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第24章 王国騎士団
第158話 入団試験~筆記と実地~
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ファンタジック歴1100年、春
3年間学んだ王国騎士団養成学校をつい昨日卒業した僕、レックス・アーノルドは騎士団に入団するための試験を受験するために養成学校寄宿舎を出発して騎士団本部内の試験会場へ向かった。
会場に着いた時には他の受験者らも多くいて、その中には養成学校内で見掛けた顔ぶれも何人かいた。
その時、「レックス!」僕を呼ぶ声が聞こえたのでそちらを向いたら幼馴染みのアリス・テレンシアとその恋人のマーシュ・フィロンがこちらに向かっていた。
「おはようアリス、マーシュ」「おはよう。いよいよ騎士団入団試験ね」「まぁつい昨日養成学校を卒業したばかりだからいよいよって事でもないけどね」
「でも、レックスは大分前に卒業を決めてて入団試験の勉強してたんだから、いよいよって感じじゃない?」「まぁね」と話していた。
そこへ「よぉ、レックス」養成学校2年と3年のクラスメイトで、あの運命の洞窟内の水晶玉が見せたもうじき訪れる魔王軍との決戦の場で僕を殺すかもしれない人物であるジャック・スミスが声を掛けてきた。
「あぁおはよう、ジャック」「分かっていたつもりだったけどよ、やっぱ人数多いなぁ」「そりゃあ養成学校の卒業者だけでも武力、魔法、サポート3科の卒業者のほとんどがいるんだし、外部からの受験者もいるはずだから多くなるよ」「だな」
ジャックと会話を交わしたところで周りを見渡したところ、確かに多いなぁと感じつつ、その中で1年の時だけクラスメイトだった魔人族のカールに2年まで一緒だった亜人族のアイラ、さらにアリスのクラスメイトだった亜人族のオスターにエルフ族のメリーの姿を見掛けた。
それから、少し離れた所に3年で僕の彼女となったこの国の第2王女であるジェシー・サンドリアの護衛をしていて、同じく水晶玉が僕を殺すかもしれないと見せた2人の人物であるライアン・バーンズとエルフ族のネールがいた。
(事前に騎士団入団を目指すと聞いていた主だった人はこれで全員だな)と思っていたら、「それではこれより入団試験の筆記試験会場へ案内します」と案内係の人の声が聞こえた。僕らは案内に従って各会場へ向かった。
騎士団の入団試験は養成学校の卒業試験終了後に渡された"筆記試験対策テキスト"の初めに大まかな内容が載せられていたが、2日間に掛けて実施され、初日の午前中に筆記試験、午後に課題の素材を探してくる実地試験が行われ、2日目の午前中に面接試験が行われた後各部隊の合格者が発表される。
そして、3つある部隊のうち武闘部隊と魔法部隊の合格者は午後から組手大会が実施され、その結果が小隊編成の参考にされるとの事だ。
筆記試験会場に着いて暫くしたら監督者が入って来て、諸注意が説明された後問題が配られ試験が始まった。
流石に事前に配られた対策テキストを誰よりも見たり解いたりしていただけにほとんどの問題をスラスラと解いていった。
ほぼ全て順調に解き終えて後1問だけ残ってしまい、どうしても分からず目を瞑って考え出した。
すると突然、目の前に同じ問題をスラスラと解いている自分の姿が映し出された。
一瞬 (えっ!?)と思ったが、取り敢えず解答していた内容を思い出しながら書いた。
書き終えたところで全ての問題を見直し、問題なさそうだったので時間になるまでのんびりしながら先ほどの現象の事を考え出した。
(さっきの映像って、もしかして前の人生の時の姿だったのかなぁ。でも、何で突然······)これまで養成学校時代も、その前の時期もそんな事はほとんど無かったのに······などと考えていたら監督者の終了の合図が聞こえた。
筆記試験終了後アリスやジャックなど事前に勉強会を行った者で集まって昼ご飯を食べながら先ほどの筆記試験の話題で盛り上がった。
その後事前に指定されていた実地試験の課題発表場所へ移動して時間になるのを待った。発表時間となり担当者がやって来たところで、「それではこれより実地試験のお題発表と諸注意を説明する」と言った。
実地試験は日没までに指定した10種類の素材から3種類の素材を指定数集めて提出するようにとの事だ。日没までに提出出来れば取り敢えず合格で明日の面接試験に進めるが、当然早く終わらせた者が合否判定で憂慮されると説明があった。
そして、お題の素材が発表された。その内容は・・・。
・バイオレントビーの針10本
・バンピーディアーの角10本
・モーラボアの毛皮10枚
・ホロゴーストの目玉10個
・グリフォンの羽10枚
・ダイオウイカの足10本
・銅鉱石10個
・レインボーハーブ10個
・リーガルフルーツ10個
・ビッグアップル1 個
であった。
(どれもこれも癖のある物ばかりだなぁ)と思いながら、取り敢えず集める素材を決め(バイオレントビーの針10本と、バンピーディアーの角10本と、モーラボアの毛皮10枚)て早速そいつらの生息場所に向かった。なお会場を出る時にお題一覧の書かれた紙が配られるとの事なので助かった。
この3匹は養成学校時代に少なくとも1回は遭遇していて生息場所は分かっているので、会場に近い場所から順番に回って行った。
多少探し当てたり倒すのに手こずったが、集中スキルや集中スキルの覚醒を駆使して順当に探し倒して素材を手に入れる事が出来た。
そして、「コイツでラストッ!」目の前の魔物を倒して最後の素材を手に入れ試験会場へと戻った。
会場へ戻った時には何人か既に並んでいた。そして僕の番になって素材を確認され問題なしとの事で実地試験は合格となった。
ちなみに10番目の合格者との事だ。世の中上には上がいるんだなぁと思いながら取り敢えず寄宿舎に戻る事にした。
暫くしてジャックやカール、マーシュとアリスにアイラ、オスターらが帰って来て、日没ギリギリの頃にメリーも帰って来たのだった。
帰って来た順に随時会話を交わして時間を過ごし、試験初日は終わった······。
3年間学んだ王国騎士団養成学校をつい昨日卒業した僕、レックス・アーノルドは騎士団に入団するための試験を受験するために養成学校寄宿舎を出発して騎士団本部内の試験会場へ向かった。
会場に着いた時には他の受験者らも多くいて、その中には養成学校内で見掛けた顔ぶれも何人かいた。
その時、「レックス!」僕を呼ぶ声が聞こえたのでそちらを向いたら幼馴染みのアリス・テレンシアとその恋人のマーシュ・フィロンがこちらに向かっていた。
「おはようアリス、マーシュ」「おはよう。いよいよ騎士団入団試験ね」「まぁつい昨日養成学校を卒業したばかりだからいよいよって事でもないけどね」
「でも、レックスは大分前に卒業を決めてて入団試験の勉強してたんだから、いよいよって感じじゃない?」「まぁね」と話していた。
そこへ「よぉ、レックス」養成学校2年と3年のクラスメイトで、あの運命の洞窟内の水晶玉が見せたもうじき訪れる魔王軍との決戦の場で僕を殺すかもしれない人物であるジャック・スミスが声を掛けてきた。
「あぁおはよう、ジャック」「分かっていたつもりだったけどよ、やっぱ人数多いなぁ」「そりゃあ養成学校の卒業者だけでも武力、魔法、サポート3科の卒業者のほとんどがいるんだし、外部からの受験者もいるはずだから多くなるよ」「だな」
ジャックと会話を交わしたところで周りを見渡したところ、確かに多いなぁと感じつつ、その中で1年の時だけクラスメイトだった魔人族のカールに2年まで一緒だった亜人族のアイラ、さらにアリスのクラスメイトだった亜人族のオスターにエルフ族のメリーの姿を見掛けた。
それから、少し離れた所に3年で僕の彼女となったこの国の第2王女であるジェシー・サンドリアの護衛をしていて、同じく水晶玉が僕を殺すかもしれないと見せた2人の人物であるライアン・バーンズとエルフ族のネールがいた。
(事前に騎士団入団を目指すと聞いていた主だった人はこれで全員だな)と思っていたら、「それではこれより入団試験の筆記試験会場へ案内します」と案内係の人の声が聞こえた。僕らは案内に従って各会場へ向かった。
騎士団の入団試験は養成学校の卒業試験終了後に渡された"筆記試験対策テキスト"の初めに大まかな内容が載せられていたが、2日間に掛けて実施され、初日の午前中に筆記試験、午後に課題の素材を探してくる実地試験が行われ、2日目の午前中に面接試験が行われた後各部隊の合格者が発表される。
そして、3つある部隊のうち武闘部隊と魔法部隊の合格者は午後から組手大会が実施され、その結果が小隊編成の参考にされるとの事だ。
筆記試験会場に着いて暫くしたら監督者が入って来て、諸注意が説明された後問題が配られ試験が始まった。
流石に事前に配られた対策テキストを誰よりも見たり解いたりしていただけにほとんどの問題をスラスラと解いていった。
ほぼ全て順調に解き終えて後1問だけ残ってしまい、どうしても分からず目を瞑って考え出した。
すると突然、目の前に同じ問題をスラスラと解いている自分の姿が映し出された。
一瞬 (えっ!?)と思ったが、取り敢えず解答していた内容を思い出しながら書いた。
書き終えたところで全ての問題を見直し、問題なさそうだったので時間になるまでのんびりしながら先ほどの現象の事を考え出した。
(さっきの映像って、もしかして前の人生の時の姿だったのかなぁ。でも、何で突然······)これまで養成学校時代も、その前の時期もそんな事はほとんど無かったのに······などと考えていたら監督者の終了の合図が聞こえた。
筆記試験終了後アリスやジャックなど事前に勉強会を行った者で集まって昼ご飯を食べながら先ほどの筆記試験の話題で盛り上がった。
その後事前に指定されていた実地試験の課題発表場所へ移動して時間になるのを待った。発表時間となり担当者がやって来たところで、「それではこれより実地試験のお題発表と諸注意を説明する」と言った。
実地試験は日没までに指定した10種類の素材から3種類の素材を指定数集めて提出するようにとの事だ。日没までに提出出来れば取り敢えず合格で明日の面接試験に進めるが、当然早く終わらせた者が合否判定で憂慮されると説明があった。
そして、お題の素材が発表された。その内容は・・・。
・バイオレントビーの針10本
・バンピーディアーの角10本
・モーラボアの毛皮10枚
・ホロゴーストの目玉10個
・グリフォンの羽10枚
・ダイオウイカの足10本
・銅鉱石10個
・レインボーハーブ10個
・リーガルフルーツ10個
・ビッグアップル1 個
であった。
(どれもこれも癖のある物ばかりだなぁ)と思いながら、取り敢えず集める素材を決め(バイオレントビーの針10本と、バンピーディアーの角10本と、モーラボアの毛皮10枚)て早速そいつらの生息場所に向かった。なお会場を出る時にお題一覧の書かれた紙が配られるとの事なので助かった。
この3匹は養成学校時代に少なくとも1回は遭遇していて生息場所は分かっているので、会場に近い場所から順番に回って行った。
多少探し当てたり倒すのに手こずったが、集中スキルや集中スキルの覚醒を駆使して順当に探し倒して素材を手に入れる事が出来た。
そして、「コイツでラストッ!」目の前の魔物を倒して最後の素材を手に入れ試験会場へと戻った。
会場へ戻った時には何人か既に並んでいた。そして僕の番になって素材を確認され問題なしとの事で実地試験は合格となった。
ちなみに10番目の合格者との事だ。世の中上には上がいるんだなぁと思いながら取り敢えず寄宿舎に戻る事にした。
暫くしてジャックやカール、マーシュとアリスにアイラ、オスターらが帰って来て、日没ギリギリの頃にメリーも帰って来たのだった。
帰って来た順に随時会話を交わして時間を過ごし、試験初日は終わった······。
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