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第一章
【3】 花の島は銃器が守り 3
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次の日の朝早く、七穂がいないのに気がついて、俺は家を出た。
俺たちの家は、元はアイランドパークという名で運営されていた公園の中にある。渡船場からは少し遠い、山の上だ。
昔は花やバーベキューや貸別荘なんかを目当てに街から人が来ていたらしい。
俺の両親は島の人間じゃなかったから、かつて貸別荘として使われていた建物に住んでいる。
外から来た他の人たちは、山の中に自分たちで家を作ったり、キャンプ場のコテージに肩を寄せて生活していたりするから、これはやっぱりかなり待遇がいい。
朝日は昇り始めたばかりで、辺りはまだうっすらと暗い。
家の目の前の開けた場所では、緑の草にあふれている。その中に、ちらほらと咲き始めた花が揺れていた。
青々とした海と、博多の街を背景に。
ここには昔からコスモスの花壇があったらしい。今も雑草と一緒にすくすく育っている。もうすぐ満開になるだろう。
パーク跡にはたくさんの花壇があって、あちこちで食料を植えている。
ここは管理する人手が足りなくて、ほったらかしになった。そのうちやっぱり、掘り返されるのかもしれないけど。
まあ俺は、コスモスだって食えるから、食うんだけど。
緑の群れの脇には防人の時代の狼煙台があって、その先を少しのぼると、広いレストラン跡がある。
俺たちの家よりも高台になるここは、海を見下ろして、遠く博多の町が見渡せた。ひときわ背の高い福岡タワーがとんがって建って、ドーム球場やシーホークホテルが見える。その向こうを、朝日が昇ろうとしてた。
「七穂」
ウッドデッキに座り込んだ小さな影を見つけて、俺はそっと呼んだ。
気がつくと七穂は、いつもここで、一人で座っている。
何かあった時に誰かに助けてほしいから、一人にはなってほしくないけど、一人になりたい気持ちもわかるから、俺は何も言えない。
七穂は膝を抱えて、海の向こうを見ている。海の向こうの、朝日に照らされた鬼の街を。
俺が隣に座ると、七穂は顔をあげて、俺を見た。いつもと変わらず、明るい顔で笑う。
「ねえ、向こうの話きかせてよ。亨悟くんは元気だった?」
取り繕ってるのなんて、分かりきってる。けど俺は、気づかないふりをした。肩をあげて、おどけて言う。
「ああ、憎らしいほどマイペースに元気だよ」
妹には、いつも町であったことを色々話して聞かせていた。
外には出られないかわりに、たくさんの話をした。だから亨悟に会ったことはないが、まるで友達のことのように奴の無事も聞きたがる。
でも、天神に行った話しなんかはできなかった。この島からは考えられないような、大きな道路とビル群に見降ろされた街の様子は、七穂には想像もできない場所だろうから、話のネタにはなるんだけど。
危ない場所だと言うことは知ってるはずだから、言えない。
「何かおもしろいことあった?」
「ああ、知らない奴に会ったな」
「隠れてる人がいたの? お兄ちゃんも亨悟くんも知らない人?」
俺と亨悟の隠れ家は自転車で行ける範囲、福岡市内のほとんどあちこちにある。ここみたいに、拠点《シマ》を持っている連中を刺激しない程度に、俺たちは勝手にうろうろしながら、あちこちの情報を集めている。
かと言って、俺が何もかも知ってるわけじゃない。妹は兄を買いかぶっているところがあった。
すごいと思われていることをあえて訂正する必要もないから、そのままにしてるけど。
――それにあれは、俺じゃなくたって、知らない奴のはずだ。
人と群れず、慎重に隠れているような人もいるし、俺たちみたいなはぐれ者を襲って略奪して生きてる奴らもいる。炭鉱のヤクザたちだけが俺たちの敵じゃない。
天神が危ない場所だと知っていて足を踏み入れたようには見えなかった。炭鉱ヤクザを知らなかった。あのうるさい奴らを。
「よそ者だな。どこから来たか知らないが」
たまに、亨悟みたいなのをこじらせて、土地を逃げ出していく奴がいる。逃げ込んでくる奴もいる。
「亨悟くんみたいな人?」
同じことを考えてた七穂に俺は笑う。
この島の決まりでは、十歳になって、本人の希望と親の許しがあれば、島の外の様子を見に行くことが出来る。外界の現状を知るためと、大人になったとき島のために働けるよう、準備を始める。
十五歳を過ぎれば、学校を追い出されて、どうやって生きていくか決めないといけない。
男はだいたい自警団に加わるのを求められるし、そうでなければ、食料のために農業をしたり、なんらかの技能を身につけないと島は居心地が悪い。
