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tu fui, ego eris
duo
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夢を観ていた。それは確かなのだが、どのような夢を観ていたのかが思い出せない。とても重要なことだった気がするから思い出したいのだが、何一つ記憶に残っていなかった。
「……せ」
誰かが呼んでいる。
「せん……い」
意識が呼び声に引きずられ、更に夢が遠のいていく。
「先生!」
身体を揺すぶられ、意識がハッキリとする。いつのまにか机の上に突っ伏して寝ていたようだ。上半身を起こし、呼び声の主を確認する。
「天弥……」
確認するまでも無かった。どちらなのか理解出来た。
「おはようございます」
「おはよう」
机の上に座り込んでいる天弥を確認した。
「あれからどうなったんだ?」
とりあえず、天弥が意識を取り戻したことに安堵する。この際、どちらでも構わなかった。無事であれば、後から確認をすれば良い。
「おかげさまで、意識を取り戻しました」
「そうか……」
「一応、言っておきますが、先生の気力も体力も無尽蔵って訳ではないのですよ?」
有限だろうと、天弥が助かるのなら厭うことは無かった。
「とりあえず、ここから移動した方が良いと思います」
「なぜだ?」
天弥が斎の手を取る。
「救助が来ます」
それなら、むしろありがたいのではと思いつつも、外の状況がどうなっているのかが分からず考え込む。絢子の死体は残っているのか。海に飛び込んだ教団の信者たちはどうなっているのか。ここに残ったものは居るのか。などなど、次々とここから立ち去った方が良いことが思い浮かぶ。止めは、二柱の神についてだ。ここで争っていたことはすでに確認されているだろう。その状況でこの場にいることは振りな立場になるだろう。だが、どうやってここから出るのかが分からない。
「少し回復しているから、なんとか移動できます」
「大丈夫なのか?」
天弥にしては珍しいと思える素直な笑みが浮かぶ。
「先生のおかげです」
天弥は大丈夫とは言わなかった。もしかしなくても無理をさせることになるのではと不安が過る。
「陸地に戻るぐらいなら……」
斎の考えを見通したかのように、制限を告げる。
「どちらにしても、このままここに居たら……」
天弥の言葉が終わる前に、斎は闇に包まれる。
「分かった。だが、無茶はするな」
斎がそう伝えた時、周囲の様子が変化していた。昨日のことは陸地にも爪痕を残している。だが、思ったほどでは無く、胸を撫で下ろす。そして、目の前に自分の車があることに気が付き、急いで鍵を開ける。
「乗れ」
天弥に声をかけ、車に乗り込む。ここはサイラスが住んでいるところだ。なにがあってもおかしくない。消えた三人が今どこに居るのか分からない以上、警戒をした方が良い。もしかすると、三人はここにいるのかもしれないのだ。天弥が車に乗り込んだのを確認すると、斎はエンジンをかけ発車した。
「……せ」
誰かが呼んでいる。
「せん……い」
意識が呼び声に引きずられ、更に夢が遠のいていく。
「先生!」
身体を揺すぶられ、意識がハッキリとする。いつのまにか机の上に突っ伏して寝ていたようだ。上半身を起こし、呼び声の主を確認する。
「天弥……」
確認するまでも無かった。どちらなのか理解出来た。
「おはようございます」
「おはよう」
机の上に座り込んでいる天弥を確認した。
「あれからどうなったんだ?」
とりあえず、天弥が意識を取り戻したことに安堵する。この際、どちらでも構わなかった。無事であれば、後から確認をすれば良い。
「おかげさまで、意識を取り戻しました」
「そうか……」
「一応、言っておきますが、先生の気力も体力も無尽蔵って訳ではないのですよ?」
有限だろうと、天弥が助かるのなら厭うことは無かった。
「とりあえず、ここから移動した方が良いと思います」
「なぜだ?」
天弥が斎の手を取る。
「救助が来ます」
それなら、むしろありがたいのではと思いつつも、外の状況がどうなっているのかが分からず考え込む。絢子の死体は残っているのか。海に飛び込んだ教団の信者たちはどうなっているのか。ここに残ったものは居るのか。などなど、次々とここから立ち去った方が良いことが思い浮かぶ。止めは、二柱の神についてだ。ここで争っていたことはすでに確認されているだろう。その状況でこの場にいることは振りな立場になるだろう。だが、どうやってここから出るのかが分からない。
「少し回復しているから、なんとか移動できます」
「大丈夫なのか?」
天弥にしては珍しいと思える素直な笑みが浮かぶ。
「先生のおかげです」
天弥は大丈夫とは言わなかった。もしかしなくても無理をさせることになるのではと不安が過る。
「陸地に戻るぐらいなら……」
斎の考えを見通したかのように、制限を告げる。
「どちらにしても、このままここに居たら……」
天弥の言葉が終わる前に、斎は闇に包まれる。
「分かった。だが、無茶はするな」
斎がそう伝えた時、周囲の様子が変化していた。昨日のことは陸地にも爪痕を残している。だが、思ったほどでは無く、胸を撫で下ろす。そして、目の前に自分の車があることに気が付き、急いで鍵を開ける。
「乗れ」
天弥に声をかけ、車に乗り込む。ここはサイラスが住んでいるところだ。なにがあってもおかしくない。消えた三人が今どこに居るのか分からない以上、警戒をした方が良い。もしかすると、三人はここにいるのかもしれないのだ。天弥が車に乗り込んだのを確認すると、斎はエンジンをかけ発車した。
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