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alea jacta est
undeviginti
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斎を危険な目に合わせたくはないと思うが、ここに来てしまった以上、むしろ一緒に居るほうが安全なのではと考え、天弥は頷いた。
「あ……」
突然、天弥はなにかを思い出したような声を発する。
「どうした?」
なにか救いを求めるような視線を、天弥は斎に送っている。
「えっと……僕……」
少し困ったように視線を落とした。
「どうやって神様を呼べば良いのかわかんない……」
「は?」
突然のことに、斎は驚きの表情を浮かべ、その後は考え込むような表情へと変わる。
「南極ではどうしたんだ?」
確実に二柱を召喚している。あれは、どうやって呼んだというのか。
「えっとね。闇の神様は、普通に来てくださいって言ったら来てくれた」
「そうか……」
闇の神は、本来の天弥とつながりがあるようだから、それは頷けた。
「クトゥグアはどうした?」
天弥が小首を傾げながら斎を見る。あまり理解していないことはすぐに理解できた。とりあえず話を聞こうと室内への移動を考える。異常気象と判断されたのであろう。周囲の店舗には人がいる気配はなかった。とりあえず、一番、近い場所を目指す。天弥は大人しく手を引かれ付いて行った。向かい風ではなかったため、そう苦労せずに辿り着くことが出来た。店内に風は吹いていないが、強い風が窓を揺らし大きな音を立てている。二人は揃って椅子に腰掛ける。
「それで、クトゥグアはどうしたんだ?」
「くとぐあ……?」
そこからかと斎は軽く肩を落とした。
「火の神だ。燃えているのはどうしたんだ?」
言われて理解できたと言わんばかりに天弥の顔が輝く。
「あれは、サイラスくんが言う変なのを続けてまねしたら来たの」
「もしかして、呪文だけで召喚出来るのか?」
再び、天弥が小首を傾げる。
「Ph'nglui mglw'nafh Cthugha Formalhaut n'gha-ghaa naf'l thagn! Ia! Cthugha! これか?」
「あ! 変なの! それを真似したら来た!」
「そうか……今は言うなよ」
天弥が頷く。サイラスのアドバイスだとい言うのならさもありなんだ。でなければ、対立する神も知らず呪文も知らない、この天弥には無理だっただろう。
「今回も呼べるか?」
首を捻り、天弥は考える。
「えっと……たぶん……?」
ハッキリとしない返事だが、おそらく天弥にも分からないのだろう。何も知らず、何も理解せずによく前回のようなたいそれたことが出来たものだと感心をする。
「前と同じのを呼べば良いの?」
「いや、今回は別のだ」
「はい」
天弥の返事を聞くと、もう一人、神ではないが眷属を呼んだ者が居たことが脳裏に蘇る。眷属とはいえ、呼び出すには色々と制約がある。おそらくは、呪文だけで呼んだのだ。だとすると、北川絢子は風に関する何かがあるのかもしれない。そして天弥はなにが関係するのかと考える。まず間違いなく、北川絢子とは比べ物にならない力を持っているのだろう。
「あ……」
突然、天弥はなにかを思い出したような声を発する。
「どうした?」
なにか救いを求めるような視線を、天弥は斎に送っている。
「えっと……僕……」
少し困ったように視線を落とした。
「どうやって神様を呼べば良いのかわかんない……」
「は?」
突然のことに、斎は驚きの表情を浮かべ、その後は考え込むような表情へと変わる。
「南極ではどうしたんだ?」
確実に二柱を召喚している。あれは、どうやって呼んだというのか。
「えっとね。闇の神様は、普通に来てくださいって言ったら来てくれた」
「そうか……」
闇の神は、本来の天弥とつながりがあるようだから、それは頷けた。
「クトゥグアはどうした?」
天弥が小首を傾げながら斎を見る。あまり理解していないことはすぐに理解できた。とりあえず話を聞こうと室内への移動を考える。異常気象と判断されたのであろう。周囲の店舗には人がいる気配はなかった。とりあえず、一番、近い場所を目指す。天弥は大人しく手を引かれ付いて行った。向かい風ではなかったため、そう苦労せずに辿り着くことが出来た。店内に風は吹いていないが、強い風が窓を揺らし大きな音を立てている。二人は揃って椅子に腰掛ける。
「それで、クトゥグアはどうしたんだ?」
「くとぐあ……?」
そこからかと斎は軽く肩を落とした。
「火の神だ。燃えているのはどうしたんだ?」
言われて理解できたと言わんばかりに天弥の顔が輝く。
「あれは、サイラスくんが言う変なのを続けてまねしたら来たの」
「もしかして、呪文だけで召喚出来るのか?」
再び、天弥が小首を傾げる。
「Ph'nglui mglw'nafh Cthugha Formalhaut n'gha-ghaa naf'l thagn! Ia! Cthugha! これか?」
「あ! 変なの! それを真似したら来た!」
「そうか……今は言うなよ」
天弥が頷く。サイラスのアドバイスだとい言うのならさもありなんだ。でなければ、対立する神も知らず呪文も知らない、この天弥には無理だっただろう。
「今回も呼べるか?」
首を捻り、天弥は考える。
「えっと……たぶん……?」
ハッキリとしない返事だが、おそらく天弥にも分からないのだろう。何も知らず、何も理解せずによく前回のようなたいそれたことが出来たものだと感心をする。
「前と同じのを呼べば良いの?」
「いや、今回は別のだ」
「はい」
天弥の返事を聞くと、もう一人、神ではないが眷属を呼んだ者が居たことが脳裏に蘇る。眷属とはいえ、呼び出すには色々と制約がある。おそらくは、呪文だけで呼んだのだ。だとすると、北川絢子は風に関する何かがあるのかもしれない。そして天弥はなにが関係するのかと考える。まず間違いなく、北川絢子とは比べ物にならない力を持っているのだろう。
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