秘めやかな色欲

おもち

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▼圭太
午後から会議で憂鬱。
早く抱いてあげたいな...。
仕事頑張れるように夜くんのエッチな写真ちょーだい♡
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ワイシャツのボタンを外して前を肌蹴させ、スラックスのファスナーを下げる。

こんなもんか...。

顔が写らないように上の角度から写真を撮れば、「興奮するなよ」と一文を添えてメッセージと写真を送信した。

服装を整えて、他にいい男がいないか物色していると、すぐに男から返信が寄せられる。

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▼圭太
えっろ...普通に勃った...w
それってビキニパンツって奴?
夜くんマジで身体綺麗だよね、全身舐めまわしたい
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当たり前だろ、俺の身体見て勃起しないやつなんかいねぇよ。

スマホを内ポケットにしまい個室から出ようとした瞬間

「ひゃっ!」

開けた扉の隙間から手が差し込まれ甲高い声が喉を突き破った。

「はは、可愛い声」

個室から出る前に無理やり入り込んできたのは、3日間俺を放置した張本人。

いざ本人を目の前にすると、めちゃくちゃ緊張して口から心臓が飛び出そうになった。

バクバクと心臓が高鳴るせいで、酷く息苦しい...あんな声を聞かれたのも恥ずかしくて死にたい。

「なん...ですか...」

「さっき、オレのこと見てたでしょ」

「は?...見てませんよ」

狭い個室に2人の男が入ってるなんて、誰も思うまい。
壁に腕を押さえ付けられ、足と足の間に彼の膝が割り込むと、黒田と身体が密着する。

逃げれないーーー。

「嘘つくなよ...熱っぽい目で見てただろ。何で...?」

「...!!」

近...っ、キス、される...。

顔を逸らしても強く顎を掴まれてしまえば、抵抗出来ない。

無理矢理唇を割って差し込まれた舌に、ぶるりと身体を震わせた。

彼の舌が歯列をなぞり、俺の舌を捕えたかと思うと、優しく吸いながらくちゅくちゅとわざとらしく音をたてる。

やば...口ん中、気持ちいい...

スーツとワイシャツの合間に指を差し込み胸を撫でられれば、ピクンと反応する身体と下半身が恨めしい。

唇が離れる僅かな合間に呼吸を求め、今にも座り込んでしまいそうな程震える脚を支えるべく、必死に彼の白衣に縋り付いた。

「ふぁ、や...め...ッ」

弱々しい抵抗を見せれば、ようやく唇が離れる。

「キス、気持ちいいね...」

袖で口を拭い、黒田の身体をぐっ、と押し返した。

「退け...」

「見てた理由教えてくれたら退いてあげる」

目の前で笑う黒田が俺の腰に手を回すと、微かに消毒液っぽい香りが鼻腔を擽った。

自分勝手な男。

「別に...やっぱりからかわれてたんだなって思っただけだ。もういいだろ、これで」

「からかう?何のことかよく分かんないけど...とりあえず、スマホはちゃんとロックかけた方がいいよ」

は...?スマホ...?

「!てめ、いつの間に...!」

内ポケットに入れておいたスマホが何故か黒田の手の中にあり、画面には先程撮った写真が写し出されていた。

「今日はこの男と会うの?175cm、62キロ...26歳、タチ...顔も中の中、このスペックならオレの方が良くない?」

「ほっとけ、てか勝手に触んな...っ!」

高々と持ち上げられたスマホに手を伸ばすも、僅かな身長差のせいで届かない。

「今日もこんなえろい下着履いちゃって...」

「も、いい加減にっ...、!」

「鏡夜...」

突然ぎゅう、と強く抱き締められ一瞬にして思考が停止する。


マジで何なんだよ...。

宙を彷徨っていた手をダラりと下げ、横目で抱き着く男を見やればため息を吐いた。

何もしてこないかと思った矢先にこんなこと...調子が狂う。

からかってたわけじゃないのか...?

「...わけわかんねぇ」
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