52 / 76
52. 断罪 ①
しおりを挟む
*少し長いですが、2話に分けられなかったのでそのまま投稿しています。
*言葉使いの悪い登場人物が出てきます。
苦手な方は全力で回避して下さい。読まれる方は自己責任でお願いいたします。
~~~~~
━救出後・王宮内広間━
後ろ手に拘束され、跪かされている兄上。父上は苦虫を噛み潰したような顔でそれを見ている。
この後の状況如何では、国王と雖も、元兄上と連座させねばならない。
今はまだ玉座に座っている父上いや、国王が審判が終わった後も玉座にいるとは限らない。
王妃である母上は、元兄上が捕縛されたと聞いて倒れた為、この場には居ない。が、彼女は一連の事件に一切関わっていない事が分かっている。
そして、王太子妃であるが、王太子の廃嫡が決定している為、元王太子妃となった。
勿論、彼女も倒れた為、この場にいない。
元王太子と彼女の間に生まれた子供(男児・1才)は、引き離され離宮に隔離されている。
残念ながら、彼女は一連の事件に関わってしまっている。どの程度か詳細は調査中である為、拘束はされていない。が、部屋の入り口には騎士が立ち、面会も制限されているから、事実上は軟禁状態である。
そして、一連の事件に隣国の関与が明らかになっただけでなく、戦闘準備に入ったと国境から報告があった。
という訳で、不本意ではあるが、可及的速やかにこの件を処理しなければならなくなった。
国王の側近が何か耳打ちをしている。恐らく、アルベルトが来たのだろう。
「入れ。」
国王が告げ、扉が開いてそこに現れたのは、予想通りアルベルト・ヨーゼフ・フォイエルバッハ公爵だった。
フランは邸に置いてきたのだろう。
「遅れてしまい、申し訳ありません。」
「○X△□♭#◇☆!!」
「大人しくしろッ!!」
アルベルトを見て、飛びかかろうとした元兄上を、騎士が力ずくで床に押さえつけた。
何か叫んでいるが、猿轡を噛まされている為、何を言っているのか分からない。
今は睨み合っている。
国王はというと、玉座の肘置きに肘を付き、軽く握った手に顎を乗せ、面白く無さそうにそれを見ていた。
宰相が国王に耳打ちして下がる。
「皆がこの場に集まってくれた事に礼を言う。此度、王太子クラウス…今は廃嫡が決定したのでクラウス王子だったか…。が、大罪を犯した。故に、これより断罪を行う。先ずは、罪状を述べ、証拠を提示せよ。」
そして宰相が罪状を読み上げた。
━ 罪状 ━
一つ、敵である隣国と繋がり、武器、食糧、医薬品等の横流し、資金提供等の利敵行為及び、機密情報の漏洩。
一つ、アルバ伯爵令嬢の誘拐罪、監禁罪、傷害罪及び暴行未遂罪
一つ、4年前の“センチュリオン平原での戦い”に於いて、敵である隣国と繋がり、武器、武具、食糧、医薬品等の横流し、資金提供等の利敵行為及び、機密情報の漏洩せし、国家反逆罪。
一つ、同戦いに於いて、味方への砲撃及び攻撃を部下に命じ、自国の戦士を大量に殺戮せしめた殺人罪。
━ 以上 ━
「そして、これらの罪状に対する証拠は此方に。」
そう言った後、テーブルが運び込まれ、証拠書類や捜査資料が各罪状毎に山積みにされていく。
国王、検非違使長、王国騎士団団長・副団長、外交大臣・副大臣、財政大臣・副大臣、内政大臣・副大臣等の政務・軍務のトップ達がそれらに眼を通す。
当然、各罪状毎に証人による証言付きである。
それらが終わった後、緊急閣議が開かれ、長時間に渡って審議が重ねられた後に、審判が下される。
そして夜が明けた頃、やっと意見が纏まった。
━ 断罪の間━
政務、財政、外務、内政、軍務等のトップ達が入室した後、元王太子が留置所から引っ立てられ、玉座の前に跪かされ、両肩を押さえつけられている。
国王は無表情にそれを見ていた。
父親として何か思う事はあるのだろうか?いや、あの父に限ってそれはないだろう。彼にとって関心があるのは母だけだ。程度の差こそ有れ、父と兄はその点に於いて同類なのだから…。
そして、いよいよ国王から審判が下される。
