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第26章 決戦
第215話 あの日の再来
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上空に暗雲が立ち込められた城を見上げる集団がいた。
「ようやくここまで辿り着く事が出来たな」
「えぇ。長い道のりでした」
集団の先頭に立ち目の前の魔王城を見上げながらアレクさんとエルフ族のフィリップさんが言葉を交わしあった。
そう、前回 (前世)と同じように。
その後も「まぁ色々あったけど、それも今日で終わらせる事が出来るんだから、良しとしましょうよ」「あぁ、そうだな」亜人族のマーロンさんにドワーフ族のロックさんも全く同じ言葉を挟んだ。
この辺りのやり取りはまさに全く同じ展開であった。そして4人が僕らの方を向きアレクさんが僕達に語り掛けた後聖剣を掲げ、連合軍の皆が雄叫びを上げた。
その後にフィリップさん達がそれぞれ語った後アレクさんの「さぁいざ、魔王城へ!!」の叫びと皆の「オォーーーーーッ!」という雄叫びを合図に一斉に魔王城へ進軍······しそうになった時、(確かあの時はこの直後に······)と前世での記憶を思い出し、そして「皆! 足を踏ん張って!」と大きく叫んだ。
「えっ!?」「何だ? 突然」と当然僕の叫びを聞いた人達は驚き戸惑い出したが、(来たっ!)その直後、前回同様突然地面が揺れて割れ出したのだ。
そのためある者は足がおぼつかない状態となり、またある者は尻餅をついてしまう者までいたのだが、今回は僕の叫びがあった事もあり、そうした状態に陥る人が少なかったのだ。
そしてその割れた地面の中から、また魔王城方面の地上、上空よりそれぞれ大量の魔物達が前回と同じように現れ出した。
その光景を見て「お出でなすったぜぇ!」「怯むな! 一斉攻撃だ!!」ロックさんとアレクさんがそれぞれ叫び、「オォーッ!!」連合軍が呼応して多くの人がすぐに魔王軍に立ち向かう事が出来た。
こうして、僕にとっては"二度目の"勇者パーティー並びに連合軍の大集団と魔王軍との一大決戦が幕を開けたのだった······。
今回も前回同様同族同士で主に戦い、たまに別の種族と協力して魔物達と戦った。僕も前回は騎士団の他の仲間らと共に魔物に挑む多くの1人として、集団のやや後方から魔物達に挑んでいたが今回は······。
ズバッ!「ギャアー!」グサッ!「グォオー!」「うぉおーー!」ブォーン!「ウギャアー!」爪やダガー、そしてスキル"エアーブロウ"などを駆使して集団の"最前線"にて善戦していたのであった。
また前回は途中で兄ちゃんに助けてもらった事があったが今回は、「っ! 兄ちゃん!」スパッ!「っ!」ヒュッ! グサッ!「グァーッ!」兄ちゃんを襲おうとしていた魔物にダガーを投げて倒し、兄ちゃんを助けるなど逆の立場となったのだった。
「サンキュー、レックス!」「うん!」とダガーを返してもらって再び別の魔物にそれぞれ向かった。
そして他の種族の危機的状況の報告を受ける度に「ドワーフ族応援部隊、彼らのところに向かってくれ! 魔人族担当の◯◯に◯◯! お前達も魔人族の応援に向かってくれ!」「「了解!」」兄ちゃんが事前に決めていたそれぞれの種族への応援要員に指示を出して向かわせたりしたのだった。
こうして僕らが前線で戦っている一方、僕らの位置から少し離れた場所に連なっているネールを始めとした魔法部隊も、「火球!」「火炎!」「竜巻!」「氷刃!」と攻撃魔法を浴びせたり、「土壁!」「結界!」など味方の援護魔法を放ったりしていた。
さらにその後方に存在している森の中では団長やポピーなど各種族の司令官クラスの者達が臨機応変に作戦を立てたりしており、その近くの救護所では支援部隊のアリスらが随時治療を施していたのであった······。
戦いが始まって大分時間が経過した頃、「レーックス!」兄ちゃんが僕を呼ぶ叫び声が聞こえたのでそちらを向き「何? 兄ちゃん!」と聞き返した。
「海人族の方で彼らじゃ手に負えない奴が現れたみたいなんだ。ジャック達を連れて応援に向かってくれ!」「っ! 分かった!」と答え偶々僕らのすぐ近くで戦っていた2人に声を掛け、「ジャック! デビット!」「「何だ! レックス!」」「海人族がピンチに陥っているみたいだから応援に向かうよ!」「「分かった!」」その後他の人達にも声をかけ海人族の担当場所へ向かったのだった。
当然この時、兄ちゃんも僕自身もあの運命の事など頭からすっかり抜け落ちていたのであった······。
その海人達はというと······。「うわぁーーっ!」海人族の何人かが全身を小さな炎で覆った蜥蜴のような魔物であるあの"フレイムリザード"のしっぽ攻撃で弾き飛ばされていた。
「くそぅ。やはり我々の攻撃は通じないか」「だとしても、他から応援が駆け付けてくれるまではコイツを足止めするんだ!」「「はい!」」と隊長らしき人が他の者達を鼓舞し、彼らもそれに応えた。
その直後にフレイムリザードが彼らに向かって突進して来た。多くの人は避ける事が出来たが何人かは直撃を食らって倒れてしまった。そんな彼らの1人をフレイムリザードは追い討ちを掛けるように踏み潰そうとしていた。
「うわぁーーっ!」踏み潰されそうになった人が叫んだ直後、ブォーン! ドォーン!「ギャー!!」どこかからか物凄い突風が飛んできてフレイムリザードを吹き飛ばしたのだった。
突然の事態に一瞬海人族らは呆然としたが、すぐに突風の飛んできた方を見たら「大丈夫ですかーー!」「「レックス殿!」」僕達が来たのを見て安堵したのだった。
僕も状況をすぐに理解して「コイツは僕達が相手しますから、皆さんは他の奴らを相手して下さい!」「分かりました。助かります!」隊長らしき人が受け答え、他の人達を連れ添ってその場を離れて行った。
(さて)すぐに僕は吹き飛ばした奴を見た。「まさかコイツだったとは」「知っているのか? レックス」ジャックが聞いてきたので、「うん。フレイムリザードと言って一度兄ちゃんと戦った事があるんだ」と答えた。
「ホントか!? なら弱点も?」「うん。もちろん分かってるよ」「よっしゃ! それなら······」「うん。皆は援護をお願いします!」「「了解!」」
そうしてジャックやデビットらが前方でフレイムリザードの注意を引き付け、その隙に僕は後ろに回り込み僕から注意が離れたところで念のため聖なる短剣を握って弱点を確認し、前回の奴と同じ所だと分かって後方から体に乗っかり、弱点の頭のてっぺん辺りに辿り着きダガーを突き刺した。
直後フレイムリザードは雄叫びをあげて倒れたのだった。「よっしゃあ!」「やったっ!」ジャックとデビットは喜び僕もホッとしたのだった。
しかしすぐに「取り敢えず、海人族達の態勢が戻るまで暫く彼らの援護をする事にしよう」「「分かった!」」というわけで僕らは暫くこの場に残り、海人族の援護をしたのだった。
そこそこの時間が経過し、彼らの態勢も戻ってきたと感じたので「そろそろ僕達は自分達の担当場所に戻ります!」「分かりました。ご支援感謝致します!」と隊長さんに伝えた。
その後ジャックを見掛けたので「ジャック! 皆の所に戻るよ!」「分かった!」と伝え、他の人達も近くで戦っているのが確認できたがデビットだけが近くを探してもなかなか見付からず、(あいつどこまで行ったんだ)と頭の中でボヤキながら周りをキョロキョロ見渡してデビットを探した。
その直後、「レックスー!」ジャックの叫び声が聞こえたのでそちらを振り向いた。
そこで目に飛び込んできたのは······クロスボウを両手で構え、今にも発射させようとしているジャックの姿であった。
(っ!)その瞬間、僕は前世でマーシュに腹を小剣で刺された時の記憶が蘇ってしまい、一歩も動く事が出来なかった。
直後にジャックがクロスボウを発射させ······グサッ! ブシュー! 放たれた矢が何かに刺さった音が聞こえた直後、血しぶきが大量に飛び散ったのだった。
その同時刻、プチッ! プチッ! プチッ! アッシュ、アリスそしてメリッサの腕に巻き付いていたミサンガが突然半分ほど自然と切れたのだった。
アッシュは戦闘中であったため当然気付かなかったが、メリッサは自室にいたためすぐに気付き込めた願いの内容から(っ!? レックス君)レックスの事を心配し、ちょうど治療を一段落させた直後だったアリスもすぐに気付き、(まさか!)とこちらも願いの内容から戦場の方を見て(レックス······無事、だよね?)とレックスの心配をしたのだった······。
「ようやくここまで辿り着く事が出来たな」
「えぇ。長い道のりでした」
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その後にフィリップさん達がそれぞれ語った後アレクさんの「さぁいざ、魔王城へ!!」の叫びと皆の「オォーーーーーッ!」という雄叫びを合図に一斉に魔王城へ進軍······しそうになった時、(確かあの時はこの直後に······)と前世での記憶を思い出し、そして「皆! 足を踏ん張って!」と大きく叫んだ。
「えっ!?」「何だ? 突然」と当然僕の叫びを聞いた人達は驚き戸惑い出したが、(来たっ!)その直後、前回同様突然地面が揺れて割れ出したのだ。
そのためある者は足がおぼつかない状態となり、またある者は尻餅をついてしまう者までいたのだが、今回は僕の叫びがあった事もあり、そうした状態に陥る人が少なかったのだ。
そしてその割れた地面の中から、また魔王城方面の地上、上空よりそれぞれ大量の魔物達が前回と同じように現れ出した。
その光景を見て「お出でなすったぜぇ!」「怯むな! 一斉攻撃だ!!」ロックさんとアレクさんがそれぞれ叫び、「オォーッ!!」連合軍が呼応して多くの人がすぐに魔王軍に立ち向かう事が出来た。
こうして、僕にとっては"二度目の"勇者パーティー並びに連合軍の大集団と魔王軍との一大決戦が幕を開けたのだった······。
今回も前回同様同族同士で主に戦い、たまに別の種族と協力して魔物達と戦った。僕も前回は騎士団の他の仲間らと共に魔物に挑む多くの1人として、集団のやや後方から魔物達に挑んでいたが今回は······。
ズバッ!「ギャアー!」グサッ!「グォオー!」「うぉおーー!」ブォーン!「ウギャアー!」爪やダガー、そしてスキル"エアーブロウ"などを駆使して集団の"最前線"にて善戦していたのであった。
また前回は途中で兄ちゃんに助けてもらった事があったが今回は、「っ! 兄ちゃん!」スパッ!「っ!」ヒュッ! グサッ!「グァーッ!」兄ちゃんを襲おうとしていた魔物にダガーを投げて倒し、兄ちゃんを助けるなど逆の立場となったのだった。
「サンキュー、レックス!」「うん!」とダガーを返してもらって再び別の魔物にそれぞれ向かった。
そして他の種族の危機的状況の報告を受ける度に「ドワーフ族応援部隊、彼らのところに向かってくれ! 魔人族担当の◯◯に◯◯! お前達も魔人族の応援に向かってくれ!」「「了解!」」兄ちゃんが事前に決めていたそれぞれの種族への応援要員に指示を出して向かわせたりしたのだった。
こうして僕らが前線で戦っている一方、僕らの位置から少し離れた場所に連なっているネールを始めとした魔法部隊も、「火球!」「火炎!」「竜巻!」「氷刃!」と攻撃魔法を浴びせたり、「土壁!」「結界!」など味方の援護魔法を放ったりしていた。
さらにその後方に存在している森の中では団長やポピーなど各種族の司令官クラスの者達が臨機応変に作戦を立てたりしており、その近くの救護所では支援部隊のアリスらが随時治療を施していたのであった······。
戦いが始まって大分時間が経過した頃、「レーックス!」兄ちゃんが僕を呼ぶ叫び声が聞こえたのでそちらを向き「何? 兄ちゃん!」と聞き返した。
「海人族の方で彼らじゃ手に負えない奴が現れたみたいなんだ。ジャック達を連れて応援に向かってくれ!」「っ! 分かった!」と答え偶々僕らのすぐ近くで戦っていた2人に声を掛け、「ジャック! デビット!」「「何だ! レックス!」」「海人族がピンチに陥っているみたいだから応援に向かうよ!」「「分かった!」」その後他の人達にも声をかけ海人族の担当場所へ向かったのだった。
当然この時、兄ちゃんも僕自身もあの運命の事など頭からすっかり抜け落ちていたのであった······。
その海人達はというと······。「うわぁーーっ!」海人族の何人かが全身を小さな炎で覆った蜥蜴のような魔物であるあの"フレイムリザード"のしっぽ攻撃で弾き飛ばされていた。
「くそぅ。やはり我々の攻撃は通じないか」「だとしても、他から応援が駆け付けてくれるまではコイツを足止めするんだ!」「「はい!」」と隊長らしき人が他の者達を鼓舞し、彼らもそれに応えた。
その直後にフレイムリザードが彼らに向かって突進して来た。多くの人は避ける事が出来たが何人かは直撃を食らって倒れてしまった。そんな彼らの1人をフレイムリザードは追い討ちを掛けるように踏み潰そうとしていた。
「うわぁーーっ!」踏み潰されそうになった人が叫んだ直後、ブォーン! ドォーン!「ギャー!!」どこかからか物凄い突風が飛んできてフレイムリザードを吹き飛ばしたのだった。
突然の事態に一瞬海人族らは呆然としたが、すぐに突風の飛んできた方を見たら「大丈夫ですかーー!」「「レックス殿!」」僕達が来たのを見て安堵したのだった。
僕も状況をすぐに理解して「コイツは僕達が相手しますから、皆さんは他の奴らを相手して下さい!」「分かりました。助かります!」隊長らしき人が受け答え、他の人達を連れ添ってその場を離れて行った。
(さて)すぐに僕は吹き飛ばした奴を見た。「まさかコイツだったとは」「知っているのか? レックス」ジャックが聞いてきたので、「うん。フレイムリザードと言って一度兄ちゃんと戦った事があるんだ」と答えた。
「ホントか!? なら弱点も?」「うん。もちろん分かってるよ」「よっしゃ! それなら······」「うん。皆は援護をお願いします!」「「了解!」」
そうしてジャックやデビットらが前方でフレイムリザードの注意を引き付け、その隙に僕は後ろに回り込み僕から注意が離れたところで念のため聖なる短剣を握って弱点を確認し、前回の奴と同じ所だと分かって後方から体に乗っかり、弱点の頭のてっぺん辺りに辿り着きダガーを突き刺した。
直後フレイムリザードは雄叫びをあげて倒れたのだった。「よっしゃあ!」「やったっ!」ジャックとデビットは喜び僕もホッとしたのだった。
しかしすぐに「取り敢えず、海人族達の態勢が戻るまで暫く彼らの援護をする事にしよう」「「分かった!」」というわけで僕らは暫くこの場に残り、海人族の援護をしたのだった。
そこそこの時間が経過し、彼らの態勢も戻ってきたと感じたので「そろそろ僕達は自分達の担当場所に戻ります!」「分かりました。ご支援感謝致します!」と隊長さんに伝えた。
その後ジャックを見掛けたので「ジャック! 皆の所に戻るよ!」「分かった!」と伝え、他の人達も近くで戦っているのが確認できたがデビットだけが近くを探してもなかなか見付からず、(あいつどこまで行ったんだ)と頭の中でボヤキながら周りをキョロキョロ見渡してデビットを探した。
その直後、「レックスー!」ジャックの叫び声が聞こえたのでそちらを振り向いた。
そこで目に飛び込んできたのは······クロスボウを両手で構え、今にも発射させようとしているジャックの姿であった。
(っ!)その瞬間、僕は前世でマーシュに腹を小剣で刺された時の記憶が蘇ってしまい、一歩も動く事が出来なかった。
直後にジャックがクロスボウを発射させ······グサッ! ブシュー! 放たれた矢が何かに刺さった音が聞こえた直後、血しぶきが大量に飛び散ったのだった。
その同時刻、プチッ! プチッ! プチッ! アッシュ、アリスそしてメリッサの腕に巻き付いていたミサンガが突然半分ほど自然と切れたのだった。
アッシュは戦闘中であったため当然気付かなかったが、メリッサは自室にいたためすぐに気付き込めた願いの内容から(っ!? レックス君)レックスの事を心配し、ちょうど治療を一段落させた直後だったアリスもすぐに気付き、(まさか!)とこちらも願いの内容から戦場の方を見て(レックス······無事、だよね?)とレックスの心配をしたのだった······。
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