役に立たない奴はいられない。きちんとやっているのか、常に誰かの監視の目がある。
でも亨悟みたいに、この危ない土地を渡り歩く方が楽だと言う奴もやっぱりいるのだ。炭鉱の奴らはもっと容赦ないだろうから、軍隊のような所から逃げたかったのかも知れないが。
やつが、スパイでなければの話だが。
よそに行けばもっといい場所があるかもとか、いいものがあるかもとか、期待する奴もいる。吸血鬼のいない、安全な土地があるかもと錯覚して、旅をして歩く奴もいる。
だが実際、よそものは土地を追われた奴だ。集団の中で何かをやらかして追い出されたか、土地を移動しながら略奪をする奴ら。
――だけど、そういう感じには見えなかった。あの目。
七穂の言うように、あの少女も、小さな輪で見張りあってるような、人間たちの目が嫌になったのかもしれない。
「俺と同じ年くらいに見えたけど、女だった」
七穂は目を輝かせた。
「女の子で探検家なの?」
探検家、という言葉に俺はふきだす。
――七穂は、自分が島の外に出られないから、うらやましいのだろう。
「ああ、強そうだった」
強かったとか、二度も助けられた、とは言わない。
「すごいなあ、かっこいいなあ」
潮風に、七穂の髪がゆれる。
「いつか会えるかなあ」
七穂は、一緒に来なかったの、とは言わなかった。亨悟と同じで、よそ者はこの島には来られない。
「気づいたらいなくなってたよ」
「そうなんだ。残念。なんていう名前?」
「……紗奈」
「かわいい名前。また会えるといいね」
「そうだな」
とりあえず、俺はそう応えた。
眼鏡の奥の、意志の強そうな目が脳裏に甦る。頑固そうな顔の少女だった。
「戻るの?」
「ああ、向こうの動きに目を光らせとかないと。今度は図書館に行って本を持ってきてやる」
「絶対に、無理しないで」
子供に言い含めるように、七穂は言った。俺は笑いながら、はいはい、とうなづく。それよりも、と俺は言い返した。
「大人しくしてろよ。何があっても走るな。動物に近づくな。イラつくことがあったら、まず深呼吸だ。ストレスためたらだめだぞ。また戻って来た時に何でも聞いてやる」
「分かってる」
「たまには、散歩して運動もしていいけど。絶対に走るな」
「分かってるよ」
七穂は、俺にしがみついた。傷が痛むし、サランラップがごわごわしたけど、俺は七穂の細い肩を抱きしめた。
遠く、鬼の棲む街の方から、朝日が昇る。
「分かってるから、言いつけ守るから、絶対帰って来てね」
七穂は、震える声で言った。
俺たちの家は、元はアイランドパークという名で運営されていた公園の中にある。渡船場からは少し遠い、山の上だ。
昔は花やバーベキューや貸別荘なんかを目当てに街から人が来ていたらしい。
俺の両親は島の人間じゃなかったから、かつて貸別荘として使われていた建物に住んでいる。
外から来た他の人たちは、山の中に自分たちで家を作ったり、キャンプ場のコテージに肩を寄せて生活していたりするから、これはやっぱりかなり待遇がいい。
朝日は昇り始めたばかりで、辺りはまだうっすらと暗い。
家の目の前の開けた場所では、緑の草にあふれている。その中に、ちらほらと咲き始めた花が揺れていた。
青々とした海と、博多の街を背景に。
ここには昔からコスモスの花壇があったらしい。今も雑草と一緒にすくすく育っている。もうすぐ満開になるだろう。
パーク跡にはたくさんの花壇があって、あちこちで食料を植えている。
ここは管理する人手が足りなくて、ほったらかしになった。そのうちやっぱり、掘り返されるのかもしれないけど。
まあ俺は、コスモスだって食えるから、食うんだけど。
緑の群れの脇には防人の時代の狼煙台があって、その先を少しのぼると、広いレストラン跡がある。
俺たちの家よりも高台になるここは、海を見下ろして、遠く博多の町が見渡せた。ひときわ背の高い福岡タワーがとんがって建って、ドーム球場やシーホークホテルが見える。その向こうを、朝日が昇ろうとしてた。
「七穂」
ウッドデッキに座り込んだ小さな影を見つけて、俺はそっと呼んだ。
気がつくと七穂は、いつもここで、一人で座っている。
何かあった時に誰かに助けてほしいから、一人にはなってほしくないけど、一人になりたい気持ちもわかるから、俺は何も言えない。
七穂は膝を抱えて、海の向こうを見ている。海の向こうの、朝日に照らされた鬼の街を。
俺が隣に座ると、七穂は顔をあげて、俺を見た。いつもと変わらず、明るい顔で笑う。
「ねえ、向こうの話きかせてよ。亨悟くんは元気だった?」
取り繕ってるのなんて、分かりきってる。けど俺は、気づかないふりをした。肩をあげて、おどけて言う。
「ああ、憎らしいほどマイペースに元気だよ」
妹には、いつも町であったことを色々話して聞かせていた。
外には出られないかわりに、たくさんの話をした。だから亨悟に会ったことはないが、まるで友達のことのように奴の無事も聞きたがる。
でも、天神に行った話しなんかはできなかった。この島からは考えられないような、大きな道路とビル群に見降ろされた街の様子は、七穂には想像もできない場所だろうから、話のネタにはなるんだけど。
危ない場所だと言うことは知ってるはずだから、言えない。
「何かおもしろいことあった?」
「ああ、知らない奴に会ったな」
「隠れてる人がいたの? お兄ちゃんも亨悟くんも知らない人?」
俺と亨悟の隠れ家は自転車で行ける範囲、福岡市内のほとんどあちこちにある。ここみたいに、拠点《シマ》を持っている連中を刺激しない程度に、俺たちは勝手にうろうろしながら、あちこちの情報を集めている。
かと言って、俺が何もかも知ってるわけじゃない。妹は兄を買いかぶっているところがあった。
すごいと思われていることをあえて訂正する必要もないから、そのままにしてるけど。
――それにあれは、俺じゃなくたって、知らない奴のはずだ。
人と群れず、慎重に隠れているような人もいるし、俺たちみたいなはぐれ者を襲って略奪して生きてる奴らもいる。炭鉱のヤクザたちだけが俺たちの敵じゃない。
天神が危ない場所だと知っていて足を踏み入れたようには見えなかった。炭鉱ヤクザを知らなかった。あのうるさい奴らを。
「よそ者だな。どこから来たか知らないが」
たまに、亨悟みたいなのをこじらせて、土地を逃げ出していく奴がいる。逃げ込んでくる奴もいる。
「亨悟くんみたいな人?」
同じことを考えてた七穂に俺は笑う。
この島の決まりでは、十歳になって、本人の希望と親の許しがあれば、島の外の様子を見に行くことが出来る。外界の現状を知るためと、大人になったとき島のために働けるよう、準備を始める。
十五歳を過ぎれば、学校を追い出されて、どうやって生きていくか決めないといけない。
男はだいたい自警団に加わるのを求められるし、そうでなければ、食料のために農業をしたり、なんらかの技能を身につけないと島は居心地が悪い。
役に立たない奴はいられない。きちんとやっているのか、常に誰かの監視の目がある。
でも亨悟みたいに、この危ない土地を渡り歩く方が楽だと言う奴もやっぱりいるのだ。炭鉱の奴らはもっと容赦ないだろうから、軍隊のような所から逃げたかったのかも知れないが。
やつが、スパイでなければの話だが。
よそに行けばもっといい場所があるかもとか、いいものがあるかもとか、期待する奴もいる。吸血鬼のいない、安全な土地があるかもと錯覚して、旅をして歩く奴もいる。
だが実際、よそものは土地を追われた奴だ。集団の中で何かをやらかして追い出されたか、土地を移動しながら略奪をする奴ら。
――だけど、そういう感じには見えなかった。あの目。
七穂の言うように、あの少女も、小さな輪で見張りあってるような、人間たちの目が嫌になったのかもしれない。
「俺と同じ年くらいに見えたけど、女だった」
七穂は目を輝かせた。
「女の子で探検家なの?」
探検家、という言葉に俺はふきだす。
――七穂は、自分が島の外に出られないから、うらやましいのだろう。
「ああ、強そうだった」
強かったとか、二度も助けられた、とは言わない。
「すごいなあ、かっこいいなあ」
潮風に、七穂の髪がゆれる。
「いつか会えるかなあ」
七穂は、一緒に来なかったの、とは言わなかった。亨悟と同じで、よそ者はこの島には来られない。
「気づいたらいなくなってたよ」
「そうなんだ。残念。なんていう名前?」
「……紗奈」
「かわいい名前。また会えるといいね」
「そうだな」
とりあえず、俺はそう応えた。
眼鏡の奥の、意志の強そうな目が脳裏に甦る。頑固そうな顔の少女だった。
「戻るの?」
「ああ、向こうの動きに目を光らせとかないと。今度は図書館に行って本を持ってきてやる」
「絶対に、無理しないで」
子供に言い含めるように、七穂は言った。俺は笑いながら、はいはい、とうなづく。それよりも、と俺は言い返した。
「大人しくしてろよ。何があっても走るな。動物に近づくな。イラつくことがあったら、まず深呼吸だ。ストレスためたらだめだぞ。また戻って来た時に何でも聞いてやる」
「分かってる」
「たまには、散歩して運動もしていいけど。絶対に走るな」
「分かってるよ」
七穂は、俺にしがみついた。傷が痛むし、サランラップがごわごわしたけど、俺は七穂の細い肩を抱きしめた。
遠く、鬼の棲む街の方から、朝日が昇る。
「分かってるから、言いつけ守るから、絶対帰って来てね」
七穂は、震える声で言った。
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