「先ずはこの場に居る皆に、王子がこのような大それた大罪を起こした事申し訳なく思う。余は立派な国王と成れるよう、教え導いた筈だったが、何処かで育て方を間違えてしもうた。申し訳なかった。」
そう言って頭を下げた。
頭を下げる事など無い地位にいる国王が頭を下げた事に、皆が驚き、感極まって涙する者もいた。
「クラウスよ、潔くその罪に相応しい罰を受けよ。断腸の思いではあるが、親として最後まで見届けよう。」
「…くっ…父上…。」
国王のその言葉を聞いて、後悔して、涙を流しているようなその姿に、殆どの者がもらい泣きしている。
けれど私は知っている。
これが茶番劇だという事を…。
『この後が見物ね。』心の中だけで呟く。
兄は知らない。
あの男が全ての罪を兄一人に被せ、切り捨てた事を…。それを知った時、兄は如何するのでしょうね。
彼らの罪の全てを知っている私と彼は、当然こんな茶番劇は想定内だけど。
チラッと、彼の顔を盗み見ると、片手で口を押さえ、泣きたいのを堪えているように見えた。
が、幼い頃から彼を知っている私には、彼が笑いを堪えていると分かった。
思わず、舌打ちしたくなるのを何とか耐えて、この後の成り行きを見守る。
「審判を下す。クラウス王子から王族籍を剥奪。即時、一般牢に収牢。後日、王宮前広間に於いて斬首刑に処す。然る後、梟首(晒し首)。引っ立てい!!」
それまで、悔いているように項垂れていた兄が、顔を上げ、怒りに滾った眼を国王に向けたら。
「話が違う!!」
「ええい!さっさと引っ立てんか!!」
「謀ったな!貴様も同罪ではないか!」
「黙れ!黙れ!黙れッ!!その痴れ者に猿轡を噛ませよ!黙らせろ!」
「お待ち下さい。最後に何か言いたい事でもあるようです。聞いてやっては如何でしょう。私はそれを是非聞きたい。」
アルベルトの発言に室内が騒つく。中には顔色が悪くなった者も…。
「確かに、国王にとってもご子息の最後の言葉は気になられるでしょう。」
「!!」
一斉に、国王に視線が集まる。
“余計な事を!!”と含みを持たせた眼で、宰相を睨み付けた。
それを知ってか知らずか、“是”と取った宰相が、兄に発言の許可を出した。
床に押さえつけられていた身体を起こし、跪かされた兄は、父親を睨みながら言った。
「自分は何も知らなかったような事を言っていたが、俺一人の所為にするな。あんたの指示した事だって有ったよな。」
「…なっ!…」
国王に口を挟ませてなるものかと、続けて話す。
「隣国との裏取引にしても、俺一人じゃあれだけの数の影を動かせない。」
「確かに、王家の影と雖も、国王の命令も無く動かす事など出来ませんな。」
頷きながら宰相が言う。
そうなのだ。王家の影を王妃や王子、王女が勝手に動かせるなら、王位の簒奪も可能になってしまう。そして、それは王国騎士団に於いても同じだった。
国王に疑惑の眼が向けられる。
そこに、証拠として影への命令書が提出され、玉璽が押されているのが確認された。
玉璽は、国王のみ押せる印で、その保管場所は、当然、国王しか知らない。
「これは………。」
証拠の書類を手に国王の居る方へ振り向く。
国王はというと、玉座の肘置きを掴んだ手が白くなる程力が入っている。
それとは逆に、怒りに満ちた顔は真っ赤になっていた。
宰相が、私の方へ向き直って言った。
「ユークリッド王女殿下……クラウス王子殿下が廃嫡され、王女殿下が王位継承一位でした。そして今、陛下の罪が明らかとなり、王女殿下が王位継承となりました。」
「…具ぬぬぬぬ…。認めぬ!認めぬぞ!!」
「近衛兵!拘束せよ!拘束して貴族牢へ!」
「黙れ!王は余じゃ!余が国王なるぞ!!」
罪が明らかになったけれど、取り調べも審議、審判も残っている為、刑が確定するまでは貴族牢に入れられる。
「覚えておれ!不届き者が!!」
ぎゃあぎゃあ喚きながら、近衛兵に両腕を掴まれ、引き摺られるように連行されて行った。
そして、その後ろから兄も連行されて行った。
「殿下、お手を…。」
差し出された宰相の手を私が取ると、玉座の方へ連れて行かれた。
集められた重鎮達を見渡し
