願わくは…

雫喰 B

文字の大きさ
上 下
1 / 26
── 第一章 ──

0. 序章・ライテンバッハ公爵家

しおりを挟む

    ここは、フランドール王国。建国以来、460年続く王政国家で、今は13代国王ヘルムートの治世である。

    その王家の第二王子ヴィルヘルムは、兄である第一王子ラフールが王位に就くと同時に臣籍降下し、ライテンバッハ公爵となった。

    幼い頃から神童と呼ばれ、将来を嘱望されていた彼は、ラフール王子よりも王位に推す声が多かったが、本人にその気は全く無く、王位に就いた兄に王子が誕生すると同時に、王位継承権を放棄した。

    そんな彼も、ラフールの国王即位式に来ていた、隣国アドガルド王国の第三王女マリーカと恋に落ち、結婚して子供が生まれた。第一子ジークフリートである。がその後、マリーカ夫人は第二子を懐妊するも、流産してしまう。
    
    流産したマリーカ夫人は生死の境を彷徨い、一命は取り留めたが、二度と子が望めない身体になってしまった。

    けれど、夫婦仲は良好で、後継ぎが一人では、心許ないから愛人を持つよう、周囲から煩いほど言われたが、生涯夫人だけを愛した。

    そしてその一人息子であるジークフリートが成人すると、辺境伯爵の姪で“じゃじゃ馬姫”、“跳ねっ返り”と渾名され、噂されていたシュザンヌと恋に落ち、結婚した。

    余談ではあるが、従妹である第一王女カトリーヌから熱烈アタックされていたらしいが、袖にした。との噂もあったという。

    そして、愛し合った二人は、七人の子宝に恵まれた。
~~~~~~~~~~~~~~~~
   ―  ライテンバッハ家(一部分)  ―
              (物語初期)

 ヴィルヘルム・ライテンバッハ
        (妻  マリーカ)
                    ↓ 
ジークフリート・ライテンバッハ
        (妻  シュザンヌ)
                    ↓
長男  オトフリート  (12)
長女  エリザベート  (10)  
次男  アルフォンス  ( 9 )
三男  フランツ          ( 7 )
次女  オデット          ( 5 )
三女  フィアーナ      ( 2 )
四男  ウルリッヒ(母体内3カ月)
~~~~~~~~~~~~~~~~
  この物語は、 剣技に於いて天賦の才能に恵まれながら、病弱であった為に兄と弟の二人から疎まれ、役立たずと蔑まれた、次男・アルフォンスとその子ミハエルの物語である。
  
  産まれた時から病弱で、一年の殆どをベッドで過ごしていたアルフォンスが、公爵領で静養する事になった所から物語は始まる。

    
    
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

友達の母親が俺の目の前で下着姿に…

じゅ〜ん
エッセイ・ノンフィクション
とあるオッサンの青春実話です

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~

恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」 そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。 私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。 葵は私のことを本当はどう思ってるの? 私は葵のことをどう思ってるの? 意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。 こうなったら確かめなくちゃ! 葵の気持ちも、自分の気持ちも! だけど甘い誘惑が多すぎて―― ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。

蔑ろにされた王妃と見限られた国王

奏千歌
恋愛
※最初に公開したプロット版はカクヨムで公開しています 国王陛下には愛する女性がいた。 彼女は陛下の初恋の相手で、陛下はずっと彼女を想い続けて、そして大切にしていた。 私は、そんな陛下と結婚した。 国と王家のために、私達は結婚しなければならなかったから、結婚すれば陛下も少しは変わるのではと期待していた。 でも結果は……私の理想を打ち砕くものだった。 そしてもう一つ。 私も陛下も知らないことがあった。 彼女のことを。彼女の正体を。

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

アルバートの屈辱

プラネットプラント
恋愛
妻の姉に恋をして妻を蔑ろにするアルバートとそんな夫を愛するのを諦めてしまった妻の話。 『詰んでる不憫系悪役令嬢はチャラ男騎士として生活しています』の10年ほど前の話ですが、ほぼ無関係なので単体で読めます。

五歳の時から、側にいた

田尾風香
恋愛
五歳。グレースは初めて国王の長男のグリフィンと出会った。 それからというもの、お互いにいがみ合いながらもグレースはグリフィンの側にいた。十六歳に婚約し、十九歳で結婚した。 グリフィンは、初めてグレースと会ってからずっとその姿を追い続けた。十九歳で結婚し、三十二歳で亡くして初めて、グリフィンはグレースへの想いに気付く。 前編グレース視点、後編グリフィン視点です。全二話。後編は来週木曜31日に投稿します。

お父さんのお嫁さんに私はなる

色部耀
恋愛
お父さんのお嫁さんになるという約束……。私は今夜それを叶える――。

処理中です...