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ブルー
しおりを挟む寝る時も、朝起きてからもピッタリと横をついて離れない神崎。
いつものように冗談を言ったり、私の前で笑うこともなく、今日は多くを口にしない。
昨日言ったことがそんなにも彼を傷付けたのかと心配になり、常に神崎のことを気にかけて見ていた。
が、案の定ただただ上の空状態で、「はぁ」と大きなため息を吐く始末。
机に突っ伏した神崎の周りに群がる女子生徒達は、ブルーな神崎にしつこく理由を探り入れていた。
やれやれ...どうしたものか。
「体調不良か?」
女子生徒を掻き分け頭上から声を投げ掛ければ、それまで突っ伏していた神崎が私の声に反応してゆっくりと顔を上げた。
「せんせ...」
周りの女子生徒がいくら声をかけても起きなかったくせに、私が一言口にしただけで犬のようにしっぽを振る。
従順。
つまんなそうに捌けていく女子生徒を横目で見やった後、彼の席前でしゃがんだ。
「もうホームルームも終わったんだから、帰りなさい」
「うん」
鞄の中に適当に物を詰め込む姿からは、やはりいつもの元気さが感じられない。
私の放った一言で、こんなにも神崎自身を変えてしまうなんて...少しだけ、自分が怖くなった。
「せんせ、あのさ」
「ん?」
「やっぱ...また後で話す。じゃあ帰るわ」
そのまま素っ気なく教室を出て行った神崎の後ろ姿を見詰めながら、心の中でモヤモヤとする感情を必死に押さえ込んだ。
どちらにも甲乙つけ難い状況であることから、決めてしまったことは変えられない。
しかし、彼らに対して特別な感情を抱いていることも確か。
「どうして...2人とも好きになっちゃったんだろ...」
神崎の机にしがみつき、小さな声で呟いた。
ーーーーーーー
「ごめん、我慢できない...」
「は、...亮くん...っ、まだ家着いたばっかで...ぁ...んっ」
仕事終わり、私の家に着いて早々盛った若王子は玄関先で首筋を噛んだ。
やば...噛まれるの気持ちいい...。
ワイシャツのボタンを外し、肌に手を這わせれば身体が大きく撓る。
ヒクヒクと物干しげに蠢くアナルを彼自身が布越しに擦ることにより、膝から崩れ落ちそうになった。
「あっ...、りょ...くん...っ♡」
「胸、舐めて欲しい...?」
「うん...っ♡」
甘い声。
「生で挿入れて、中出ししていい...?」
「、ぅん...♡」
熱い身体。
「かわい...」
「ふ、ぁ...んっ、ちゅ...」
蕩けてしまいそうな程の口付け。
若王子とのセックスは久々だ。
ここは壁が薄いから、声を我慢しないと...。
「政宗、夜飯食っ」
ドンッ、と若王子の身体に神崎がぶつかり、狭い玄関に3人の男が集結した。
「てめぇ...狙ってやってるだろ. ...」
全然穏やかじゃない若王子。
「お前また来てんのかよ...帰れよ...」
全然可愛いらしさを感じさせない神崎。
修羅場は再び訪れる。
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