「皆の者、迷惑をかけました。よもや、斯様な事になるなど想定できませんでした。罪を犯した二人に代わり、申し訳ありませんでした。至らぬ身では有りますが、皆の力を借り、良く国を治めたいと思います。」
宰相とアルベルトが跪き、臣下の礼を取る。すると、成り行きを見守っていた重鎮達もそれに倣い、臣下の礼を取った。
「では、王として最初の命令です。速やかに事件の解決を。そして事件の裏にいた隣国に備えて戦の準備を。この機に乗じて攻めて来る可能性が高い。現に、戦の準備をしていると辺境伯達から、報告も上がっています。」
王位になど就きたくはなかった。けれど、そのような事を言っていられない。
仕方のない事なのだと自分に言い聞かせるしかなかった。
*言葉使いの悪い登場人物が出てきます。
苦手な方は全力で回避して下さい。読まれる方は自己責任でお願いいたします。
~~~~~
━救出後・王宮内広間━
後ろ手に拘束され、跪かされている兄上。父上は苦虫を噛み潰したような顔でそれを見ている。
この後の状況如何では、国王と雖も、元兄上と連座させねばならない。
今はまだ玉座に座っている父上いや、国王が審判が終わった後も玉座にいるとは限らない。
王妃である母上は、元兄上が捕縛されたと聞いて倒れた為、この場には居ない。が、彼女は一連の事件に一切関わっていない事が分かっている。
そして、王太子妃であるが、王太子の廃嫡が決定している為、元王太子妃となった。
勿論、彼女も倒れた為、この場にいない。
元王太子と彼女の間に生まれた子供(男児・1才)は、引き離され離宮に隔離されている。
残念ながら、彼女は一連の事件に関わってしまっている。どの程度か詳細は調査中である為、拘束はされていない。が、部屋の入り口には騎士が立ち、面会も制限されているから、事実上は軟禁状態である。
そして、一連の事件に隣国の関与が明らかになっただけでなく、戦闘準備に入ったと国境から報告があった。
という訳で、不本意ではあるが、可及的速やかにこの件を処理しなければならなくなった。
国王の側近が何か耳打ちをしている。恐らく、アルベルトが来たのだろう。
「入れ。」
国王が告げ、扉が開いてそこに現れたのは、予想通りアルベルト・ヨーゼフ・フォイエルバッハ公爵だった。
フランは邸に置いてきたのだろう。
「遅れてしまい、申し訳ありません。」
「○X△□♭#◇☆!!」
「大人しくしろッ!!」
アルベルトを見て、飛びかかろうとした元兄上を、騎士が力ずくで床に押さえつけた。
何か叫んでいるが、猿轡を噛まされている為、何を言っているのか分からない。
今は睨み合っている。
国王はというと、玉座の肘置きに肘を付き、軽く握った手に顎を乗せ、面白く無さそうにそれを見ていた。
宰相が国王に耳打ちして下がる。
「皆がこの場に集まってくれた事に礼を言う。此度、王太子クラウス…今は廃嫡が決定したのでクラウス王子だったか…。が、大罪を犯した。故に、これより断罪を行う。先ずは、罪状を述べ、証拠を提示せよ。」
そして宰相が罪状を読み上げた。
━ 罪状 ━
一つ、敵である隣国と繋がり、武器、食糧、医薬品等の横流し、資金提供等の利敵行為及び、機密情報の漏洩。
一つ、アルバ伯爵令嬢の誘拐罪、監禁罪、傷害罪及び暴行未遂罪
一つ、4年前の“センチュリオン平原での戦い”に於いて、敵である隣国と繋がり、武器、武具、食糧、医薬品等の横流し、資金提供等の利敵行為及び、機密情報の漏洩せし、国家反逆罪。
一つ、同戦いに於いて、味方への砲撃及び攻撃を部下に命じ、自国の戦士を大量に殺戮せしめた殺人罪。
━ 以上 ━
「そして、これらの罪状に対する証拠は此方に。」
そう言った後、テーブルが運び込まれ、証拠書類や捜査資料が各罪状毎に山積みにされていく。
国王、検非違使長、王国騎士団団長・副団長、外交大臣・副大臣、財政大臣・副大臣、内政大臣・副大臣等の政務・軍務のトップ達がそれらに眼を通す。
当然、各罪状毎に証人による証言付きである。
それらが終わった後、緊急閣議が開かれ、長時間に渡って審議が重ねられた後に、審判が下される。
