26 / 37
第四章
【3】 闇は嗤い哭く 2
しおりを挟む
あたしが吸血鬼に噛まれて気を失い、目が覚めたとき、あたりは真っ暗だった。
いつの間にか夜になっていたようだった。近くでうつむいている誰かがいる。
「紘平……」
かすれて声がうまく出なかった。
けれど紘平は弾けるように顔を上げた。あたしを覗き込む。
あの男の吸血鬼のように、紘平の顔があたしの視界をふさいだけど、少しも恐くはなかった。
「二日も眠ってたんだ。死んじまったのかどうなったのか、分からなくてさ。良かった」
紘平は心底ホッとした声を出した。
その間紘平は、ずっと待っていてくれたのだろうか。もう、目を覚ましたって人間じゃないあたしを。
どういう気持ちだったろう。
他の吸血鬼が現れないか、人間の強盗が襲ってこないか気を張りながら、一人でただじっとこらえて待って。
真夏の熱帯夜は、太陽が出ていなくたって汗がにじむ。紘平は気怠そうに大きく息をつく。
水分を取っていないんじゃないだろうか。脱水が心配になる。
だけど、おかしい。
あたしは少しも汗をかいていない。少しも暑くない。
町を歩いていた時はあんなに暑かったのに。紘平も汗をかいているのに。何も感じない。
寒く感じるなんておかしい。
自分の手を持ち上げる。何も変わったようには見えない。
だけど、何かが確実に違う。
「どうしよう」
思わず声がでた。
どうしようもない。そんなことは分かってる。でも動揺がどこかからあふれてくる。
吸血鬼なんて、みんないなくなればいいと思っていた。
人間だったのに、人間を襲って食らう――血を欲しがるなんて、どう考えたっておかしい。あんなおかしな奴ら、いなくなるべきだと。
そうしたらあたしたちは、この町にだって自由に来て、海に行って泳いで、好きなだけ外を歩いていられる。
なのに。
――死んでた方が良かった。多分。
どうしよう。
「大丈夫だ」
紘平はあたしの手をとって、ビクリと肩を震わせる。
「指が冷たいな。多分、貧血だ」
するりと言ってから、そのまま顔をこわばらせた。
何気なく口にしたその言葉の、本当の意味を。
地響きのような音が外から聞こえて、あたしは現実に引き戻された。
顔を上げる。心なしか地面が揺れている気がする。地震か――思ったが、違う。徐々に近づいてくる。
杏樹が険しい顔でガラス窓の外を見た。
雲はまた空を覆い、曇天の夜空の下に明かりはなく真っ暗だ。
暗闇では人間は動きにくいが、吸血鬼は夜目がきく。逃亡を見張るにも、外への備えにも都合がいいのだろう。
病院の門から、黒煙で闇を更に淀ませながら、蒸気トラクターが入ってくるのが見えた。
「ヤクザども。ほんっとしつこいのね。帰ってくるのを見られたかしら。ふたてに別れて慎重に動くべきだったわ。あれだけやられて、まだ仕掛けてくるなんて思わなかった」
杏樹がイラだちまぎれに吐き捨てる。その直後だった。
ばしゅう、と大きな音が外で弾けた。ひと呼吸おいて、爆音が轟く。建物が揺れた。
足を取られて、あたしも杏樹もよろめいた。
また何か、大型の武器か。
最初の音はトラクターとは別の場所からだった。爆発音は隣の建物か、レストランか。ここからは少し離れていた。
トラクターは囮か。
ほんとうにしつこい奴らだ。
「吸血鬼に夜襲なんて、いい度胸じゃない」
杏樹は地響きをあげてロータリーを入ってくるトラクターを見ながら、窓ガラスに当てた手に力を込める。
ビシ、と窓に亀裂が走った。
また――ばしゅう、と音が響く。
さっきより近い。
「伏せろ!」
あたしは床を蹴って飛び出した。
杏樹の腕をひっ掴み、窓から引き剥がす。勢いのまま、連絡通路の床に飛び込むようにして伏せた。
後ろで轟音が弾ける。
爆風が吹き付けて、ポンチョのフードが脱げた。夜でなければ、日に焼かれていたところだ。
風が強く吹き付けてくる。ガラガラと瓦礫が崩れる音がする。
振り返ると、さっきまで立っていた場所の窓と天井に穴が空いていた。連絡通路の床は残っているが、いつ崩れるか分からない。
杏樹は床に転がったまま、ギリギリと歯を噛みしめる。つり上げた口が笑みの形になる。
「やってくれるじゃない。ここ破壊されたら不便でしょうがないんだけど!」
華奢な少女は立ち上がって、吹き抜けになった通路から外を見た。
病棟から連絡通路に駆けてくる足音がする。
あたしは素早く起き上がって、転がったパドルを握った。
「杏樹、ここにいたのか!」
史仁だ。
昼間と同じように、シャツの上に防弾チョッキのようなものを着て、籠手などの防具をつけ、手に弓を持っている。
