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── 第一章 ──
0. 序章・ライテンバッハ公爵家
しおりを挟むここは、フランドール王国。建国以来、460年続く王政国家で、今は13代国王ヘルムートの治世である。
その王家の第二王子ヴィルヘルムは、兄である第一王子ラフールが王位に就くと同時に臣籍降下し、ライテンバッハ公爵となった。
幼い頃から神童と呼ばれ、将来を嘱望されていた彼は、ラフール王子よりも王位に推す声が多かったが、本人にその気は全く無く、王位に就いた兄に王子が誕生すると同時に、王位継承権を放棄した。
そんな彼も、ラフールの国王即位式に来ていた、隣国アドガルド王国の第三王女マリーカと恋に落ち、結婚して子供が生まれた。第一子ジークフリートである。がその後、マリーカ夫人は第二子を懐妊するも、流産してしまう。
流産したマリーカ夫人は生死の境を彷徨い、一命は取り留めたが、二度と子が望めない身体になってしまった。
けれど、夫婦仲は良好で、後継ぎが一人では、心許ないから愛人を持つよう、周囲から煩いほど言われたが、生涯夫人だけを愛した。
そしてその一人息子であるジークフリートが成人すると、辺境伯爵の姪で“じゃじゃ馬姫”、“跳ねっ返り”と渾名され、噂されていたシュザンヌと恋に落ち、結婚した。
余談ではあるが、従妹である第一王女カトリーヌから熱烈アタックされていたらしいが、袖にした。との噂もあったという。
そして、愛し合った二人は、七人の子宝に恵まれた。
~~~~~~~~~~~~~~~~
― ライテンバッハ家(一部分) ―
(物語初期)
ヴィルヘルム・ライテンバッハ
(妻 マリーカ)
↓
ジークフリート・ライテンバッハ
(妻 シュザンヌ)
↓
長男 オトフリート (12)
長女 エリザベート (10)
次男 アルフォンス ( 9 )
三男 フランツ ( 7 )
次女 オデット ( 5 )
三女 フィアーナ ( 2 )
四男 ウルリッヒ(母体内3カ月)
~~~~~~~~~~~~~~~~
この物語は、 剣技に於いて天賦の才能に恵まれながら、病弱であった為に兄と弟の二人から疎まれ、役立たずと蔑まれた、次男・アルフォンスとその子ミハエルの物語である。
産まれた時から病弱で、一年の殆どをベッドで過ごしていたアルフォンスが、公爵領で静養する事になった所から物語は始まる。
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