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言い訳
しおりを挟む「私にあんなことまでして、しかも愛してるなんて言っといて...結局遊びだったのかよ。他の女の人と何しようが関係ないけど、はっきり言って気分悪い」
自分から家に来いって言っておいて、すぐさよなら?
笑わせんな、私がどれだけ君のことを警戒したか、ここ数日でどれだけ自己嫌悪に陥ったか。
あの夜から、どれだけ君のことを考えたかーーー。
爪の先が白くなる程、強く拳を握る。
「もうその気がないなら、私に構わないでくれるかな。」
少し心が傷んだが、スッキリした。
ここ数日、この男や神崎のことで眠れない夜が続いたから、きっと今日はぐっすり眠れる。
若王子のことを意識する必要もない、誰に触られようが、私の自由だ。
「じゃ、帰るから」
彼に背を向けドアノブに手をかけた瞬間、その手を強く掴まれる。
「...せっかく今日は逃がしてやろうと思ったのに...」
背後から、若王子の声とは思えない程、低い声で呟かれた。
「襲って欲しいなら素直にそう言えよ...」
吐息混じりの熱っぽい声。
「ちがっ...!」
耳の軟骨を噛まれれば、身体がピクンと反応してしまう。
耳に触れる熱い吐息、背後から感じる高圧的な雰囲気に振り向くことすら出来ない。
ガチャン
内側の鍵を閉められれば、もう帰さないと言う合図になる。
あれ、待てよ。
普通に帰して貰えたのに、何イライラして口走ってんだ...?
女性と歩いてることに嫉妬して、遊ばれたことに怒って、もう私に構わないでって...完全にやらかした!?
ぐぅ~
あ、お腹...。
「.........飯、食べる?」
「へっ...あ、うん...」
どうやらお腹の音に助けられたらしい。
あのままでは玄関で襲われていたかもしれない。
「おいで」
「お邪魔します...」
リビングに行くと、テーブルの上にはゲーム機や煙草、灰皿が散乱している。
この前来た時はあんなにピカピカだったのに、今日はテーブルの上だけがやたらめったら汚い。
シャツを着た彼は、冷蔵庫にケーキの箱を入れて夜ご飯の準備を始めた。
「シャワー借りていいかな」
「ええ、もちろん」
やることも無いし気まずいし、洗って貰ったばかりの下着を持って早速浴室へ足を運ぶ。
前も思ったけど、広くて綺麗な浴室だ。
服を脱ぎ、頭から熱いシャワーを浴びる。
「ほんと、どうかしてる...」
あのまま、あそこで帰ってれば良かったのに。
そう思ってしまうと、余計に取り返しのつかないことをしてしまった気がしてならない。
小さな呟きはシャワーの音にかき消される。
ただ最近は、禄に眠れていないし、イライラすることも多いし、判断力が鈍っていた。
そういう事にしてしまおう。
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今日で完結です。閲覧、お気に入り本当にありがとうございました。
次作も頑張って書きます。
よろしくおねがいします。
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