杏樹は振り返って、風に髪を遊ばせながら笑った。
「やーねえ。心配しすぎ。この中なら安全よ。あたしはもう前とは違うんだし」
史仁は、ぐっと言葉を飲んだ。
杏樹はここに避難してきてから吸血鬼に襲われたと言っていた。史仁にとって杏樹の言葉は、受け入れがたいものだろう。
何かを言いたげな顔をしたまま、史仁は破壊された窓の壁へ踏み出す。
「杏樹、そこから離れて」
「うん」
蒸気トラクターの爆音が外をうろうろしている。あの音が空気と感覚を乱す。
史仁は空いた穴の近くに身を寄せて、手にしていた弓を引き絞る。息を詰めて、待つ。
その直後、ほんの一瞬、闇の中に光が弾けた。下のガーデンのあたり。
ばしゅう、と発射の音が響く前に、史仁は瓦礫に足をかけて身を乗り出す。素早く矢を放った。
弾は別の壁に着弾し、また轟音が響いて、建物が揺れる。別の階だ。
そして史仁の矢は、光が弾けたあたりに、真っ直ぐに飛んでいった。どさり、と重いものが倒れる音がする。
吸血鬼のあたしの目には、ロケットランチャーを構えた男の額を、矢が射抜いたのが見えた。さっき光ったのは、発射のときのバックブラストか。
それから、屋上の辺りから光が弧を描いて放たれた。火矢が流れ星のように幾筋も飛んでいく。
火矢は、あちらこちらに光を灯した。松明があらかじめ用意されていたのかもしれない。煙の臭いが風にながれてくる。
「好き放題してくれて。絶対に許さないわよ」
杏樹は奥へ駆けていく。追いかけようとすると、くるりと振り返って、厳しい顔で行った。
「あんたは来なくていい。足手まといよ。よそ者に足並み乱されたら困るのよ。居住エリアに行って、誰も部屋から出てこないように伝えて。万が一にそなえてみんなを守ってくれたらいい」
一階に降りた方が逃げやすいのではないか。
それとも皆で集まってどこかに隠れたほうがいいのでは。思ったが、地震ならともかく、下に行けば略奪者がいる。
部屋に閉じこもり、ドアを開けずにたてこもっていれば時間を稼げる。
他の人が襲われている間に逃げることも出来るということか。
あたしは杏樹たちと離れて、動かないエスカレーターのところから駆けあがる。皆が住んでいるのはこの建物の上の方だ。
訓練されているのか、慣れているのか。これだけの爆発や破壊に、悲鳴や騒ぐ声は何も聞こえてこない。
誰も部屋を飛び出して逃げ惑ったりしている様子はなかった。
ただ、亨悟は別だった。
「おい、いつの間にかいなくなってるから、びっくりしただろ!」
エスカレーターを駆けてくるのに行き会った。
「部屋に戻れ、杏樹達が対応してる」
「でもあれ、あいつらだろ」
炭鉱ヤクザども。言うまでもない。
「俺を追って来たんじゃないのか。俺のせいで――」
また爆音が弾けた。
すこし上の階。入院施設のあるところ、皆の居住スペースだ。
いつの間にか夜になっていたようだった。近くでうつむいている誰かがいる。
「紘平……」
かすれて声がうまく出なかった。
けれど紘平は弾けるように顔を上げた。あたしを覗き込む。
あの男の吸血鬼のように、紘平の顔があたしの視界をふさいだけど、少しも恐くはなかった。
「二日も眠ってたんだ。死んじまったのかどうなったのか、分からなくてさ。良かった」
紘平は心底ホッとした声を出した。
その間紘平は、ずっと待っていてくれたのだろうか。もう、目を覚ましたって人間じゃないあたしを。
どういう気持ちだったろう。
他の吸血鬼が現れないか、人間の強盗が襲ってこないか気を張りながら、一人でただじっとこらえて待って。
真夏の熱帯夜は、太陽が出ていなくたって汗がにじむ。紘平は気怠そうに大きく息をつく。
水分を取っていないんじゃないだろうか。脱水が心配になる。
だけど、おかしい。
あたしは少しも汗をかいていない。少しも暑くない。
町を歩いていた時はあんなに暑かったのに。紘平も汗をかいているのに。何も感じない。
寒く感じるなんておかしい。
自分の手を持ち上げる。何も変わったようには見えない。
だけど、何かが確実に違う。
「どうしよう」
思わず声がでた。
どうしようもない。そんなことは分かってる。でも動揺がどこかからあふれてくる。
吸血鬼なんて、みんないなくなればいいと思っていた。
人間だったのに、人間を襲って食らう――血を欲しがるなんて、どう考えたっておかしい。あんなおかしな奴ら、いなくなるべきだと。
そうしたらあたしたちは、この町にだって自由に来て、海に行って泳いで、好きなだけ外を歩いていられる。
