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第26章 決戦
第211話 閑話ー資格審査を終えて~勧誘~ー
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一方その頃参加資格審査を終えたサンドリア城内······。
「ふぅ。······くっ! いてててて」(あの野郎。本当に思いきりぶつかってきやがって)と自室にてレックスとの対決で負った傷を気にしながらグレン王子は鎧などを脱いでいた。
そこへ、トントン!「グレン王子、エドガーです」「おう、入れ!」と言われエドガー隊長が部屋に入ってきた。
「失礼致しま······グレン王子! その傷は!?」エドガー隊長はグレン王子の体の傷を見て驚いた。
「大したこと無い。レックスとの対決で負った傷だ」「そ、そこまで激しい対決だったのですか?」「あぁ。まぁ、な······」と少々照れ臭そうにエドガー隊長に対決時の事を話した······。
時は遡り、レックスとグレン王子との対決は······。「試合······開始!」「「うぉーーーっ!!」」両者一斉に雄叫びをあげながら相手に突っ込んだ。
そしてレックスのダガーとグレン王子の小剣とがぶつかり合い、そのまま両者一歩もその場から動かない状態となり、暫くして両者一旦それぞれ後方に下がり、グレン王子がそのままレックスに突っ込んで行ったが、レックスはそれをかわし(その際僅かにダガーで斬り付け傷を与えた)てスキル"ダブルスラスト"を放った。
しかしそれをグレン王子は小剣でそれぞれ防いだ。その後「ハァ、ハァ、や、やるなぁ」と息を切らしながら呟いた。
「ハァ、どうも」レックスもグレン王子程ではないが息を切らしてそう言葉を返した。
それからは再びダガーや時たま爪を用いてグレン王子に攻撃を仕掛け、逆にグレン王子が小剣で斬り付けてくるのを防いだりして時間だけが過ぎていった。
試合が始まって大分時間が経過し、「ハァ、ハァ、ハァ······」レックス以上にグレン王子の息が切れ始めたのをレックスは感じ取り、(今なら······)そう思ったところで片手でエアーブロウの準備をしだした。
少しして息も落ち着いてきた頃にレックスがエアーブロウの発動準備をしている事に気づいたグレン王子は、「あれは······っ!」何か分かるやすぐにレックスへ斬りかかったのだが、一歩レックスの方が早くエアーブロウを発動させたのだった。
「っ! チィッ!」しかしそのエアーブロウをグレン王子は何とか横へかわして直撃を免れた。しかしその際バランスを崩して転がった状態となったのだった。
その隙にレックスはグレン王子に近付き、転がった彼に爪を突き付けた。
それに気付いたグレン王子は「······フッ。参った。俺の敗けだ」そう言葉を発したところで審判役の兵士が「それまで! 勝者、レックス・アーノルド!」とレックスの勝利を宣言し、試合は終わったのだった······。
「そ、そうだったのですか」「あぁ。本当に見事にやられたよ」とレックスとの試合の事を聞いてエドガー隊長も唯唯驚いていたのだった。
「ところで、お前の方はどうだったんだ?」とグレン王子から問われ、「······正直、私もアッシュ・ハーメルンに完敗でした」とエドガー隊長は答えたのだった。
「まぁ今回はその方が魔王軍との戦いで活躍してくれるだろうから有り難いが、さすがに本来なら国の王子や近衛隊の隊長が一騎士団員に敗れたとあっては不味いだろうにな」「さ、左様でございますね」
などと会話をした後、「ところでグレン王子。審査前に仰っておりました話したい事と言うのは?」と尋ねたのだった。
そう、今回エドガー隊長がグレン王子の部屋を訪れた理由は、資格審査が行われる前に······。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「エドガー!」名前を呼ばれて振り返ったら、「っ! グレン王子!」がいた。
