悲劇にしないでよね!

「喜べ、フラン!お前の嫁ぎ先がやっと決まったぞ!」

帰宅した父が、最上の笑みを浮かべ、両手を広げて私の方に来た。
サロンに居た友人と私。嫌な予感しかしない。

友人は父を落ち着かせようと宥めながらソファーに座らせ、私は侍女が用意したカップにティーポットを傾けてお茶を注いでいる。

「なんと、あのアルベルト・ヨーゼフ・フォイエルバッハ公爵だぞ!」
興奮冷めやらぬ父。
「 … 」
お茶を注いだまま固まった私。
カップからお茶が溢れまくっている。
「へ?」
驚いた私の口から変な声が出た。
嫌な予感的中!!

アルベルト・ヨーゼフ・フォイエルバッハ公爵、御年28歳。

8年前に最愛の婚約者を事故で亡くされた。あと3ヶ月で結婚式だったという。
それ以来、一人息子である彼にの元に、喪が明けると同時に大量の縁談が持ち込まれたが、これを悉く撃墜…。付いた渾名が“撃墜王”、そして現在に至る。
あの“撃墜王”が何故…?
疑問に思うも、理由は簡単であった。“王命”である。

後日聞いた話だと、国王に呼び出された公爵閣下が、その王命を聞いた途端、室内の温度が急激に変化したらしい。

その上、公爵閣下から怒りのオーラが駄々漏れ、国王以下、場に居合わせた者達の顔色が一瞬で真っ青に染まったという…。

あー…
顔合わせの時、私…瞬殺されんじゃね?と思ったのは言うまでもない。
まぁ、その時は亡き夫の所に行けるからいっか…。(良くねぇーよ!)

私ことフランドール・アルバ伯爵令嬢、20歳(一応?)未亡人と最愛の婚約者を亡くした公爵閣下のお話。二人は無事に結婚出来るのか?(というか、ないわぁ。)

悲劇の裏にある真相とは?

*フィクションです。よくある設定のお話です。
*投稿者の他の作品で同じ名前や家名が出てきますが、使い回してたりするので、何の関係もありません。(シリーズではない)
*R18は、話の展開によっては必要かもしれないので、念の為に入れてます。
*ご都合設定なので、ザックリと細かい所はスルーして、時間潰しにでもお気軽にお読み頂けると嬉しいです。




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