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しおりを挟む「星好きなの?」
「うん。黒田先生、ドライブが趣味なんだろ?ドライブがてら...見に行こ」
「わかった。じゃあ明日の夕方、鏡夜の家に迎えに行くよ。家着く頃に連絡するからブロックは解除しておいてね?」
「ん」
なんか、こうやってデートの場所とか決めて家に迎えに来て貰うって、本当のデートみたいだ...。
普通の男女のカップルはこんな感じなんだろうな。
今まで誰かと付き合うなんてしたことなかったし、こんな風に前日から約束してデートらしいことするのも初めてかも...。
前回のも一応デートっぽかったが、ランジェリーショップと星を見に行くのはワクワク感が違う。
少し、楽しみ...。
「楽しみだからって夜更かししちゃダメだよ」
「遠足前日の小学生か」
自分の口から飛び出たツッコミに対して笑った男に、またしても胸がときめいた。
ーーーーーー
「その服、似合うね」
「...そうか?大きすぎる気が...」
降水確率80%、現在大雨。
昨日見た限り降水確率は30%だったにも関わらず、俺の楽しみをまんまとぶち壊しやがった雨は絶対に許さねぇ。
テストの採点も驚異の集中力で終わらせ、17時に帰宅した俺は入浴した後、土曜日の今日に備えて22時には就寝した。
にも関わらず、朝からそれはもう、バケツをひっくり返したんじゃないかって思うレベルの土砂降りだった。
「オーバーサイズで着るのが可愛いんだよ。ほら見て、萌え袖」
「...30の萌え袖なんて誰が喜ぶんだよ」
仕方がないので夕食を済ませてからショッピングモールに赴いたが、早速黒田の着せ替え人形にされている。
「オレかな...、かわいいね」
「...っん、耳元で、喋るな...」
「買ってあげようか」
「い、らない...この前下着、買って貰ったし...」
近すぎる...。
ぐっ、と彼の身体を肘で押し返し距離を取る。
ショッピングモールなんて多くの客がいるんだ。
ノンケの黒田が変な目で見られるのはいたたまれない。
「ね...今日の下着、何?」
「...!!」
セクハラじゃねぇか!
ニヤニヤとらしくもない笑みを浮かべた彼が、俺にしか聞こえない声で耳打ちする。
ゾクリ
「ぼ、ボクサーパンツに決まってんだろ...」
「なーんだ」
身体を離した彼にほっと胸を撫で下ろした。
が
今日の下着はボクサーパンツじゃない。
黒田から買って貰ったどエロい下着を身に着けているのだ。
すっかり期待してしまっている。
あわよくば変態だと罵られたい気持ちさえ持ち合わせている。
「あ、もうそろそろかな」
20時前
黒田の後を着いてエレベーターに乗り込み、ショッピングモールの最上階へ行くと何やら券売機でチケットを購入しはじめた。
映画か?
まあ、男2人で遊ぶとなると映画ぐらいしかないよな。
夜の映画館は嫌いじゃないし...ホラーと恋愛物以外であれば付き合ってやる。
「足元、気を付けて」
薄暗い室内に足を踏み入れると、大きな機械が目に止まった。
ここは
「プラネタリウム...?」
「今日は朝から雨が降っていたからね、事前に予約しといたんだ」
ウロウロしながら席を探す彼が、大きなシートの前で立ち止まる。
「あ、ここだ」
「......」
いやこれ、どう見てもカップルシートじゃねぇか。
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