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噛み痕
しおりを挟む「まさかあのまま気絶されるなんて」
にっこり。
陽の光に照らされた若王子は、あまりにも美しくて後光がさす女神のように見えた。
「...ごめんなさい」
目を覚ましたら土曜日の9時。
どうやらあの後、私は気絶。
残された若王子は弄り倒した蜜壷に挿入することすら出来ずに終わったようだ。
バスルームから出てきた彼は笑顔だけど怒ってるみたい...。
頭にタオルを乗せたまま、上裸でベッド横の小さな冷蔵庫からミネラルウォーターを取り出す。
「...シャワー使っていいですよ」
「あ、ありがと」
ベッドから抜け出し、彼の横をさっと通り抜けようとしたが手首を掴まれた。
「...な、なに?」
そのままギュッと胸の中に引き寄せられれば、自然と見つめ合う形になって恥ずかしい。
濡れた髪から雫が落ちて、彼の綺麗な顔を濡らす。
「若王子くん...?んっ!」
ちゅっ、と触れる程度のキスをされたかと思えば、彼は無言でリビングへと戻ってしまった。
なんだか、心臓に悪い。
火照る顔を手で抑えバスルームへ向かった私は、浴室の鏡を見て絶句する。
「なに、これ...噛み痕...?」
これでもかと言う程色んなところに噛み痕がついており、昨夜のことを鮮明に思い出してしまう。
ワイシャツでギリギリ隠れるレベルだろうか。
月曜日までには消えて欲しいが、うっすら内出血している箇所もあり難しそうだ。
取り敢えずシャワーを浴びて、用意してくれた新品の下着に足を通した。
「ちょっと若王子くん、噛み痕!やばいよ!」
「?」
「いや、?じゃなくて!誰かに見られたらどうするの!」
用意してくれたTシャツとズボンを履いてソファーでスマホを弄る彼を叱る。
「ほら!ここ!めっちゃ内出血してる!」
左首を指さすと、どれどれと顔を近づけられ、また同じ箇所を噛まれた。
「あっ!いや、そうじゃなくて!」
「貴方は怒っても可愛いんですね」
こいつ...。
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