なのに。
――死んでた方が良かった。多分。
どうしよう。
「大丈夫だ」
紘平はあたしの手をとって、ビクリと肩を震わせる。
「指が冷たいな。多分、貧血だ」
するりと言ってから、そのまま顔をこわばらせた。
何気なく口にしたその言葉の、本当の意味を。
地響きのような音が外から聞こえて、あたしは現実に引き戻された。
顔を上げる。心なしか地面が揺れている気がする。地震か――思ったが、違う。徐々に近づいてくる。
杏樹が険しい顔でガラス窓の外を見た。
雲はまた空を覆い、曇天の夜空の下に明かりはなく真っ暗だ。
暗闇では人間は動きにくいが、吸血鬼は夜目がきく。逃亡を見張るにも、外への備えにも都合がいいのだろう。
病院の門から、黒煙で闇を更に淀ませながら、蒸気トラクターが入ってくるのが見えた。
「ヤクザども。ほんっとしつこいのね。帰ってくるのを見られたかしら。ふたてに別れて慎重に動くべきだったわ。あれだけやられて、まだ仕掛けてくるなんて思わなかった」
杏樹がイラだちまぎれに吐き捨てる。その直後だった。
ばしゅう、と大きな音が外で弾けた。ひと呼吸おいて、爆音が轟く。建物が揺れた。
足を取られて、あたしも杏樹もよろめいた。
また何か、大型の武器か。
最初の音はトラクターとは別の場所からだった。爆発音は隣の建物か、レストランか。ここからは少し離れていた。
トラクターは囮か。
ほんとうにしつこい奴らだ。
「吸血鬼に夜襲なんて、いい度胸じゃない」
杏樹は地響きをあげてロータリーを入ってくるトラクターを見ながら、窓ガラスに当てた手に力を込める。
ビシ、と窓に亀裂が走った。
また――ばしゅう、と音が響く。
さっきより近い。
「伏せろ!」
あたしは床を蹴って飛び出した。
杏樹の腕をひっ掴み、窓から引き剥がす。勢いのまま、連絡通路の床に飛び込むようにして伏せた。
後ろで轟音が弾ける。
爆風が吹き付けて、ポンチョのフードが脱げた。夜でなければ、日に焼かれていたところだ。
風が強く吹き付けてくる。ガラガラと瓦礫が崩れる音がする。
振り返ると、さっきまで立っていた場所の窓と天井に穴が空いていた。連絡通路の床は残っているが、いつ崩れるか分からない。
杏樹は床に転がったまま、ギリギリと歯を噛みしめる。つり上げた口が笑みの形になる。
「やってくれるじゃない。ここ破壊されたら不便でしょうがないんだけど!」
華奢な少女は立ち上がって、吹き抜けになった通路から外を見た。
病棟から連絡通路に駆けてくる足音がする。
あたしは素早く起き上がって、転がったパドルを握った。
「杏樹、ここにいたのか!」
史仁だ。
昼間と同じように、シャツの上に防弾チョッキのようなものを着て、籠手などの防具をつけ、手に弓を持っている。
杏樹は振り返って、風に髪を遊ばせながら笑った。
「やーねえ。心配しすぎ。この中なら安全よ。あたしはもう前とは違うんだし」
史仁は、ぐっと言葉を飲んだ。
杏樹はここに避難してきてから吸血鬼に襲われたと言っていた。史仁にとって杏樹の言葉は、受け入れがたいものだろう。
何かを言いたげな顔をしたまま、史仁は破壊された窓の壁へ踏み出す。
「杏樹、そこから離れて」
「うん」
蒸気トラクターの爆音が外をうろうろしている。あの音が空気と感覚を乱す。
史仁は空いた穴の近くに身を寄せて、手にしていた弓を引き絞る。息を詰めて、待つ。
その直後、ほんの一瞬、闇の中に光が弾けた。下のガーデンのあたり。
ばしゅう、と発射の音が響く前に、史仁は瓦礫に足をかけて身を乗り出す。素早く矢を放った。
弾は別の壁に着弾し、また轟音が響いて、建物が揺れる。別の階だ。
そして史仁の矢は、光が弾けたあたりに、真っ直ぐに飛んでいった。どさり、と重いものが倒れる音がする。
吸血鬼のあたしの目には、ロケットランチャーを構えた男の額を、矢が射抜いたのが見えた。さっき光ったのは、発射のときのバックブラストか。
それから、屋上の辺りから光が弧を描いて放たれた。火矢が流れ星のように幾筋も飛んでいく。
火矢は、あちらこちらに光を灯した。松明があらかじめ用意されていたのかもしれない。煙の臭いが風にながれてくる。
「好き放題してくれて。絶対に許さないわよ」
杏樹は奥へ駆けていく。追いかけようとすると、くるりと振り返って、厳しい顔で行った。
「あんたは来なくていい。足手まといよ。よそ者に足並み乱されたら困るのよ。居住エリアに行って、誰も部屋から出てこないように伝えて。万が一にそなえてみんなを守ってくれたらいい」
一階に降りた方が逃げやすいのではないか。
それとも皆で集まってどこかに隠れたほうがいいのでは。思ったが、地震ならともかく、下に行けば略奪者がいる。
部屋に閉じこもり、ドアを開けずにたてこもっていれば時間を稼げる。
他の人が襲われている間に逃げることも出来るということか。
あたしは杏樹たちと離れて、動かないエスカレーターのところから駆けあがる。皆が住んでいるのはこの建物の上の方だ。
訓練されているのか、慣れているのか。これだけの爆発や破壊に、悲鳴や騒ぐ声は何も聞こえてこない。
誰も部屋を飛び出して逃げ惑ったりしている様子はなかった。
ただ、亨悟は別だった。
「おい、いつの間にかいなくなってるから、びっくりしただろ!」
エスカレーターを駆けてくるのに行き会った。
「部屋に戻れ、杏樹達が対応してる」
「でもあれ、あいつらだろ」
炭鉱ヤクザども。言うまでもない。
「俺を追って来たんじゃないのか。俺のせいで――」
また爆音が弾けた。
すこし上の階。入院施設のあるところ、皆の居住スペースだ。
0
お気に入りに追加
10
あなたにおすすめの小説
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
S級騎士の俺が精鋭部隊の隊長に任命されたが、部下がみんな年上のS級女騎士だった
ミズノみすぎ
ファンタジー
「黒騎士ゼクード・フォルス。君を竜狩り精鋭部隊【ドラゴンキラー隊】の隊長に任命する」
15歳の春。
念願のS級騎士になった俺は、いきなり国王様からそんな命令を下された。
「隊長とか面倒くさいんですけど」
S級騎士はモテるって聞いたからなったけど、隊長とかそんな重いポジションは……
「部下は美女揃いだぞ?」
「やらせていただきます!」
こうして俺は仕方なく隊長となった。
渡された部隊名簿を見ると隊員は俺を含めた女騎士3人の計4人構成となっていた。
女騎士二人は17歳。
もう一人の女騎士は19歳(俺の担任の先生)。
「あの……みんな年上なんですが」
「だが美人揃いだぞ?」
「がんばります!」
とは言ったものの。
俺のような若輩者の部下にされて、彼女たちに文句はないのだろうか?
と思っていた翌日の朝。
実家の玄関を部下となる女騎士が叩いてきた!
★のマークがついた話数にはイラストや4コマなどが後書きに記載されています。
※2023年11月25日に書籍が発売しています!
イラストレーターはiltusa先生です!
※コミカライズも進行中!
如月さんは なびかない。~クラスで一番の美少女に、何故か告白された件~
八木崎(やぎさき)
恋愛
「ねぇ……私と、付き合って」
ある日、クラスで一番可愛い女子生徒である如月心奏に唐突に告白をされ、彼女と付き合う事になった同じクラスの平凡な高校生男子、立花蓮。
蓮は初めて出来た彼女の存在に浮かれる―――なんて事は無く、心奏から思いも寄らない頼み事をされて、それを受ける事になるのであった。
これは不器用で未熟な2人が成長をしていく物語である。彼ら彼女らの歩む物語を是非ともご覧ください。
一緒にいたい、でも近づきたくない―――臆病で内向的な少年と、偏屈で変わり者な少女との恋愛模様を描く、そんな青春物語です。
ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話
桜井正宗
青春
――結婚しています!
それは二人だけの秘密。
高校二年の遙と遥は結婚した。
近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。
キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。
ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。
*結婚要素あり
*ヤンデレ要素あり
後宮の胡蝶 ~皇帝陛下の秘密の妃~
菱沼あゆ
キャラ文芸
突然の譲位により、若き皇帝となった苑楊は封印されているはずの宮殿で女官らしき娘、洋蘭と出会う。
洋蘭はこの宮殿の牢に住む老人の世話をしているのだと言う。
天女のごとき外見と豊富な知識を持つ洋蘭に心惹かれはじめる苑楊だったが。
洋蘭はまったく思い通りにならないうえに、なにかが怪しい女だった――。
中華後宮ラブコメディ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる