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▼絢斗
んー、来年?
夜さんの写真もちょーだい
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来年とか...、絶対断らせないつもりじゃねぇか。
データフォルダから写真を選びつつ、ぬいぐるみに顔を埋める。
「どーしよ...」
会ってもえっちは出来ない。
でもこの機会を逃せば当分この男とは会えない。
以前の俺なら両手から溢れ返る男に満足していたし、自分から猛アプローチをかけることもなかった。
しかし、だ。
マッチングアプリと言う大量の男が湧いた中で、1年に1度見付けられるか否かと言ったどストライクの男を、逃せるはずが無いだろう。
1回だけでもいいからこの男とセックスがしたい...!
頭を過ぎる恋人(仮)の黒田は俺のことを抱いてくれないんだし、セックスはしないにしてもご尊顔は拝んでおきたい。
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▼夜
えっちなしでご飯だけならいいよ。
絢斗はこう言う下着好き?
※添付ファイル
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期待に膨らむ胸で深呼吸をしてから、ナイトモードに設定したスマホをサイドデスクに置く。
黒田との約束を破ることに罪悪感を覚えたが、向こうが勝手に決めた約束だと自分を正当化してから眠りについた。
バレなきゃ大丈夫。
大丈夫...。
ーーーーーー
ーーーーーーー
絢斗と会えることが楽しみで、会えるまでの日々をカウントしながら過ごしていたら、あっという間に金曜日。
今週は割かし上機嫌で過ごすことが出来た。
プリントの作成や、夏休み前の期末テストの作成がすこぶる捗り絶好調。
楽しみがあるとここまで世界が輝いて見えるものなのか...。
えっちはしないけどしっかりエロい下着も身に着けてるし、擦り寄って色仕掛けして、俺のことを記憶に刻み付けてやる。
黒田との恋人契約期間が終わったら絶対に食ってやるんだから...!
「神崎」
「うわ」
声をかけた瞬間、柱の影に巨体を隠す神崎は嫌そうにこちらを見つめる。
またグチグチ言われるものだと思い込んでいる彼に優しく笑いかければ、眉間にシワを刻んだ。
「気をつけて帰れよ」
「...どうしたの。悪いもんでも食った?」
失礼な奴。
「今日は機嫌がいいんだ」
「え。何、なんかきも...」
本当に失礼な奴。
「それよりこの前のテスト、全教科満点とったって?」
「うん、100点とったら姫神先生がデートしてくれるから」
......ん?
「寝る間も惜しんで勉強した。碓氷先生のテストが難しいことぐらい分かってたけど、予想通り先生の性格がよく現れたテストだったな」
「?何が言いたい」
「性格がひねくれてるってことだよ」
笑いながらディスってんじゃねぇぞ。
つか姫神とデートって本気か...?
課外授業じゃなくて?
まあ、でも課外授業は2人でいかないか。
こう言う時は何か声を掛けてやるべきなのかな...、一応担任なんだから迷惑かけるなよって?
いやいや、おかしくねぇか。
普通教師と生徒、2人で遊びに行ったりするものだっけ...
「あ、姫神先生だ。じゃあ俺行くから」
「え?ああ」
如雨露を抱えた姫神が校庭に見えた瞬間、疾風の如く、その場を立ち去った神崎。
...姫神に超懐いてる犬みたいだな...。
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