そして夜が明けた頃、やっと意見が纏まった。
━ 断罪の間━
政務、財政、外務、内政、軍務等のトップ達が入室した後、元王太子が留置所から引っ立てられ、玉座の前に跪かされ、両肩を押さえつけられている。
国王は無表情にそれを見ていた。
父親として何か思う事はあるのだろうか?いや、あの父に限ってそれはないだろう。彼にとって関心があるのは母だけだ。程度の差こそ有れ、父と兄はその点に於いて同類なのだから…。
そして、いよいよ国王から審判が下される。
「先ずはこの場に居る皆に、王子がこのような大それた大罪を起こした事申し訳なく思う。余は立派な国王と成れるよう、教え導いた筈だったが、何処かで育て方を間違えてしもうた。申し訳なかった。」
そう言って頭を下げた。
頭を下げる事など無い地位にいる国王が頭を下げた事に、皆が驚き、感極まって涙する者もいた。
「クラウスよ、潔くその罪に相応しい罰を受けよ。断腸の思いではあるが、親として最後まで見届けよう。」
「…くっ…父上…。」
国王のその言葉を聞いて、後悔して、涙を流しているようなその姿に、殆どの者がもらい泣きしている。
けれど私は知っている。
これが茶番劇だという事を…。
『この後が見物ね。』心の中だけで呟く。
兄は知らない。
あの男が全ての罪を兄一人に被せ、切り捨てた事を…。それを知った時、兄は如何するのでしょうね。
彼らの罪の全てを知っている私と彼は、当然こんな茶番劇は想定内だけど。
チラッと、彼の顔を盗み見ると、片手で口を押さえ、泣きたいのを堪えているように見えた。
が、幼い頃から彼を知っている私には、彼が笑いを堪えていると分かった。
思わず、舌打ちしたくなるのを何とか耐えて、この後の成り行きを見守る。
「審判を下す。クラウス王子から王族籍を剥奪。即時、一般牢に収牢。後日、王宮前広間に於いて斬首刑に処す。然る後、梟首(晒し首)。引っ立てい!!」
それまで、悔いているように項垂れていた兄が、顔を上げ、怒りに滾った眼を国王に向けたら。
「話が違う!!」
「ええい!さっさと引っ立てんか!!」
「謀ったな!貴様も同罪ではないか!」
「黙れ!黙れ!黙れッ!!その痴れ者に猿轡を噛ませよ!黙らせろ!」
「お待ち下さい。最後に何か言いたい事でもあるようです。聞いてやっては如何でしょう。私はそれを是非聞きたい。」
アルベルトの発言に室内が騒つく。中には顔色が悪くなった者も…。
「確かに、国王にとってもご子息の最後の言葉は気になられるでしょう。」
「!!」
一斉に、国王に視線が集まる。
“余計な事を!!”と含みを持たせた眼で、宰相を睨み付けた。
それを知ってか知らずか、“是”と取った宰相が、兄に発言の許可を出した。
床に押さえつけられていた身体を起こし、跪かされた兄は、父親を睨みながら言った。
「自分は何も知らなかったような事を言っていたが、俺一人の所為にするな。あんたの指示した事だって有ったよな。」
「…なっ!…」
国王に口を挟ませてなるものかと、続けて話す。
「隣国との裏取引にしても、俺一人じゃあれだけの数の影を動かせない。」
「確かに、王家の影と雖も、国王の命令も無く動かす事など出来ませんな。」
頷きながら宰相が言う。
そうなのだ。王家の影を王妃や王子、王女が勝手に動かせるなら、王位の簒奪も可能になってしまう。そして、それは王国騎士団に於いても同じだった。
国王に疑惑の眼が向けられる。
そこに、証拠として影への命令書が提出され、玉璽が押されているのが確認された。
玉璽は、国王のみ押せる印で、その保管場所は、当然、国王しか知らない。
「これは………。」
証拠の書類を手に国王の居る方へ振り向く。
国王はというと、玉座の肘置きを掴んだ手が白くなる程力が入っている。
それとは逆に、怒りに満ちた顔は真っ赤になっていた。
宰相が、私の方へ向き直って言った。
「ユークリッド王女殿下……クラウス王子殿下が廃嫡され、王女殿下が王位継承一位でした。そして今、陛下の罪が明らかとなり、王女殿下が王位継承となりました。」
「…具ぬぬぬぬ…。認めぬ!認めぬぞ!!」
「近衛兵!拘束せよ!拘束して貴族牢へ!」
「黙れ!王は余じゃ!余が国王なるぞ!!」
罪が明らかになったけれど、取り調べも審議、審判も残っている為、刑が確定するまでは貴族牢に入れられる。
「覚えておれ!不届き者が!!」
ぎゃあぎゃあ喚きながら、近衛兵に両腕を掴まれ、引き摺られるように連行されて行った。
そして、その後ろから兄も連行されて行った。
「殿下、お手を…。」
差し出された宰相の手を私が取ると、玉座の方へ連れて行かれた。
集められた重鎮達を見渡し
「皆の者、迷惑をかけました。よもや、斯様な事になるなど想定できませんでした。罪を犯した二人に代わり、申し訳ありませんでした。至らぬ身では有りますが、皆の力を借り、良く国を治めたいと思います。」
宰相とアルベルトが跪き、臣下の礼を取る。すると、成り行きを見守っていた重鎮達もそれに倣い、臣下の礼を取った。
「では、王として最初の命令です。速やかに事件の解決を。そして事件の裏にいた隣国に備えて戦の準備を。この機に乗じて攻めて来る可能性が高い。現に、戦の準備をしていると辺境伯達から、報告も上がっています。」
王位になど就きたくはなかった。けれど、そのような事を言っていられない。
仕方のない事なのだと自分に言い聞かせるしかなかった。
0
お気に入りに追加
157
あなたにおすすめの小説
【完結】目覚めたら男爵家令息の騎士に食べられていた件
三谷朱花
恋愛
レイーアが目覚めたら横にクーン男爵家の令息でもある騎士のマットが寝ていた。曰く、クーン男爵家では「初めて契った相手と結婚しなくてはいけない」らしい。
※アルファポリスのみの公開です。
王女の中身は元自衛官だったので、継母に追放されたけど思い通りになりません
きぬがやあきら
恋愛
「妻はお妃様一人とお約束されたそうですが、今でもまだ同じことが言えますか?」
「正直なところ、不安を感じている」
久方ぶりに招かれた故郷、セレンティア城の月光満ちる庭園で、アシュレイは信じ難い光景を目撃するーー
激闘の末、王座に就いたアルダシールと結ばれた、元セレンティア王国の王女アシュレイ。
アラウァリア国では、新政権を勝ち取ったアシュレイを国母と崇めてくれる国民も多い。だが、結婚から2年、未だ後継ぎに恵まれないアルダシールに側室を推す声も上がり始める。そんな頃、弟シュナイゼルから結婚式の招待が舞い込んだ。
第2幕、連載開始しました!
お気に入り登録してくださった皆様、ありがとうございます! 心より御礼申し上げます。
以下、1章のあらすじです。
アシュレイは前世の記憶を持つ、セレンティア王国の皇女だった。後ろ盾もなく、継母である王妃に体よく追い出されてしまう。
表向きは外交の駒として、アラウァリア王国へ嫁ぐ形だが、国王は御年50歳で既に18人もの妃を持っている。
常に不遇の扱いを受けて、我慢の限界だったアシュレイは、大胆な計画を企てた。
それは輿入れの道中を、自ら雇った盗賊に襲撃させるもの。
サバイバルの知識もあるし、宝飾品を処分して生き抜けば、残りの人生を自由に謳歌できると踏んでいた。
しかし、輿入れ当日アシュレイを攫い出したのは、アラウァリアの第一王子・アルダシール。
盗賊団と共謀し、晴れて自由の身を望んでいたのに、アルダシールはアシュレイを手放してはくれず……。
アシュレイは自由と幸福を手に入れられるのか?
ブサイク令嬢は、眼鏡を外せば国一番の美女でして。
みこと。
恋愛
伯爵家のひとり娘、アルドンサ・リブレは"人の死期"がわかる。
死が近づいた人間の体が、色あせて見えるからだ。
母に気味悪がれた彼女は、「眼鏡をかけていれば見えない」と主張し、大きな眼鏡を外さなくなった。
無骨な眼鏡で"ブサ令嬢"と蔑まれるアルドンサだが、そんな彼女にも憧れの人がいた。
王女の婚約者、公爵家次男のファビアン公子である。彼に助けられて以降、想いを密かに閉じ込めて、ただ姿が見れるだけで満足していたある日、ファビアンの全身が薄く見え?
