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化学準備室
しおりを挟む化学準備室に無理やり押し込まれたかと思うと、貪るようにキスをされる。
腰が抜けてしまいそうな程の激しい口付けに、あんなに鈍感だった私の自身が反応してしまう。
崩れ落ちないよう、彼の長い足が私の太ももに割り入るが、逆に股間をグリグリと刺激してきて辛い。
「あっ、ふぁ、やめ...っ」
「ん...は、...」
化学準備室には不似合いな水音が響き、耳からも犯されている様だった。
ようやく彼の胸を押し返し、手の甲で唇を拭いながら肩で息を整えた私を、彼は冷たい眼差しで見詰めている。
「電気は」
「嘘」
薄々わかってたけど、改めて言われるとはっ倒したくなるな。
少しでも信じてあげた私が馬鹿だった。
「他のやつにベタベタ触らせて、嫉妬させるためにわざとやってんの...?」
耳朶を噛まれ、耳の穴に直接息を吹きかけられる。
「そんなわけ...っ!」
「本当...悪い子だね、姫」
甘く掠れた声。
この声を聞くと若王子との夜を思い出して、後ろが物欲しげにヒクつく。
「これ以上他の奴に触らせたら許さないよ...」
一瞬、ギラりと光った目を見て萎縮してしまう。
それと共に、身体が熱くなるのを感じた。
当の本人は、これ以上誰かと関係を持つのが嫌なのだ。
この前の出来事は酒がはいっていたから起きたことであって、シラフの状態でなら尚更、若王子と身体の関係を続けるつもりは無い。
「若王子くん、君の口から直接聞いてなかったけど、君は私のことが好きなのか...?」
「好き、と言うか」
ほらな。
そんなこったろうと思ったよ。
どうせ男とのセックスに興味を持ったか、ただ単に遊び相手だったのだろう。
「愛してます」
全然遊び相手じゃない!
「凛とした美しいその顔を、涙や苦痛で歪ませたい」
しかも変な願望まである!
「ゴホンッ、この際だからハッキリ言わせてもらうよ。私は誰かと関係を続けるつもりはないんだ。私はバツイチだけど、今でも妻のことが好きだし、幼い娘だっている。この前のは遊びであって、今後君とキスすることも、ああいう行為をすることもない。いいね?」
「バツイチ...余計に美味そうだな...」
おい、聞けよ。
「まあ...何でもいいですけど、いつまでその虚勢が続くか、楽しみにしてます」
妖艶な笑みを浮かべ、石井に撫でられた頬を、今度は彼がひと撫でする。
「次は指より太い棒を貴方のおま〇こに突き刺して、僕がいなきゃ生きていけない身体にしてあげます...」
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