そして、「この資格審査が終わったら俺の部屋に来てくれ。話したい事がある」とグレン王子はエドガー隊長に伝え、「わ、分かりました」「頼むな」エドガー隊長も応じてグレン王子はその場を離れたのだった······。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「ああ。エドガー、正直······レックスは近衛隊ででもやっていけると思うか?」「レ、レックスが近衛隊でですか!?」「ああ」突然のグレン王子からの問い掛けにエドガー隊長は一瞬驚いた。
それから気持ちを落ち着かせてグレン王子からの問い掛けについて考えだし、そして······「恐らく、大丈夫ではないでしょうか」と答えたのだった。
「その根拠は?」「これまでの奴の騎士団内での活躍などを振り返っても職務を全う出来る事は間違いないでしょう。その過程でマリア王女様とも頻繁に接する事がありましたし、ジェシー王女様に至っては言わずもがなですので王族との謁見も問題ないかと。あと、そうした過程でお城に何度も訪れておりますので、城内の警備や王族の護衛の職務もすぐに応対出来ると思いますので」「なるほど。よく分かった」
「······あの、グレン王子。本気でレックスを近衛隊にとお考えなのですか?」「ああ。しかも特別な役職を用意してな」「と、特別な役職!?」「ああ」とグレン王子は自分の考えた特別な役職名とその職務内容をエドガー隊長に説明した。
それを聞いたエドガー隊長は「そ、そう言う事ですか! それなら確かに近衛隊がうってつけかもしれませんね」
「だろ? あいつらにとってもな。もちろん近衛隊に転属となったら俺や父上達の護衛などをしてもらう事も出てくるかもしれないが、基本はその職務に専念してもらえば良いだろうに」「そうですね。それにその職務なら他の者達も納得するでしょうし」
「ならお前も特に異存は無しで良いんだな?」「ええ。ございません」「よし。なら今度パーシバルへ奴自身の事を話すついでにレックスの事も伝えてもらうように話しておこう。ご苦労だったな。もう良いぞ」「はっ、失礼致します!」エドガー隊長は部屋を出て行った。
エドガー隊長が出て行った後グレン王子は窓から外の景色を見ながら「まっ、これぐらいの特別措置を取ったところで、誰も文句は言わないだろう。これまでのあいつのこの国への貢献度を考えたら、な」と呟いたのだった······。
「ふぅ。······くっ! いてててて」(あの野郎。本当に思いきりぶつかってきやがって)と自室にてレックスとの対決で負った傷を気にしながらグレン王子は鎧などを脱いでいた。
そこへ、トントン!「グレン王子、エドガーです」「おう、入れ!」と言われエドガー隊長が部屋に入ってきた。
「失礼致しま······グレン王子! その傷は!?」エドガー隊長はグレン王子の体の傷を見て驚いた。
「大したこと無い。レックスとの対決で負った傷だ」「そ、そこまで激しい対決だったのですか?」「あぁ。まぁ、な······」と少々照れ臭そうにエドガー隊長に対決時の事を話した······。
時は遡り、レックスとグレン王子との対決は······。「試合······開始!」「「うぉーーーっ!!」」両者一斉に雄叫びをあげながら相手に突っ込んだ。
そしてレックスのダガーとグレン王子の小剣とがぶつかり合い、そのまま両者一歩もその場から動かない状態となり、暫くして両者一旦それぞれ後方に下がり、グレン王子がそのままレックスに突っ込んで行ったが、レックスはそれをかわし(その際僅かにダガーで斬り付け傷を与えた)てスキル"ダブルスラスト"を放った。
しかしそれをグレン王子は小剣でそれぞれ防いだ。その後「ハァ、ハァ、や、やるなぁ」と息を切らしながら呟いた。
「ハァ、どうも」レックスもグレン王子程ではないが息を切らしてそう言葉を返した。
それからは再びダガーや時たま爪を用いてグレン王子に攻撃を仕掛け、逆にグレン王子が小剣で斬り付けてくるのを防いだりして時間だけが過ぎていった。
試合が始まって大分時間が経過し、「ハァ、ハァ、ハァ······」レックス以上にグレン王子の息が切れ始めたのをレックスは感じ取り、(今なら······)そう思ったところで片手でエアーブロウの準備をしだした。
少しして息も落ち着いてきた頃にレックスがエアーブロウの発動準備をしている事に気づいたグレン王子は、「あれは······っ!」何か分かるやすぐにレックスへ斬りかかったのだが、一歩レックスの方が早くエアーブロウを発動させたのだった。
「っ! チィッ!」しかしそのエアーブロウをグレン王子は何とか横へかわして直撃を免れた。しかしその際バランスを崩して転がった状態となったのだった。
その隙にレックスはグレン王子に近付き、転がった彼に爪を突き付けた。
それに気付いたグレン王子は「······フッ。参った。俺の敗けだ」そう言葉を発したところで審判役の兵士が「それまで! 勝者、レックス・アーノルド!」とレックスの勝利を宣言し、試合は終わったのだった······。
「そ、そうだったのですか」「あぁ。本当に見事にやられたよ」とレックスとの試合の事を聞いてエドガー隊長も唯唯驚いていたのだった。
「ところで、お前の方はどうだったんだ?」とグレン王子から問われ、「······正直、私もアッシュ・ハーメルンに完敗でした」とエドガー隊長は答えたのだった。
「まぁ今回はその方が魔王軍との戦いで活躍してくれるだろうから有り難いが、さすがに本来なら国の王子や近衛隊の隊長が一騎士団員に敗れたとあっては不味いだろうにな」「さ、左様でございますね」
などと会話をした後、「ところでグレン王子。審査前に仰っておりました話したい事と言うのは?」と尋ねたのだった。
そう、今回エドガー隊長がグレン王子の部屋を訪れた理由は、資格審査が行われる前に······。
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「エドガー!」名前を呼ばれて振り返ったら、「っ! グレン王子!」がいた。
そして、「この資格審査が終わったら俺の部屋に来てくれ。話したい事がある」とグレン王子はエドガー隊長に伝え、「わ、分かりました」「頼むな」エドガー隊長も応じてグレン王子はその場を離れたのだった······。
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「ああ。エドガー、正直······レックスは近衛隊ででもやっていけると思うか?」「レ、レックスが近衛隊でですか!?」「ああ」突然のグレン王子からの問い掛けにエドガー隊長は一瞬驚いた。
それから気持ちを落ち着かせてグレン王子からの問い掛けについて考えだし、そして······「恐らく、大丈夫ではないでしょうか」と答えたのだった。
「その根拠は?」「これまでの奴の騎士団内での活躍などを振り返っても職務を全う出来る事は間違いないでしょう。その過程でマリア王女様とも頻繁に接する事がありましたし、ジェシー王女様に至っては言わずもがなですので王族との謁見も問題ないかと。あと、そうした過程でお城に何度も訪れておりますので、城内の警備や王族の護衛の職務もすぐに応対出来ると思いますので」「なるほど。よく分かった」
「······あの、グレン王子。本気でレックスを近衛隊にとお考えなのですか?」「ああ。しかも特別な役職を用意してな」「と、特別な役職!?」「ああ」とグレン王子は自分の考えた特別な役職名とその職務内容をエドガー隊長に説明した。
それを聞いたエドガー隊長は「そ、そう言う事ですか! それなら確かに近衛隊がうってつけかもしれませんね」
「だろ? あいつらにとってもな。もちろん近衛隊に転属となったら俺や父上達の護衛などをしてもらう事も出てくるかもしれないが、基本はその職務に専念してもらえば良いだろうに」「そうですね。それにその職務なら他の者達も納得するでしょうし」
「ならお前も特に異存は無しで良いんだな?」「ええ。ございません」「よし。なら今度パーシバルへ奴自身の事を話すついでにレックスの事も伝えてもらうように話しておこう。ご苦労だったな。もう良いぞ」「はっ、失礼致します!」エドガー隊長は部屋を出て行った。
エドガー隊長が出て行った後グレン王子は窓から外の景色を見ながら「まっ、これぐらいの特別措置を取ったところで、誰も文句は言わないだろう。これまでのあいつのこの国への貢献度を考えたら、な」と呟いたのだった······。
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