「ファビアン様に死期が迫ってる!」
王女に新しい恋人が出来たため、ファビアンとの仲が危ぶまれる昨今。まさか王女に断罪される? それとも失恋を嘆いて命を絶つ?
慌てるアルドンサだったが、さらに彼女の目は、とんでもないものをとらえてしまう──。
不思議な力に悩まされてきた令嬢が、初恋相手と結ばれるハッピーエンドな物語。
幸せな結末を、ぜひご確認ください!!
(※本編はヒロイン視点、全5話完結)
(※番外編は第6話から、他のキャラ視点でお届けします)
※この作品は「小説家になろう」様でも掲載しています。第6~12話は「なろう」様では『浅はかな王女の末路』、第13~15話『「わたくしは身勝手な第一王女なの」〜ざまぁ後王女の見た景色〜』、第16~17話『氷砂糖の王女様』というタイトルです。
初耳なのですが…、本当ですか?
あおくん
恋愛
侯爵令嬢の次女として、父親の仕事を手伝ったり、邸の管理をしたりと忙しくしているアニーに公爵家から婚約の申し込みが来た!
でも実際に公爵家に訪れると、異世界から来たという少女が婚約者の隣に立っていて…。
まだ20歳の未亡人なので、この後は好きに生きてもいいですか?
せいめ
恋愛
政略結婚で愛することもなかった旦那様が魔物討伐中の事故で亡くなったのが1年前。
喪が明け、子供がいない私はこの家を出て行くことに決めました。
そんな時でした。高額報酬の良い仕事があると声を掛けて頂いたのです。
その仕事内容とは高貴な身分の方の閨指導のようでした。非常に悩みましたが、家を出るのにお金が必要な私は、その仕事を受けることに決めたのです。
閨指導って、そんなに何度も会う必要ないですよね?しかも、指導が必要には見えませんでしたが…。
でも、高額な報酬なので文句は言いませんわ。
家を出る資金を得た私は、今度こそ自由に好きなことをして生きていきたいと考えて旅立つことに決めました。
その後、新しい生活を楽しんでいる私の所に現れたのは……。
まずは亡くなったはずの旦那様との話から。
ご都合主義です。
設定は緩いです。
誤字脱字申し訳ありません。
主人公の名前を途中から間違えていました。
アメリアです。すみません。
【完結】捨ててください
仲 奈華 (nakanaka)
恋愛
ずっと貴方の側にいた。
でも、あの人と再会してから貴方は私ではなく、あの人を見つめるようになった。
分かっている。
貴方は私の事を愛していない。
私は貴方の側にいるだけで良かったのに。
貴方が、あの人の側へ行きたいと悩んでいる事が私に伝わってくる。
もういいの。
ありがとう貴方。
もう私の事は、、、
捨ててください。
続編投稿しました。
初回完結6月25日
第2回目完結7月18日
目が覚めたら異世界でした!~病弱だけど、心優しい人達に出会えました。なので現代の知識で恩返ししながら元気に頑張って生きていきます!〜
楠ノ木雫
恋愛
病院に入院中だった私、奥村菖は知らず知らずに異世界へ続く穴に落っこちていたらしく、目が覚めたら知らない屋敷のベッドにいた。倒れていた菖を保護してくれたのはこの国の公爵家。彼女達からは、地球には帰れないと言われてしまった。
病気を患っている私はこのままでは死んでしまうのではないだろうかと悟ってしまったその時、いきなり目の前に〝妖精〟が現れた。その妖精達が持っていたものは幻の薬草と呼ばれるもので、自分の病気が治る事が発覚。治療を始めてどんどん元気になった。
元気になり、この国の公爵家にも歓迎されて。だから、恩返しの為に現代の知識をフル活用して頑張って元気に生きたいと思います!
でも、あれ? この世界には私の知る食材はないはずなのに、どうして食事にこの四角くて白い〝コレ〟が出てきたの……!?
※他の投稿サイトにも掲載しています。
明智さんちの旦那さんたちR
明智 颯茄
恋愛
あの小高い丘の上に建つ大きなお屋敷には、一風変わった夫婦が住んでいる。それは、妻一人に夫十人のいわゆる逆ハーレム婚だ。
奥さんは何かと大変かと思いきやそうではないらしい。旦那さんたちは全員神がかりな美しさを持つイケメンで、奥さんはニヤケ放題らしい。
ほのぼのとしながらも、複数婚が巻き起こすおかしな日常が満載。
*BL描写あり
毎週月曜日と隔週の日曜日お休みします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる