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emitte lucem et veritatem
sex
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斎の返事を聞いても、サイラスは特に動揺も見せなかった。
「先生のためを思って言ったんやけどな」
なぜそれが自分の為なのかと、斎は疑問を持つ。
「今ならまだ、引き返せるんやけど……」
「どういう意味だ?」
翠の瞳でジッと見つめるサイラスへ、即効聞き返す。
「天弥に関わるなってことや」
なぜ、関わるなと言われるのか、サイラスの真意を探ろうとする。
「今更、関わるなと言われても、もう無理だ」
サイラスに向かい、もうすでに、自分は十分に係わっているのだという事を、暗に仄めかす。
「無理? なんでや?」
少し考えた後、斎は口を開いた。
「Ut est non mortuus quod can eternus recubo. Quod per insolitus aeons vel nex may intereo」
斎の口から流れる言葉に、サイラスは困ったような表情をする。
「俺、先生と違うて、英語と日本語しか分からへんのや。どっちかの言葉にしてくれへん?」
要望に、斎は再び口を開く。
「That is not dead which can eternal lie. And with strange aeons even death may die」
サイラスの表情が変わる。
「そういやその本、今は先生が持っとるんやったな」
サイラスは少し考え込む表情をした。
「丁度ええわ、それも渡して欲しいんやけど」
サイラスの目つきが変わる。挑戦的な瞳で、斎を見つめると、表情までも好戦的に変わった。
「断ると言ったら?」
斎の返事を聞き、サイラスは楽しそうな笑みを浮かべる。
「もちろん、力ずくってやつやな」
その解決方法はもちろん想定していたが、出来れば避けたいと考えていた。探るようにサイラスを見る。六年前ならいざ知らず、今は圧倒的に不利なおは理解できる。
「どないする?」
すでにサイラスからは、戦闘を待ちわびる雰囲気が醸し出されている。出来る事ならと、回避する術を探るのを試みる。
「訳も分からずに、選択を迫られても困るんだが」
サイラスは少し考え込んだ。
「それもそうやけど、話せる事は限度があるしな……」
そう言いながら何か良いことをを思いついたと言わんばかりに、斎を見た。
「どうしても知りたいって言うのやったら、俺を倒してからにしてや。それやったら、俺も言い訳できるしな」
斎がため息を吐いた。結局、サイラスがそれを望んでいる以上、回避は難しいのかと、斎は少し憂鬱になる。
「倒せと言われても、六年のブランクがあると言ったはずだが……」
そう言いながらも意識を切り替え、相手の様子を伺う。特に構える様子もなく、自然な状態で向き合っている。距離はおよそ二メートル半ほど、その気になれば一気に踏み込める間合いだ。
「それでも、素人さんやないやろ?」
その言葉が終わるか終わらないかと同時に、サイラスは一気に間合いを詰め、左の拳を斎の顔面めがけて繰り出す。斎は右足を後ろに引き、その拳を目前で避けるとその背後に回り込もうとするが、既に遅くかわされた反動を利用し、サイラスは左足を軸に身体ごと勢いよく回転するように、右足を蹴り上げた。
「先生のためを思って言ったんやけどな」
なぜそれが自分の為なのかと、斎は疑問を持つ。
「今ならまだ、引き返せるんやけど……」
「どういう意味だ?」
翠の瞳でジッと見つめるサイラスへ、即効聞き返す。
「天弥に関わるなってことや」
なぜ、関わるなと言われるのか、サイラスの真意を探ろうとする。
「今更、関わるなと言われても、もう無理だ」
サイラスに向かい、もうすでに、自分は十分に係わっているのだという事を、暗に仄めかす。
「無理? なんでや?」
少し考えた後、斎は口を開いた。
「Ut est non mortuus quod can eternus recubo. Quod per insolitus aeons vel nex may intereo」
斎の口から流れる言葉に、サイラスは困ったような表情をする。
「俺、先生と違うて、英語と日本語しか分からへんのや。どっちかの言葉にしてくれへん?」
要望に、斎は再び口を開く。
「That is not dead which can eternal lie. And with strange aeons even death may die」
サイラスの表情が変わる。
「そういやその本、今は先生が持っとるんやったな」
サイラスは少し考え込む表情をした。
「丁度ええわ、それも渡して欲しいんやけど」
サイラスの目つきが変わる。挑戦的な瞳で、斎を見つめると、表情までも好戦的に変わった。
「断ると言ったら?」
斎の返事を聞き、サイラスは楽しそうな笑みを浮かべる。
「もちろん、力ずくってやつやな」
その解決方法はもちろん想定していたが、出来れば避けたいと考えていた。探るようにサイラスを見る。六年前ならいざ知らず、今は圧倒的に不利なおは理解できる。
「どないする?」
すでにサイラスからは、戦闘を待ちわびる雰囲気が醸し出されている。出来る事ならと、回避する術を探るのを試みる。
「訳も分からずに、選択を迫られても困るんだが」
サイラスは少し考え込んだ。
「それもそうやけど、話せる事は限度があるしな……」
そう言いながら何か良いことをを思いついたと言わんばかりに、斎を見た。
「どうしても知りたいって言うのやったら、俺を倒してからにしてや。それやったら、俺も言い訳できるしな」
斎がため息を吐いた。結局、サイラスがそれを望んでいる以上、回避は難しいのかと、斎は少し憂鬱になる。
「倒せと言われても、六年のブランクがあると言ったはずだが……」
そう言いながらも意識を切り替え、相手の様子を伺う。特に構える様子もなく、自然な状態で向き合っている。距離はおよそ二メートル半ほど、その気になれば一気に踏み込める間合いだ。
「それでも、素人さんやないやろ?」
その言葉が終わるか終わらないかと同時に、サイラスは一気に間合いを詰め、左の拳を斎の顔面めがけて繰り出す。斎は右足を後ろに引き、その拳を目前で避けるとその背後に回り込もうとするが、既に遅くかわされた反動を利用し、サイラスは左足を軸に身体ごと勢いよく回転するように、右足を蹴り上げた。
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