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74. 想い
しおりを挟む夜が明け、湯浴みをしたくても、立って歩く事が出来ない状態になったフランは、恥ずかしさで顔を真っ赤に染め、涙目で夫を睨んでいる。
が、睨まれたアルベルトは、そんな顔も可愛いと思い、つい口に出してしまう。
またもや、頭からシーツを被って拗ねてしまった妻。
「フラン。顔を見せてくれよ。俺が悪かった。だから…機嫌直して……。」
クキュルルル……。
彼女は、返事なんてしてあげない!と思っていたのに、お腹が返事をしてしまう。
「もう、やだー。」
恥ずかしすぎて泣きそうになった。
アルベルトは肩を震わせ、くっくっ……と笑っている。
ベルを鳴らして侍女を呼ぶと、食事の用意をするように指示した。
「さ、フラン。食事の用意が終わるまでに湯浴みしよう。それともこの状態のまま、侍女達が部屋に来るけどいいのか?」
ガバッ!と勢い良く、シーツから顔を出すと、「湯浴みするから連れて行って。」と、眼に涙を浮かべてお願いされたアルベルトは、ニヤリと笑う。
そして、シーツごと彼女を横抱きにして浴室に向かったのだが、浴室までの間、啄むように口づけをしてくるから、フランは恥ずかしくて、逃げられるものなら逃げ出したくて仕方なかった。
けれど、『これって恋人同士の遣り取りみたい。』と、密かに喜んでもいた。
「あ……。」
「如何したの?」
「いや、まさかまた劇にされたりするのかと思って…。もし、劇にされたら如何する?」
そんなの決まってる
「悲劇にしないでよね!」
── 完 ──
これにて【完結】となります。
長々とお付き合い(お読み)頂き、ありがとうございました。
最後はバタバタと急いで終わらせた感が……。
おまけに、R18も少なかったような……。
言い訳させて頂くと、連休中、家族がいる横で、流石にR18は書き辛いと言いますか……。
すみません。(´`:)
兎に角、落ち着かない。
真横に来られては(||゜Д゜)ヒィィィ!ヾ
後ろを通られては(・ω・`;)ノぁゎゎ
といった感じでして…はい。
そのうち、お礼がてら番外編でも……。とは思っています。
話が逸れてしまいましたが、しおりやお気に入りして下さった方々も、本当にありがとうございました。
これからも、遊びに来て(読んで)頂けると、嬉しいです。
本当にありがとうございました。(*^-^*)
【 新作紹介!!】
*嵌められた令嬢
*もう、嫌だ!
こちらも、よろしくお願い致します。
*追記
〖それでも…〗の番外編を執筆中です。
以前、感想欄で“ローランドが専属護衛に戻る切欠になったエピソードが読んでみたい”と書いて下さった方が居られたのと、自分だったらどんな風に復帰させるのか興味が湧いて書いてみようと思いました。
番外編、投稿した時はよろしくお願い致します。
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