたいだし 、電車代も浮いちゃってラッキー!
お家に着いたらシャワー浴びてさっさと寝よっと。
「寝かすと思った?」
「ひぇ...」
俺の家に着くなり半ば強引に部屋に転がり込んだ黒田は、玄関で全ての服を脱がせ、キスマークに気付いては大激怒。
酔いが覚めたタイミングで、身体を隅々まで洗われて現に至る。
天蓋が揺らめく大きなベッドで彼の身体が覆い被されば、流石に自分の置かれている状況がまずいことくらい把握出来るが
「首輪でも着けて監禁しちゃおうかな」
今のこいつなら本当にやり兼ねん。
「大事にしたいから、身体目当てだって勘違いさせたくなかったから我慢してたのに...」
「んっ...」
シースルー且つ、マイクロビキニタイプの下着越しに自身を撫でられ、身体が震える。
「...お仕置き決定」
ゾクリ
冷ややかな目、汚れたものを見るような蔑んだ瞳に身体が熱くなった。
部屋の窓から満月が覗き、白くしなやかな身体が浮かび上がる。
「鏡夜が持ってる玩具、全部出して」
ベッドから降りた彼は自分の鞄をあさり、ドーム型の何かを手に戻ってきた。
「え...?」
「君のファンから貰ったりしてるんでしょ?早く出さないと痛いことするよ」
マジで怒ってんじゃん...。
渋々ベッドの下から箱を取り出し、黒田に献上する。
「...使ったことある奴は?」
「このディルド、くらいかな...他は使い方とかよく分かんないし...」
俺の話を聞いてるのか聞いていないのか、彼は箱からペニスリング付きのエネマグラと先端がハート型になっている鞭、コックリングを取り出した。
ペニスリングの上にコックリングまで着ける気だろうか。
俺の下半身を壊死させようとしてる?
「や...ほんと、ごめんなさい...ただご飯食べに行っただけで...」
ベッドヘッドに枕を立てかけ、凭れ掛かる彼が下着の中から自身を取り出せば、自らにコックリングを装着する。
まだ勃っていないそれには不似合いな金属が、月光で怪しく光った。
「ご飯食べに行くのもダメって言ったよね?」
眠れない時にだけ着けているアイマスクで視界を奪われ、小さく息を飲む。
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