41 / 44
【本編完結】感謝御礼!!番外編②
しおりを挟む今話は切り抜きワンシーンの寄せ集めです。
かなり短いですが楽しんでいただけたら嬉しいのですが……(^◇^;)
~~~~~~~~~~
─ ニアside ─
ライアンがキメラを斃した後、ニアが高熱を出した時の話
今では有り得ない…けれど、幸せな夢を見た…。
ライアンが私を膝に乗せて抱き締め、何度も「愛している。」と耳元で囁き、額や頬や唇にこれでもかというほど口付ける。
そして、舌を絡めてきて息もできないほど激しい口付け。
何も考えられず胸が熱くなる。
そんな口付け。
かと思えば、私の頭や頬を撫で、髪を一房手に取って口付けたり、首筋に顔を埋め唇を押し当たりと、兎に角甘い態度を取り続ける。
まるで本当にあった事のような…夢のような…。
いいえ、きっと夢ね。
だって、ラフレシアとの事があってから私達の間にこんな遣り取りなんて……。
だから、きっと夢。
あのまま何事も無く結婚した後の……私の願望が見せた夢。
彼がどれほど私を愛おしそうに、時に切なげな目で見詰めたとしても。
胸がツキンと痛む。
切なさで胸が苦しくなるけれど、泣きたくなるほど幸せな夢……。
このまま目覚めたくなくなる…そんな…夢。
頬を伝う冷たい感覚で目が覚めた。
ほらね。
やっぱり夢だった。
上半身を起こしたらグラリと視界が傾いだ。頭もガンガンと痛むし物凄く喉も渇いていた。
水を探して周囲を見回したらライアンと目が合った。
思わずほんの少し前まで見ていた夢を思い出し、気不味くてフイッと目を逸らした。
なのに起き上がったライアンが私のお腹に腕を回して抱き寄せる。
腕の中に閉じ込められ、顔に熱が集まり心臓が早鐘を打ち焦った私はジタバタと藻掻く。
彼は、そんな私に構わず首筋に顔を埋め「…よかった。」と安堵の息を吐く。
夢で見た状況に、更にワチャワチャと顔が火照り、気の所為かクラクラする。
ヤバい!熱が上がってきたかも……。
そして再び意識を失った私が次に目を覚ましたのはガーネット家の領邸に割り当てられた私の部屋だった。
△▽△▽△▽△▽△▽△▽△
─ モーリスside ─
俺には野心がある。
側近として仕えているディーン様は優秀で心優しく良い領主になると思う。
だが、幼い頃から病弱で先が思い遣られる。
ならば、
『次期領主は俺がなってもいいのではないか?』
いつの頃からか、そう思うようになった。
分家筋とは言え、ディーンの従弟である俺ならば領主になる事もできる筈だ。
だが分家筋の者は他にもいる。何とか他者よりも抜きん出る為の物が欲しい!
そんな時に南部辺境伯嫡男であるライアンの婚約が解消されるかもしれないという噂を耳にした。
噂の詳細を知り、これは使える!と思った俺はその機会を伺っていた。
魔獣騒動が終わり、ライアンの婚約が彼の有責で破棄され、領主のリカルド様もそれに関わっていた事で?処罰の対象となった。
急遽、ディーン様が新たに領主となった事で俺の野心が叶いそうなところまできた。
傷心のカレドニア(ニア)を慰める序でに口説き落として、既成事実を作ってしまえば後は……。
これ程強い後ろ盾があれば当主になれると一人ほくそ笑んで、彼女が帰る前夜に夜這いを掛けた。
上手くいく筈だったんだ……。
なのに!!クソッ!!
ライアンの側近であるタリスがベッドにいるなど誰が思う?
タリスにはたこ殴りされた上、アレク(ニア兄)から蔑んだ目で見られ「糞虫」などと言われ……。
当のカレドニアからはGを見るような目をされ距離を取られる。
おまけにライアンからは嘲笑われた。
カレドニアを手に入れ、ライアンを見下し嘲笑うのは俺の方だったのに!
ふと、不思議に思ってライアンに聞いた。
「これまでの間、執拗に夜這いを掛けていたお前が、あの日に限って夜這いを掛けなかったのは何故だ?」
勝ち誇ったようにニヤリと笑って
「オルカリオン殿(ニア父)は俺が夜這いを掛けないと予想していたし、アレク殿(ニア兄)が俺を嵌める為に罠を仕掛けるとわかっていたからさ。それが証拠にハロルドも動かなかっただろ。彼奴もそれがわかっていたからな。じゃあ、行ってくるよ。」
片手を上げて柔やかに去って行く後ろ姿を見送った。
「やれやれ、読みですら彼奴に及ばないのか…。」
完敗だ。
だが、あの男の執着心にぶるりと震えた。
カレドニア嬢も厄介な奴に気に入られたものだな。
少しばかり彼女に同情した。
△▽△▽△▽△▽△▽△▽△
一方その裏で ───
オルカリオン(ニア父)
「シトリン、思う存分(ライアンの)邪魔してこい!😤」
シトリン
「アイアイサー!!😆」
~~~~~~~~~~
*いつもお読みいただきありがとうございます。
*お気に入り、しおり、エール等も本当にありがとうございます!(^∇^)
0
お気に入りに追加
85
あなたにおすすめの小説
【R15】お金で買われてほどかれて~社長と事務員のじれ甘婚約~【完結】
双真満月
恋愛
都雪生(みやこ ゆきな)の父が抱えた借金を肩代わり――
そんな救世主・広宮美土里(ひろみや みどり)が出した条件は、雪生との婚約だった。
お香の老舗の一人息子、美土里はどうやら両親にせっつかれ、偽りの婚約者として雪生に目をつけたらしい。
弟の氷雨(ひさめ)を守るため、条件を受け入れ、美土里が出すマッサージ店『プロタゴニスタ』で働くことになった雪生。
働いて約一年。
雪生には、人には言えぬ淫靡な夢を見ることがあった。それは、美土里と交わる夢。
意識をすることはあれど仕事をこなし、スタッフたちと接する内に、マッサージに興味も出てきたある日――
施術を教えてもらうという名目で、美土里と一夜を共にしてしまう。
好きなのか嫌いなのか、はっきりわからないまま、偽りの立場に苦しむ雪生だったが……。
※エブリスタにも掲載中
2022/01/29 完結しました!
極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。
婚約破棄されたので初恋の人と添い遂げます!!~有難う! もう国を守らないけど頑張ってね!!~
琴葉悠
恋愛
これは「国守り」と呼ばれる、特殊な存在がいる世界。
国守りは聖人数百人に匹敵する加護を持ち、結界で国を守り。
その近くに来た侵略しようとする億の敵をたった一人で打ち倒すことができる神からの愛を受けた存在。
これはそんな国守りの女性のブリュンヒルデが、王子から婚約破棄され、最愛の初恋の相手と幸せになる話──
国が一つ滅びるお話。
愛しき夫は、男装の姫君と恋仲らしい。
星空 金平糖
恋愛
シエラは、政略結婚で夫婦となった公爵──グレイのことを深く愛していた。
グレイは優しく、とても親しみやすい人柄でその甘いルックスから、結婚してからも数多の女性達と浮名を流していた。
それでもシエラは、グレイが囁いてくれる「私が愛しているのは、あなただけだよ」その言葉を信じ、彼と夫婦であれることに幸福を感じていた。
しかし。ある日。
シエラは、グレイが美貌の少年と親密な様子で、王宮の庭を散策している場面を目撃してしまう。当初はどこかの令息に王宮案内をしているだけだと考えていたシエラだったが、実はその少年が王女─ディアナであると判明する。
聞くところによるとディアナとグレイは昔から想い会っていた。
ディアナはグレイが結婚してからも、健気に男装までしてグレイに会いに来ては逢瀬を重ねているという。
──……私は、ただの邪魔者だったの?
衝撃を受けるシエラは「これ以上、グレイとはいられない」と絶望する……。
【完結】番(つがい)でした ~美しき竜人の王様の元を去った番の私が、再び彼に囚われるまでのお話~
tea
恋愛
かつて私を妻として番として乞い願ってくれたのは、宝石の様に美しい青い目をし冒険者に扮した、美しき竜人の王様でした。
番に選ばれたものの、一度は辛くて彼の元を去ったレーアが、番であるエーヴェルトラーシュと再び結ばれるまでのお話です。
ヒーローは普段穏やかですが、スイッチ入るとややドS。
そして安定のヤンデレさん☆
ちょっぴり切ない、でもちょっとした剣と魔法の冒険ありの(私とヒロイン的には)ハッピーエンド(執着心むき出しのヒーローに囚われてしまったので、見ようによってはメリバ?)のお話です。
別サイトに公開済の小説を編集し直して掲載しています。
王子を身籠りました
青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。
王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。
再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる